別れ
追記2019/9
1話以降の前書き後書きは、面倒なのでそのままで放置してます。
当時は若く•••
そんな訳でだいぶ回り道をするでしょうが、どうぞよろしくお願いします。。
小学校の頃、転校していく僕に彼は、昔からの大切な物をくれると言った。
これは何かお返しをしなければいけない。
彼とは小学校に上がった時に知り合い、年を重ねるごとに仲良くなった。
彼以外とは仲は悪い訳ではないが、あまり遊んだりしていない気がする。
そんな彼が僕にくれるという物は、カードだった。
なんの変哲もない彼のお気に入りのカード。
そこには死神の絵が描かれていた。
さらに、その死神のカードは拾った物らしい。
拾った物をスリーブにまで入れるとは、よほど大切なのだろう。
それに対し、僕があげる物は絵画だった。
外国に旅行に行った時に、父が気に入り買ったものだ。
それを誕生日に父が僕にくれたのだ。
だから、僕にとってもお気に入りだし、大切な物だ。
その絵画には2人の青年がお互いに反対方向を向いている絵だった。
1人は明るい色で、反対側は暗い色で塗られていた。
「僕たちは離れ離れになるけど、お互い頑張ろう!」そんな思いを込めて絵をあげた。
結局お互いの大切な物を交換することになった訳だが、お互いとも、大切にする といって別れた。
次の日、学校で転校の手続きとクラス会が行われた。
生憎、彼とは違うクラスだが、学校が終わり、引っ越しの準備を済ますと、ちょうど彼が遊びにきた。
いつも遊んでいた公園で、最後に目一杯遊んだ、話しをした。
懐かしい話や、恥ずかしい話、好きな子の話などなど、幼いながら話題は尽きなかった。
ずっとずっと、遊んでいたかった、話をして欲しいし聞いて欲しかった。
そんなことはあと数時間しか叶わないけど。
好きな子は、被っていた。
お互い長い時間を一緒に過ごしたのだから、似ている人を好きになったりするのだろう。
その子との事を彼に任せた、僕の分まで。
そんなこんなで、無情にも夕方を告げる鐘がなる。
ここで、お別れだ。
2度と会えない訳ではない。
そういうありきたりな期待を持ち、握手を交わし、彼と別れた。
彼は涙目になるも、耐えていた。
僕は少し溢れていたのかもしれない。
そんな彼の顔を目に焼き付け、家へと帰った。
引っ越し前最後の晩餐として地元の食材などを使い、焼肉をした。
お腹いっぱいになり、すぐに寝てしまった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ぜひ次話も読んでってください。