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贈りもの  作者: lycoris
1.離別
19/73

公園での

間にプレゼント挟んで遅れました。

プレゼントも無事に終わったので、しばらくこちらを続けます。

では、再開です。

この街に引っ越してきたのは単なる親の仕事の都合。

そんな簡単な理由で、僕はたった1人の親友と離れ離れになってしまった。

最初は疑問に思い、だがそれが憎しみにかわり、「何故こんなことをしたのか」から「何故こんなことをする必要がある」に変わって行った。

そんな中不思議な事に、小さいながらに親への憎しみが親の社会への憎しみに変わって行った。

引っ越してばっかりの時はあまり話さなくなっていて、親の話なんてもっぱら無視するようにしていた。

何度か喧嘩まがいな事をしたが、幼かったがゆえに口喧嘩で終わった。

そして、それを見兼ねた母が僕をなだめようと何度か説得した。

引っ越してすぐに誕生日を迎えた。

子供の頃というのは、誕生日は1年に数回あるうちの1、2番を争うくらい人気のイベント、のはずだが、今日は全然嬉しくない。

期待していないって言えば嘘になるが、父の帰りがいつもより遅くなるようだ。

今までたまにあるくらいだったが、今日この日に限って残業とは。

父はこういう日は残業なんて残さない、例え残ってても放り出して帰って来てくれる人だったのに。

母に父を待つ必要はないじゃないかと言っても「待ちましょうよ」と少し苦笑しながらに返事するだけだった。

拗ねた僕はお小遣いを握り家を飛び出す。

そろそろ日が暮れる時間帯だったが、家への反抗と帰りたくない気持ちで、少し公園に立ち寄ることにした。

ブランコに座って軽く揺さぶりながら、景色を眺めて不貞腐れる。

ジーと公園の外を見つめていると、親子連れが通った。

その親子は仲が良さそうで、手を繋いで歩いていた。

母親の手には梱包された箱、父親の手にはプレゼント用のラッピングがされた箱。

そして、ニコニコとその間で笑顔を浮かべて上機嫌な少年を見ると、どうやら彼も今日が誕生日らしい。

遠くてその少年の顔はよく見えなかったが、楽しそうな笑い声が聞こえるからそうなのだろう。

正直に羨ましいと思ってしまい、少年に嫉妬した。

その家族が通り過ぎて行くと、また不貞腐れる。

どうして自分だけ。

そんな考えが浮かぶ。

そして悪態をつこうとした時、自分の名前が呼ばれた。

呼ばれた方向を向くと、母親がいた。

「おーい、何やってんの。早く帰ってらっしゃい。アナタもよー。」

母親は自分だけでなく、後ろに居る人にも呼びかけたようだ。

振り返ってみると父親がコッソリとこちらに近づこうとして固まっていた。

「もー、驚かせようとしてたのにー。」

そう呆れたように言って、僕の肩を叩いて、

「おら、帰ろうぜ。もう日が暮れる。」

そう言って叩いた手の反対の手にはプレゼントらしきものが入ったビニール袋をぶら下げていた。

「うん!」

それに気づき、とても嬉しくなった。

ブランコから降りて帰ろうとする。

「うわっ!」

が、ブランコを止めて、足が地に着いた瞬間にグラリとフラついた。

(あれ?)

