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贈りもの  作者: lycoris
1.離別
29/73

退屈な日常

日曜日の夜にまさかの寝落ち。

本当にすみません。

4時間目の授業の終了を告げるチャイムが鳴る。

それを合図に、担当教科の先生がクラス委員に号令を促す。

クラス委員が「起立!」と全体に号令をかける。

みんなそれに従い立ち上がる。

当然立ち上がる時に椅子を引かなければならない。

その時にクラス中に鳴り響くガタガタという音で俺は起こされた。

それと同時に周りは「飯だ!」「授業終わった!」などざわつき始める。

寝起きで立ちくらみがする中、俺もみんなと同じように礼をして再び着席した。

着席した生徒は俺だけではないが、着席をしなかった生徒は弁当を持って他クラスへと出かける。

今日は面倒臭いからこのまま自分の席で食べることにした。

いつもなら磯村のところに行くのだが、たまに向こうからやって来ることもある。

来るなら来る、来ないなら来ないで一歩も動こうとせず、鞄からコンビので買った今日の昼飯を取り出す。

もしかしたらあいつはまだ俺が学校に復帰したことを知らないのかもしれない。だったら今日は来ないだろうな。

明日、気が向いたら出向いてやろう。とパンの袋を開けて、パンを口に運ぼうとした時にクラスの騒がしいグループの男子や女子達はわざわざ名前に君付けして元気に挨拶する声が聞こえた。

その名はこの学校切ってのイケメン「磯村 正義」だった。

それはもう女子が君付けするくらいにかっこいい面構えだ。性格もいい方だ。

何故俺なんかと一緒に飯を食うのか謎なくらいに。

本人は楽しいらしいが本人の周りは俺と同じで不思議に思ってるようだ。

だが、俺と磯村が昼飯を一緒に食べてるのは今に始まった事ではないので、周りも「今日は大山来てるよ。」とパンを食べている俺の方を指差した。

俺の隣で食べてたグループがわざわざ磯村用に席をどいてくれた。

最初は磯村に混ざろうといろんな(やから)が「お昼一緒に食べよう!」と言ってきたが、磯村が俺としか話そうとしないからそういう輩はだんだんと減って行き、周りも理解して、俺は毎度こいつと2人で昼食をとっている。

飯ぐらい静かに食べたいらしいんだが、磯村の方から毎回話題をふって来る。

おかげで、一時期ホモではないのかと俺と磯村の両方に疑いをかけられた事もあった。

そこで磯村が自分のブックマークしているエロサイトやらを周りに公表することで晴らしたが、そのバカらしい行為から男子内での人気が急上昇。何故か女子からも『残念なイケメン。でも面白い』と評判になった。やはりイケメンは有利なのだろうか?と思っていたが、元部活のメンバーだった奴らや磯村としかあまり仲良くせず、クラスでは大人しかったので俺への疑いも自然消滅した。

