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第3章 ダンシングソード

 空から落ちてきた二本の剣。漆黒の蛇のような紋様が刻まれ、その剣の一振りは天をも切り裂くと云われる暗黒剣が『デイ』。もう一つの純白に光輝き、その一振りは海をも切り裂くと云われる白銀剣が『ブラン』と呼ばれている。この二つの剣、全長20メートルを超えるガリゲイオスよりもさらに大きい。とても小さな人間が扱える代物ではない。



「さてと、準備完了。それじゃ、行きますか!!」


 牙は準備体操を終え、気合と共にそう叫ぶと、空中へと飛躍した。


「我を空に誘え! 『スタンプ』」


 空中に飛躍した牙が『スタンプ』の魔法を唱えると、何もなかった空中に魔方陣の足場が出現した。牙はその足場を使い、さらに上空へと飛躍した。


「『スタンプ』! 『スタンプ』! 『スタンプ』!」


 牙は数回『スタンプ』の魔法を使い、ついに巨大な剣の柄の部分までたどり着き、巨剣のつばの上に降り立った。


「ふん!!」


 そして、巨剣の柄を鷲づかみ、力を込めた。


「おりゃああああ!!」


 次の瞬間、地面に突き刺さっていた巨剣ブランは、地面から引き抜かれ、宙を舞い、その刃の先をガリゲイオスに向けた。


「ズシュ!」


 そして、巨剣ブランは見事にガリゲイオスの右腕に傷を与えた。


「ギャオォオオォオオオオ!!!!」


 痛みに身をよじるガリゲイオス。身の危険を感じたモンスターは、その源である剣を攻撃しようとした。しかし、それよりも先に、今度は暗黒巨剣デイが背後から襲い掛かる。


「ザシュ!」

「ギャオォオオォオオオオ!!!!」


 背なの痛みに浸る間もなく、直ぐに宙を2度、3度回転してこちらに飛翔してくる白銀巨剣が、ガリゲイオスの眼に映る。


「ギャオォオオォオオオオ!!!!」


 巨大な2本の剣が、宙を舞い、自らに襲い掛かるという不可思議な状況を前に、ガリゲイオスは酷く困惑し、酷くおびえていた。そして、必死に二本の剣へ反撃をした。



 巨大なモンスターと巨大な二本の剣が戦う姿。それは、はたから見ると、まるで情熱的なダンスを踊っているような、そんな不思議な景色であった。だから人はモンスターハンター牙が戦う姿をこう、比喩するのだ。


『ダンシングソード』、と。



 


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