ふいにバランスを崩したが、転ぶまではなく、何とか耐えた。

「おいおい、大丈夫かよ?」

父親が半ふざけで心配してくれた。

そして、手を肩に置いた父の方向を見ると、そこには父は居なかった。

「へっ?」

間抜けな声をあげる。

そして、そこには自分の父親ではなく、何処かで見たような『死神』と呼ぶに相応しい容姿のローブを纏った骸骨がいた。

プレゼントを持っていた手には大きな鎌を握っていた。

「ひっ!?」

今度こそバランスを崩して、尻餅をつく。

完全に驚愕し、恐怖し腰を抜かした。

「あっ…!あぁ…!」

と絶句しながらも、なんとか逃げようと手を使って後退りをする。

その間も死神を見つめたままだった。

死神は不思議そうに青く怪しく光る目でこちらを見つめながら微笑を浮かべている。

それが更に恐怖心を掻き立てる。

思い切って体を捻じ曲げて、母親の方を向く。

そこにも母親の姿はなかった。

そこに居たのはさっきの楽しげにしていた少年だった。

この際誰でもいい。

助けてくれ。

そう必死に、背中に恐怖を背負いながら少しずつ少年の方に進んで行くと、その顔に見覚えがあった。

何処と無く誰かに…

グズグズ引きずり続けるのもどうかと、思い切って立ち上がってみた。

そして、不安に耐えられずに振り返ってみる。

そこには距離を離したはずの死神が、先ほどと変わらぬ笑顔で、変わらぬ距離を保っていた。

こちらが歩くたびにそれはこちらに歩を進める。

少年との距離も縮まったくらいで、こちらが歩みを止めても死神がこちらに向かって来ているのに気づいた。

少年に近づくたびにその歩幅は大きくなっているように見えた。

少年はというと、ただそこに立っているだけで、なんとも不思議そうな顔をしていた。


ある程度近づくと、少年が少し大きくなっているような感覚がした。

それだけでなく、自分の体にも少し違和感を感じ始めた。

少年との距離が近づくにつれ、体の異変が大きくなる。

そして、ある程度近づくにと何故か足が重くなってきて、先へと進みづらなっていく。

少年との距離はだいぶ縮まったが、死神との距離も縮まっている。

そしてついに重くなりすぎて、足が動かなくなった。

ヤバイ。

振り返ると死神はすぐ近くまで来ていた。

目の輝きは更に増して、笑顔も不気味なものになっていた。

なんとか踏ん張るもそれでも足が動かない。

少年に助けを呼ぼうとする。

だが、そこには少年ではなく青年がいた。

完全に見覚えがあった。

そして、思い出した。

「お前は…」

思い出した時に、頭に激痛が走った。

ついに死神にヤられたのか。

体勢を崩し、後ろに倒れた。

だが、落下の痛みはなかった。

見上げると、そこに死神はいなかった。

それだけを確認して、瞼が急に重くなり目を閉じた。


しばらくして、呼び声が聞こえた。

「おいっ!」

目を開けるとそこには成長した親友の姿があった。

「う、うぅ…」

再び頭に痛みが走った。

そして、その痛みはやがて目の痛みに変わっていった。

必死で目を抑える。

それを心配して、

「大丈夫かよ?」

と声をかけてくれる。

痛みがひき始めると同時に立ち上がり、

「ああ、大丈夫だ。それより、続きだ。」

と宣言する。

状況を整理するに、さっきのはどうやら夢か何からしい。

そして、俺はこいつに殴りかかったところをカウンターを受けて見事にKOされたのだ。

そして、気絶。間抜けに昔の夢まで見て。

やられっぱなしは気に食わない。

向こうも分かってくれたようで、

「そうかい。じゃあ、いくよ。」

拳を握り、構えをとる。

お互いに不敵に笑う。

「さあ、第2ラウンドだ。」

そう宣言し、今度は向こうからだ。

まだ目に痛みが残っているが、今はそれどころではない。

時期に慣れる。

痛みに構わず、こちらも応戦する。


だが、第2ラウンドを制したのは、またもや向こうの方だった。

どうも、今回も拙い文章でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。

死神とのところが上手く表現出来なくてグダッてしまったと個人的に思います。

難しいですね。


あとは喧嘩の人間の動きをどう表現していいかも難しくてカットですね。すみません。

戦闘知識は詳しくないので。


何はともあれやはり主人公たちの名前を付けないと大変です。

何とか考えてるとこなんですが、思いついてもすぐに忘れてしまうんですよ。

まあ、頑張ります。


それでは、また次話



やはり回想は負けフラグ


先程の誤更新は本当にすみませんでした。

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