残念ながら、実は今でもそうではないか?と疑う者もいるようだが。

そんな訳で磯村は、譲ってもらった席の机を俺の机にくっつけて、それから自分の弁当を広げた。

「よっ!今日は弁当じゃないのか。」

無視してやっても良かったが、向こうは待ち望みにしていたようなので話に乗ってやる。

「作る時間も無いし、人も居ない。それだけだ。」

「へー、そうなんだ。親と喧嘩でもしたのか?」

予想した返答とは違うものが返ってきて、思わず食べる手を止めた。

磯村は特に気を使ってる様子はなく、むしろ何も知らない様にも見える。

「そんなところ。最近はろくに話もしてないよ。」

今思えば、他の生徒達から驚きの視線はあったが、憐れみの視線はなかったような気がする。

なので、自嘲気味にブラックジョークを放った。

どうせ誰も知らないようだからと、自分に言い聞かせるように。

「へー、大変だなー。それも自腹か?」

それを本当の意味では分かってないだろうが、間に受けたようだ。

「ああ、当然。」

それを皮切りに俺は黙々と食事を再開した。

俺が食べてる間は磯村が俺が休でいる間に起こった学校での出来事を話していた。

それに適当に相槌(あいづち)を入れながらおにぎりを完食した。

ちょうど磯村も食べ終わって、話のタネも終わりに近づいてきた。

飲料を喉に通し、食べたものを押し込んだ。

そこ磯村の話題は急変した。

「そう言えばさ、何でお前最近休んでばっかだったの?」

せっかく押し込んだのに少し戻ってきそうだった。

「旅行?」「インフル?」などと咳き込んでいる俺にさらに問いかけてきた。

「ちょっと待って、ゴホッ。気管支に入っゲホゲホッ。」

理由は違えど時間が欲しかった。

演技だとバレているのか磯村の目は疑っている目だった。

とりあえず思いついた言い訳を咄嗟に言った。

「ゴホッ。うん、旅行だよ。実は俺、クォーターでさ。爺ちゃんに会いに行ってたんだよ。それでその帰り、帰国の時に親と揉めちゃってさ。あ、学校には他の奴に変に思われたくないから黙っといてって言っといたんだよ。」

いろいろ唐突だが何とか矛盾もなく筋も通ってる。

これで行けるか?

「そうか。大変だな。」

さっきも似た返事をしていたのに印象が違う。

元から磯村は顔立ちがいいので睨むと凄みが出て迫力があった。

別に今、睨んでいるわけではないけど、そんな雰囲気があった。

「それでさ、前の休みの日にバスの事故があったじゃんか。」

そういえば、そんなのもあったな。

他人事のように過去を思い返す。

「その時お前は爆発に巻き込まれたけどよく無事だったよな。お前以外みんな死亡か重体だとよ。」

磯村は探るように言った。

「無駄に頑丈なのが最近になって気付いた俺の取り柄さ。それよりお前もよく無事だったな。」

「最近って、おまえ…まあ、俺の場合は助けたあの少女いたじゃん?それを誰かに手当てしてもらおうかと後ろの方に下がってたから軽傷で済んだよ。それと一応あの病院にお前と付き添ったのは俺だからな。」

呆れられた。

自分でも信じられないが身体が頑丈になったのだ。

最後に感謝しろと言わんばかりに言われた。

なので一応感謝の念は伝えた。

「はいはい、ありがとうございました。」

「どういたしまして〜。それで何時退院したんだよ?」

「退院昨日だ。昨日の今日だけど体は万全だし、そのまま学校に来たんだよ。」

「へ〜。本当に頑丈なんだなー。」

関心された。

自分のお陰では無いけど、少し照れた。

「それ程でも。それで、あの少女はどうなったんだよ?」

「ん?いやさ、行く宛もないらしいから俺の家で引き取る事になった。実は俺の家は母子家庭でさ、それでも母さんが『1人くらい増えても変わらないし、困ってるみたいならうちで引き取るよ。』って言ってくれて、引き取る事になったんだ。」

