カース・オブ・カード
間に合わなかった…
「お前は死神に取り憑かれてるんだよ。」
驚きの一言が友人の口から発せられる。
そして、動けないままそれから紡がれる言葉に耳を傾けた。
「それは俺のせいだ。俺が昔お前が引っ越す時に交換であげたあのカードあるだろ?あれのせいなんだ。」
『死神』と言われて自分の中で出てくるのはそのカードしかなかったので、なんとなく予想は出来ていた。
なので、そのまま相手の話の続きを促した。
「それで…?」
「ああ、それで。ってやっぱあんまり驚かないのか。察しが良くて助かる。昔からだったよな。」
「…」
無言の返事を察してくれてようで、やっと続きに入った。
「そうだな。それで、俺はお前から『ジェミニ』の絵画を貰ったよな?」
あれってそんな絵画だったのか。と思いながら頷いて確認に応じた。
「俺があげた死神にも、お前から貰ったジェミニにも、共通のものがあった。」
勿体ぶるのはこいつの悪い癖だと、少し不機嫌なのを表情を歪めることで相手に認識させる。
「まあまあ。それでその共通のものはよくあるありふれたものなんだよ。」
怒りを表に出そうと眉の角度をさらに鋭角にしようとするのを見て、友人は慌てて話を続けた。
「そ、それでさ、それは『呪い』だったんだよ。ほら、こんなご時世に?なんて思うかもだけど、こればっかりは本当なんだよ。じゃなきゃ説明がつかないからね。」
勿体ぶっている長話を聞いてるせいで少しは体の痛みが癒え少しばかり楽になった。返事に困らないほどには。
「別に疑っちゃいないさ。それで何の?」
「おお、早いな。それでまず、先に俺があげた『死神』のカードの呪いの方の説明かな。その『呪い』ってのは呪いかどうか少し曖昧なもんなんだ。様は人によっちゃどうにでも言いようがあるって言うか。」
「分かったから。分かってるから。それで。」
話がいちいち脱線しないように相手を綾しながら続きを促す。
「サンキュー。それで、俺の言い方になるが、その呪いってやつは お前が死ぬ っていう類いのやつでな。これがややこしいんだよ。」
「は?」
思はず聞き返す。
だが今度は形勢逆転のようで、
「まあ聞けって。それで一言に『死ぬ』って言ってもいつかはわかんないんだよ、これが。今すぐかもしれないし明日かも。はたやおかしいが自然死するまで死なないかもしれない。まあこの場合は呪いが発揮しなかったて感じか。」
ますます混乱していく中、さらに衝撃的な追い打ちをかける。
「うーん、説明が難しいんだが、俺流に簡単にまとめると、"お前は今、死神に心臓を掴まれている。"ってとこかな。掴まれているというか、鎌を向けられているというか、まあ俺にはそういう風に『見える』かな。」
追い打ちを喰らいはしたが、逆にあまりもの衝撃で冷静になった。
そして、気になって、思いついたことを聞いてみた。
「ねぇ」
「ん?質問か?にしても相変わらず落ち着いてるな。」
「それほどでも。それで、『見える』って死神が?」
「うん。」
「俺の後ろで鎌を構えているのが?」
「うん。ん?」
「てことは、さっきから見え隠れしているそのサラリーマンも?」
友人の背後に指を指す。
そこには先ほどまで居たのに誰も居なくなっていた。
だが、友人の表情を読み取ると確証を持てた。
「え?え?み、見えるのか?」
またしても逆転したようで、今度は友人が混乱する番だ。
「いや、はっきりとじゃないし、さっき言った通り見え隠れだし。」
「は、はは、まさかな。ちょっと、悪いが目を見させてくれないか?」
何故なのかは分からないが、このまま友人が混乱していては話が進まないので、混乱させた当事者だが、おとなしく目を大きく見開いた。
「これは…いや、でも…」
さっきまで目が泳ぐほど混乱していたというのに、真剣な眼差しでこちらの目を覗き込んでいる。
度々瞬きし、目も乾いて痒くなって来たので、終了を促す。
「も、もういいか?」
「あ、悪い。ありがと。」
「別にこれぐらいいいけど。」
目をこする。
だが、目の痒みがとれない。
それを見越したのか、
「あまりかかない方がいい。しばらく、目を凝らしてみろ。」
言われた通り、かかないように手に力を入れ耐える。
そうしたらすぐに、目の痒みが取れた。
「お、本当だ。ありがとう。それで、目がどうした?」
「いや、大丈夫じゃないが大丈夫だ。話を戻そう。」
いつもは自分から脱線するのに、自分から修正するとは。
「それで、『心臓を掴まれている』と言ったが、言うなればお前は死神に脅されているんだ。」
「へー、それで死神の要件は?」
こちらの冷静さに慣れたのか、友人もいつまでも驚かない。
「面白いかどうか。よくある話さ。死神がお前に興味を持たなくなった時、もしくは不要となった時にお前の心臓を潰してお前を殺す。逆に、それまでお前は死なないんだ。そう、お前は死神の許可なしでは死なない。死ぬことを許されない。だから、不死を得たとも言えるし、不治の病かかったとも言える。そして、お前はいつ死ぬかも分からない。他人に命を弄ばれてるんだ。」
一気に説明されると混乱するのも当たり前だというのに。
呆れつつも情報の整理を続ける。
そして、特に質問もなかった、いや、しても無駄だろうと思い、話を次に進めた。
「わかった。それで、ジェミニの方の呪いってやつは?」
「続けよう。まず先に、あれは『ジェミニ』という題名らしいが、本当は『ドッペルゲンガー』を題材にしてるんだよ。双子に見せかけた人殺し。」
結果やはりフラグには勝てなかったよ、ビクンビクン。
てのは置いといて、どうも皆様ギリギリ間に合わずすみません。
今回は試験的に読み仮名を振って見ました。
こんな機能があるなんてプレゼントの時に初めて知ったんですがね。
せっかくだから使って行こうかと。
それにしても人名がないとやはりわかりずらいですね。
何個か案は出ているんですが、書き込む時には忘れてしまってます。
そろそろちゃんと決めようかと思います。
それと、最後に追記で、
自然死 がどうのこうの書きましたが、これは死神が飽きずに、それでいて本来の寿命に達した時に主人公に将来性をあまり見出せず殺した場合ってことで、保管お願いします。
それでは、フラグを立てぬうちにさようなら




