未来は変わったのか?
「こら!何している!」
そんな時だった。
俺はその声の方を振り向いた。
それ以上にやばいことをしているこいつらの方が素早く振り向き、その姿を確認するや否や、猛ダッシュで逃げはじめた。
声の主は警官だった。
「どうした?大丈夫か、君?」
警官が俺のところにやってきて、話を聞き始める。
「はぁ、まぁ」
面倒な事は避けたい俺はあいまいな返事を返す。それから、少し事情を聞かれたが、俺はいわば被害者側なので、すぐに解放された。
結局、事なきを得たが、俺の頭がどうにかしていなければ、未来は変わったことになる。とすると、明日俺はあの装置を手に入れられない可能性だってある訳だ。
すでに手遅れかもしれないが、ここはおとなしくして、昨日と同じことをしなければと俺は思った。
はっきり言って、俺はあの装置。ただでくれると言うのなら、欲しい。
しかしなんだ、言うのは簡単だが、一日前の事なんか覚えちゃいない。
一日前の晩御飯だって、考え込まなければ出てこないくらいだ。俺は何時何分の電車に乗って帰ったんだ?
違った電車に乗れば、未来は変わってしまうのか?
おお、俺はどうしたらいいんだ!
そんな事を考えると胃が痛んできそうだぜ。ちくしょう。
ここはなんだ、ほら、あれだ、下手な考え休むに似たりだ。
考え込まずに、今日を過ごそうじゃないか。
俺は居直る事にした。きっと、俺は俺でしかない。下手に考えなければ、昨日と同じ生活パターンになるはずだ。
なんて、考えてみたものの、やっぱり気になってしまう。
そんなこんなで俺はやきもきしながら、24時間を過ごす事になった。




