目覚め
あれれ?
「え?あれ、ど、どうして?」
「最初から寝てたわよ。」
「え?でも、ここ。それに寝てたのわ…」
「私が起きた時からね。」
「な、なんだよ、最初からそう言えよ…」
それにしてもいつの間にか寝てたんだ。
うっかりってレベルじゃないほどに眠っていたとは、今は何時だ?
時計を見ると5:30を指していた。
「あっ‼︎」
やばい、もうすぐ下校時間じゃないか!
こんな事してる場合じゃない。
いつもならどうでもいいが、イベントを目の前に反省文なんてごめんだ。
さっさと回収して帰らねば。
「いったいどうしたのよ、急に慌てて。」
「急も何も、もうすぐ下校時間なんだよ!なんでもっと早く起こさなかった⁉︎それと早くそこをどけ‼︎」
「私もさっき起きたのよ。何よ、見たいアニメでもあるの?今時録画もしないなんて…」
呆れられた。いや、元々関係ないことだから余計に腹が立った。
「そんなんじゃねぇよ!早くどけ!」
「もう、うるさいわね、寝起きに癖に。」
「お前もだろ!」
「そう、私も寝起きだからだるいのよ。それくらい察せないの?」
「俺だってそうだけど、今はそんなことしている場合じゃないんだよ!」
「一体何をそんなに焦ってるのかしら?もしかして、これがないと不安でしょうがないの?」
彼女はそう言うと人の机だと言うのに勝手に中をあさって、予想外の物を手にしていた。
「なんでお前がそれを知って‼︎?」
「こんなカード、しかも死神の映ってるカードなんかが相当大事なようね。」
「っ!?いいからそいつを返してくれ。それさえ返してくれれば「あら?交渉のつもり?奪うつもりは無いわよ。それに"元々"はあなたの物だしね。」
「あ、ああ。」
差し出した掌の上に確かに俺の大事なカードが置かれた。
何故このことを知っているか、『元々』を主張したのかが気になったが、カードが帰ってきたことに安堵するのでいっぱいいっぱいだった。
「それじゃ、俺は帰「待って!」
「な、何だよ。」
「まだ下校時間までに時間があるでしょ?私この後暇だから、少しお喋りして行かない?」
断ろうと思ったが、今日一日中絡まれ続けた彼女のファンに対して文句を言って、対策を取らせることにした。
「ああ、返してもらったし別にいいが。」
「そう、なら、そこに跪きなさい」
「は?」
「聞こえなかったの?跪きなさい」
「いや、聞こえてはいた。ただ、どうしてかを聞い「いいから、早く!」
「はあ?もうわけわかんねーよ!これでいいんだろ⁉︎」
不服ながら従った。怒鳴りながらに屈んだ。
自分で許可を出したんだから、恨むなら自分を恨むしかない。
向こうは人の机だと言うのに、勝手にのし上がっている。
いつの間にか足まで組んで。
この構図はなかなかに屈辱だ。
「ッチ、これでいいのか?」
「あら?冗談のつもりで言ったのに?」
「お前な「ほら、いつまでもそこからパンツ覗いてないで、早く椅子に座ればいいじゃない」
「あー、もーうっさいなー。てめーのパンツなんざ興味ねーよ!」
反論しつつ、ズボンについた埃を払い、さっきと同じ、目の前に居るこいつの座席に座った。
「あら、もしかしてそっちの方の人だった?」「そうじゃない」
答えた後に、彼女はニヤリと唇を吊り上げた。
それと同時に、彼女の片目が黄色く輝いたように見えた。
「あら、なら私のパンツよりもあなたが惹かれるものって何なの?」
「別にお前とは直接関係ないからいいだろ」
「でも、私のパンツを覗いた罪は重いのよ?ちゃんと償って貰うわ。」
「めんどくさいなぁ…ただ昔の友人と近々会うってだけだよ!」
「本当にそれだけ?」
「ああ、それ以外の何でもない。」
「それだけのことで、あなたここ最近おかしかったの?」
そんなにおかしかったのか…
自分でもわかっていたけど、それほどだったのか。
「変なの」
「悪かったな。だが、お前も中々の変わり者だぞ。」
「あなたに言われたならそうなのね。」
自覚無しか。
「第一、何で俺なんかの席にs『キーコーンカーンコーン』
遮るようにチャイムが鳴る。
最終のチャイムなので音が大きめだ。そのおかげで俺の声はかき消されたようだ。
「よく聞こえなかったけど、もう帰らないといけない時間よ。」
「誰のせいだ。」
「あなたじゃないの?」
「お前なー!「それと、最後にいい事を教えてあげる。」
今度はこいつの声に遮られた。
「なんだよ、手短に」
「実は私、予言が出来るの」
「は?」
思わず声が漏れてしまった。
その時は気づかなかったが、さっき黄色く輝いた方と逆の目が、一瞬、赤く、紅く輝いた。
遅らせばながら更新です。
プレゼントと同時進行なので少し大変です。
ということで、本編の3つ目の視線は彼女、学園のアイドルでした。
次回更新は、最近忙しいので、申し訳ありませんが、再来週辺りになりそうです。(プレゼントの方もです)
ですが、ここからストーリーが展開して行きます。
期待にこたえられるよう頑張ります。
では、今回もここまで読んでくださり本当に感謝です。
ではでは、それでは