「へー、意外だなー。」

磯村がこんなに自分の家庭の事を話すなんて初めてだ。

実際こいつが母子家庭ってのも始めて聞いた。

いつも母親の話だけだったのにはこんな理由があったのか。

「そうか?」

「そうだな。」

「まあこれでバイトがさらに忙しくなるよ。じゃあな。」

磯村は食べ終えた弁当を畳んで、机を元あった大体の位置に戻して帰って行った。

「じゃあな。」

別れを告げてから俺は教室内で孤立。と言ってもいつものことだが。

対して磯村は出て行く際もいろんな生徒からの見送りの言葉が送られていた。

1人では特にすることもないし、本を読む気分でも無かったので1人静かに窓の外眺め物思いにふけった。

そういえばあいつの付き合いが悪いって誰か言ってたな。

そういうことか。

それからしばらく磯村の家庭の事情について考えていたが、その考えはいずれ日常のものになり、俺の今後の想像に変わって行った。



それから、事件が起こる前とあまり変わらない日常が流れた。変わった事と言われれば、磯村とだいぶ打ち解けあった。少なくとも身内の話題が出るほどに。

と言っても俺の話題は過去にあったことを必死に思い出しながら語った虚しいものだった。

生きていると想像もしようとしたが、上手く行かないのがほとんどだった。

それから、クラス内がやけに騒がしく思えた。

高校にも慣れ、クラス内にも慣れ、まだ1年生だ。

はしゃぐ奴らがうじゃうじゃ。

最近まで寝ていた事が多く大体安静にしていたので、どこのクラスも変わりないだろうが、自分のクラスだけが特別なのだろうかと思うほど騒がしく感じた。

授業中はただノートを写し、放課は読書か睡眠。

昼飯で磯村と居ない親の情報を交換して、帰るまで午前と同じ事の繰り返し。

そして誰も居ない家に帰って食事の準備。

それを済ませてから風呂に入って睡眠。

規則正しい退屈な毎日を過ごしていた。

生活は親の保険で今は何とかなっている。

だが、こんな生活ならばいっそ、死神に飽きられて死んだ方がマシなんじゃないか?と日に日に思うようになって行った。

それでもまだ死んでいない。

とっくに飽きられて殺されてもおかしくない日々だ。

なのに何故?

死神のおかげで死なないのは確かだが、死神に飽きられたら死亡なんてまだ不確かだった。

それが確かだったとして、知る頃には無意味だ。

何にせよ考えても答えを導き出せなかった。


そんな日々を送って金曜日。

体が重い曜日だが、いつにもまして疲れている。

腹は減っているが飯を作るのも面倒だ。

学生服を洗濯カゴに投げ入れ、そのまま自室に行きますベットに倒れこんだ。

1日くらい夕食を食べなくても死なない。

元より死なない体なのだから。

そう自分に言い聞かせて睡魔の誘いを待った。


そのまま眠りについて、目が覚めたら土曜日の昼過ぎ。

ハッキリと目が覚め、普段まとわりつく二度寝の睡魔も無かった。

久々に目覚めがいい。

病院の退院日以来か?

そんな目覚めのいい朝に最初に部屋に響いた音は腹の虫だった。

「そういえば、昨日は食べずに寝たな。」

朝一番の独り言を言ってから部屋を出て朝食兼昼食、俗にいうブランチというやつの準備を始めた。

トースターに食パンをセットし、塗るものを冷蔵庫から取り出し、飲み物の用意をしている内にトースターが焼き上がりの音を軽快に鳴らした。

「さてと。」

食事の準備を余裕を持って終わらせて、椅子に腰掛けた。

いい具合の焦げが付いた食パンの上にツナマヨを塗りたくった。

コーヒーはまだ飲めないので、飲み物はアップルジュース。

食パンうぃ食べ終えた後にアップルジュースで流し込み。

少し物足りないなと、冷蔵庫からヨーグルトを引き出す。

俺が入院してる間に失くなった粉の代わりにイチゴジャムを少量ずつ垂らしながら食べた。

パンに塗るよりもこっちのが合うんじゃないか?と思うほど程よく甘いいい味だった。

「ふぅ…」

空容器をゴミ箱に捨て、食器を流しに置いてからアップルジュースのお代わりを持ってソファーにもたれかかるように座った。

今日の今後はどうしようか?

考え始めたら案外すぐに決まった。

そういえば、今日は呼び出されてたな。

内容は置いといてそれまで何してようか?

新たな課題の解決案を考えながらアップルジュースを一口飲んだ。

そんなわけで、本日の業務を終わらせてから奮闘し書き上げました。

寝落ちのよって一部消えた箇所もありますが、なんとか修正し、今日中に間に合いました。

毎度毎度日付ギリギリですみません。

もっとやる気を出さねば。


そんなわけで

次回が多分長めになると思います。

遅れが生じるかもしれませんが、なんとか今週中に仕上げたいです。

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