第1章 モンスターハンター『牙』
ファンタジーを書きたいと思いました。
~プロローグ~
「ギャオォオオォオオオオ!!!!」
地鳴りのように響く雄叫び。恐怖に震える僕の瞳が見たものは、雲を貫く、巨大なモンスター。そして、ダンスを踊る、二本の巨剣だった。
第1章 モンスターハンター 『牙』
「ギャオォオオォオオオオ!!!!」
グーリン王国付近の森で暴れるモンスター。全長20メートルは優に超えている。確実に大型種に分類されるモンスターだ。
「やれやれ、また割りにあわない依頼だぜ……」
モンスターハンターの男、『牙』はそんなことを呟きながら、頭を抱えた。
「まぁ、そういわずに頼むよ牙さん」
「おまえなぁ、あのモンスター、レベル20超えているだろ? レベル10そこそこの中型モンスターだって言ったのは、どこのどいつだ?」
「俺だ!」
グリーン王国の防衛隊長であるラミールは自信ありげに応えた。
「はぁー……しょうがねぇなぁ。わかったよ、やればいいんだろ、やれば」
牙はラミールの態度にあきれかえり、ため息を付いた。そして、割に合わない仕事を引き受けることを決断した。
「ほんと? 助かるよ。それじゃ、がんばって。一応サポート魔法使いも1人手配しているから。何でも新人らしくてね、格安ですんだよ」
(新人……ってことはまず役に立たないな。できて補助魔法を俺にかけるくらいか)そう思った牙は改めて気を引き締めた。
「一応、あのモンスターの情報言っておくね。名前は『ガリゲイオス』。種族としてのレベルは18。でも、あの固体は特別強そうだね。おそらくレベル21ってとこかな?」
「魔法は? あと飛行能力とかないだろうな。飛行能力があるヤツは、めんどくさいんだよ」
「魔法は使えない。それに飛行能力もなし。でも、鼻から生えている一角には気をつけて」
「特殊能力か?」
「うん、あの一角には無数の穴が開いていて、そこから霧を出すことができるらしい」
「毒霧か? もしそうなら、普通魔法の使えない俺じゃ手が出ないぞ。 新人は耐毒魔法使えるのか?」
牙は少し怒った口調でラミールに問いただした。
「さぁ、知らん。でもとりあえず毒霧じゃないから安心して。霧は目くらましの能力しかないはずだから」
「……わかった。それじゃ、行って来るわ」
牙はそう言うとガリゲイオスのもとへと向かった。