表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
贈りもの  作者: lycoris
1.離別
10/73

おはよう

目が覚めたら、チャイムが鳴っていた。

いや、目を覚ましたと同時にチャイムが鳴った。すぐさまに、寝ぼけながらも周りに合わせ、席を立ち、起立礼をした。

その後、少しの間、そのままボーッと突っ立っていた。

周りがザワザワと席を立ち上がり、授業の片付けをしたり、友人同士で喋ったりするなか、ガラッと教室の戸を開けて担任が教室に入場した。

その音にビックリし、そのおかげで状況整理が追いついた。

若干の違和感を感じていたが、どうやらそれは自分の席ではないからだ。それと、いつも以上にぐっすり眠れたせいもある。

いつもなら、深くは眠れず、途中で起きて窓の外を眺めたりしていたが、今日はそんな必要のないくらいの快眠であった。

こんな事はめったに、いや、今日ほどの事は普段の生活では感じたことのないほどだった。

そんな状況を整理していると、教壇で担任が「掃除しろおお!」と、いつも通りの怒声を響かせた。

みんないつもの事だから、せかせかと机を後ろにつり、自分の持ち場に向かっていった。

そんななか、自分の席でない俺はどうしたものかと、隣で未だに寝ているアイドルを見つめた。

仕方ない、めんどくさいがまた起こすしかないようだ。と、起こそうとした時、先に担任が、持っていたノートで文字通り叩き起こした。

あ〜あ、こんなことしちゃって、また、ファンの男子どもがうるさいよ〜。と内心呆れつつ今後の行方を楽しみにしていた。

担任は続けて「ほら、さっさと起きて自分の席をつって、掃除担当場所に行く!」と叱った。

ま、当然だわな。と内心で担任の意見に賛成してると、急にこっちに振り向いた担任がにやけた顔で「あんたらいつからこういう関係なわけ〜?」と聞いてきた。

「そんなんじゃないですよ」

少し遅れたタイミングで返した。

すると、担任はさらに遅れたタイミングで「あ、あら、本当にそうかしら〜?」

どうやら少し戸惑っているようだ。

「そうです。では、俺は自分の掃除場所に行きますんで。」

足早にこの場を去った。

教室を出た辺りで振り返ってみると、案の定担任とアイドルは話をしていた。

「ねぇ、やっぱりあんたら付き合ってんの?席も入れ替えてたし。」

「さっき彼も言ってたじゃないですか、そんなんじゃないです。って」

「でもねー、怪しいのよねー。今日は一日中ニコニコしてたし。いや、ニヤニヤか?」

「確かにそうですね。今日はいつもと違う感じでしたね。」

「やっぱりそうよね〜。本当に付き合ってないの?」

「だから、違いますってば。なんで生徒の色恋にはしゃいでるんですか。」

「そんな呆れられてもね〜、珍しい組み合わせだから?というか、何故席を入れ替えなんて?」

「自分の生徒に対して珍しいとは…まあ、席はお試しみたいなもんですよ。」

「確かにもうすぐ席替えだしね。でもねー?」

「はいはい。もう、掃除して下さい。ちりとりとってきます。」


そういえば、アイドルはクラス内の男子の強い要望で教室掃除だったな。

さすがに担任との話してる内容は聞こえなかったが、担任が変わりに席をつってくれたのはありがたい。

無駄な労力を使わずにすんだ。

それに、掃除を早く切り上げれば自分の席に座れる。

先に机つりの手伝いをするフリをして、自分で自分の座ってしまえばこっちのもの。

とっとと掃除をすませ、教室に戻る。


他の教室外担当のクラスメイト達よりも一足早く教室に戻った。

まだ机はつっている途中のようだ。

よし!まだ間に合う!

自分の席に急いで駆け寄ると、既にアイドルが寝ていた。

「なっ!?」

思わず声が出てしまったが、周りは気にしてないようだ。机をつり終わり、自分達の帰りの支度で忙しいようだ。

それなのに、こいつは…

俺だって片付けして、帰りたいのに…

せっかくの5限授業で早く帰れるのに、こいつのせいで…

既に周りからの視線は少しだけだが、集まっていた。

こんな状況で、寝ているアイドルを無視して片付けなんてしたら、きっとめんどくさい事になるんだろう…

結局こいつが起きるのを待たなきゃならないのかよ…

もう、絶望しかなかった。


ゴミを片付けた担任が、教壇の上に立ち、全員集まった事を確認し、帰りの会を始めた。

その際、未だに帰る準備をしている者や、寝ている者に注意をしていた。

もちろん、俺の隣で寝ているこいつにも。

だが、何故だか諦めて、すぐに帰りの会を始めた。

(クソ、俺が寝ている時は叩きにくるくせに!)

こうなったら俺も寝てやる!

うつ伏せになろうとしたら、すぐさまに「おい、そこ寝るな!」と注意が飛んできた。

仕方なく窓の外でも眺めて聞き流す事にしたが、「はい、今私が言った事を復唱してみろ!」何故だか俺が指名され、当然答えられる訳もなく、恥をかいた。

(なんで今日はこんなにも!何もしてねーだろ!)怒りが溜まっていた。

さらに、そんな事も御構い無しに未だに寝ているアイドルに腹が立った。


聞くフリだけしてその場をしのいで、起立、「さようなら」の号令の後に、再び寝ようとしている隣のアイドルにケチをつけた。

「おい!いい加減にしろ!もう終わっちまっただろ!早くどけよ!」

「うぉ「うるさい」

ファンの叫び声を遮り、一言だけ言って、腕の中に顔を隠した。

「だーかーらー、俺が帰れないから!帰る準備だけさせてくれ!後は自由に使っていいから!」

既に聞いていないようだ。

わかってはいたが、やはり疲れる。

おとなしく、席に座り、隣が起きるのを待つことにした。一体いつになるのやら。

周りこ視線はだんだんと減っていった。

だが、ファンのリーダーだけは、長くこちらを睨みつけながら監視をしていた。

そんなリーダーも部活で忙しいらしく、仲間に呼ばれて渋々教室を出て行った。

これで、残るは2人。と隠れる気が無いのか丸見えの担任が教室に残った。


しばらく待ってみてもなかなか起きない。

その間担任は職員室を行き来していたが、俺もたびたびトイレや飲み物を買いに行ったりはしていた。

こいつはいつまで寝ているんだよ、まったく。呆れつつも待っていた。机には大事な物がしまっているから、こちらとしても譲れなかった。

さらに、しばらく時が経って、

もうそろそろ日が暮れる頃、

やっと目が覚めたようだ。


「おはよう、遅かったわね」

「ああ、おはよぅ…」

未だに眠い。


あれ?




ぺぺーと書いてやろう

と思ったら、30分で2千文字も書いていた…

本当なら、今日の午前0:30~1:00に書いていたのでもっと早く更新出来ましたが、さすがに眠かったのでご勘弁を。

その後、日常業務を終えて少し修正や付け足しをして、完成しました。


少々読みづらい点がございますが、ここまで読んでいただきまし感謝です。


今回は気まぐれなので、次回更新は多分来週になるかもです。

恐らくは気まぐれですぐに更新をするかも。

気まぐれの方が可能性低いと思います。


長くなってしまいましたが、本当に感謝です。

それでは

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