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贈りもの  作者: lycoris
1.離別
17/73

いい気分

やっと日本に帰ってこれたので、書き溜めたやつをいつも通り更新です。

「ん〜…」

何か、何か大事な事を忘れている気がする。

何だっけなー…

どうしても思いだせない。

あと少しのところまで来ているのにどうしても出てこない。

もどかしくて悶えながらも唸っていると、ドアの小さなくぼみにつまずき転んだ。

近くに居たかわいい看護師が手を差し伸べてくれた。

その時にチラッとパンツが見えたのは内緒。白だったて事ももちろん内緒。別にラッキーだなんて思ってないんだからね!

と、立ち上がってお礼を言って、病院の庭に向かう。

そして、さっきまで考えていた事を思い出す。

が、見えてしまった物はしょうがない。

どうしても思考が『白』に邪魔される。

決してパンツなんて不埒な…

「あっ…あっー‼︎」


病院の庭はそれほど広いものではなく、今居る地点とは逆側の方の庭の方が広い。

決して狭いと言うほどではないが、すぐそこに病院の門が見えるほどだ。

そして、今、パンツと関連して大事な事を思い出した事でふと顔を上げると、『大事な事』が目の前にあった。いや、"居た"。

『目の前』と言っても、門まで離れているが、ここまで離れていても分かるほどだったので間違いではない。

間違いない。

見間違うはずがない。

"奴"だ。

こちらに気づいたのか"奴"と目が合い、お互いに軽く挨拶を交わした。

俺はというと、動くのが面倒で、しかも幸いにも病院服だったので近くのベンチに腰を下ろし、病人のフリをして"奴"が、俺の"友人"がこちらまで来るのを待った。


「よっす。」

最初に口火を切ったのは向こうで、

「おっす。」

こちらも軽く返した。

「久しぶり。」

なおも向こうが攻め手。

「ああ、久しぶりぶり。」

「ふっ…それで体は大丈夫か?」

鼻で笑れスルーされたのにダメージを受けつつ返す。

「あー、まあ、俺だけはなんとか無事みたい?だ。」

「何故に疑問系なんだ。」

そこはスルーしてくれてもいいとこなのに…

「あー、実はさっき検査が終わったばっかりだったんだ。んで、今は気分転換に散歩でもしようと外に出た、ってわけよ。」

片手を上げて呆れたように説明する。

「そうか。うん…」

「ああ。」

しばらく間が空いて、

「はは、なんか久々だとやっぱ照れるな。」

やはり、向こうが攻め手。だが、今回は愛想笑いまで浮かべているから本当に照れているようだ。

だが、こちらも相当照れているので、先程から言葉に詰まったり、返事に遅れたりしているわけで、

「あ、ああ。なかなか昔みたいにはいかないもんだな。無事成長出来たってことだろうな。」

早く慣れるために、こちらからも攻めてみた。

「まあ、たぶんな。それが良いのか悪いのかは分からんが。お前は?」

容易に攻守逆転は出来ないようで、

「こっちもそんな感じかな。考え方が少し変わったり、出来ることと出来ないことが逆転しちまったり。まあ、昔から変わったってのは確かだな。」

相手のペースに任せることにした。

「そうか。やっぱり昔になんて戻れないからな。今を生きよう!と言っても、お前は今後どうするつもりなんだ?」

やはり相手に任せっぱなしにしているのはダメなようだ。

単刀直入だな。まあ、遠慮なんかされるよりはよっぽどだがな。と言っても、そこんとこ何も考えてないわけでして。言い忘れてたが、俺が目覚めたのは、本当についさっきなんだ。んで、事件は3日前だ。」

座りながらに言われた、

「それは本当に急だな。混乱しているんじゃないか?」

だが、答えはあっさりだ。

「いや、むしろスッキリしてるくらいかな。今は何も考えてない。いや、考えたくないんだ。頭ん中がすごく真っ白なんだ。気分も軽やかだし。何も考えなくていいのがここまで心地いなんてな。こんな状況なのに何も気力が起こらないんだ、不思議とね。」

「そうか。」

「ああ。でも、ちゃんと現実と向き合う覚悟は出来てるよ。たぶんだけど。いずれ嫌でも向き合うんだしな。そこんところはしっかりしてるつもりだ。だからさ」

言葉を濁し、立ち上がる。

そして、優しさを含んだ笑顔を向け、続きを告げる。

「まだこっちにいるんだろ?また明日、俺の家の近くの公園がいい。そこに来てくれ。」

少し奇妙な顔をされたが、

「…

うん、分かった、了解だ。」

少し間が空いた後に、笑顔で返された。

「明日退院だからさ、16:00ぐらいでいいか?」

「構わないよ。」

短く頷き、自分に納得する。

「それじゃあ、もう暗くなるからここで。」

夕焼けを見つめて言う。

「それもそうだな。続きは明日だ。俺はホテルに帰るよ。それじゃあな、ゆっくり休めよ。」

立ち上がり、手を上げて言う。

「ああ、お前もな。じゃ、おやすみ。」

上がったままの手にハイタッチしてお互いにすれ違うようにして別れる。

振り返ることはない、だが、顔は少しにやけているのは分かった。

自分がそうだから。


そのあとは病室に戻り、病院食を食べ、寝る前にゆったりと月見をしていた。

それだけでなんだかとても楽しかった。

「綺麗な月だな…」

思わず感嘆が漏れるほどに、他人から見たら普通だが、瞳には神々しく写った。

あの日の月も綺麗だったのかな?

そんな事を気にしている余裕はなかったからなぁ…

でも、確か初めてここに引っ越してきた時に見上げた月よりも、今の月がとても綺麗だった。

思わず独り言が垂れ流しになりそうなほど、そんな事を考えながら綺麗な月を見ていた。

今日の出来事全てがいい出来事に思えるほど、気分が良くなった。

そこには『白』なんていう邪なものは存在しない。

ただ、ただ気分がいい。

そして、心地良かった。

自然と笑顔になる。

と、ここで睡魔が襲ってきた。

なおも月を見上げたまま、ゆっくりと睡魔に身を委ねた。


その日はぐっすり眠れた。

たぶん、あいつもそうだろう。

目覚めは最高。今までにないくらいに。

だけど、目に痛みは無いが違和感があった。

だが、そんなことは気にならないくらいに気分がいい。


ベッドから起き上がり、少ない身の回りの片付けをする。

そして、ナースが来て、連れらて昨日の医師の元へ行く。

そこで、いろいろ話をした。

検査も少ししたが、だいたいは今後の事だ、

そして、退院の手続きをして、病室から纏めてある荷物を持って、病院を後にした。


ただいま日本に帰ってまいりました!

お久しぶりです。

今回は少し誤字が心配です。

「き」になっているのはおそらく「に」です。


それで、日本に帰ってきて気づいたのですが、更新を予約することが出来たんですね。

知りませんでした。

反省を生かし、今後に活用して行こうと思います。


それでは次も贈り物です。

今プレゼントをまとめてる途中ですが、早く更新出来るようにしたいです。


それではまた

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