俺の使い方
家に帰った俺はエアコンの効いた自分の部屋のベッドに寝転んで、その装置をまじまじと見た。
外見は何の変哲もないただの箱である。
それでも、このSWで一日リセットできることだけは確かである。
この中はどうなっているんだろう?
俺はその装置をいろんな角度から見てみたが、ネジもない。
電池の交換もできないってことか?
いや、そもそも電池で動いているのかどうかも分からないんだから、そんな心配はいらんのかも知れん。
待て待て、一日をリセットするエネルギーって、どんだけ?
電池なんかな訳がない。もしかしたら、核エネルギーかも?
おお、一瞬俺はその恐ろしさから、その装置を持つ手の力が緩み、ベッドの上に落としてしまった。
ベッドの上に転がっている謎の箱に俺は再び手を伸ばして、拾い上げた。
しかしなんだ、こんな小さなところにそんな物が入っている訳もないし、そんなレベルでも必要なエネルギーには足りないだろう。
やっぱり、中を見てみたい。
そんな衝動に駆られるが、そんな事をして、これを壊してしまえば元も子もない。そう思うと、大事に扱う以外ない。
すると、なんだ。これをどう有効に使うかだ。
あの男の事はよく分からないが、俺には俺の使い方がある。
その答えは簡単である。
目の前に迫っている期末試験だ。何しろ、勉強は嫌いだなんて言ってみても、俺は高校生である。試験の結果は求められる。




