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エピソード2
「その人間と夫婦の縁結びの約束をしまして・・・」
簡潔に答えた彼女の顔は真っ赤だ。
「なるほど、かなり人間も安易な約束事をするもんですね。」
冷ややかに言う。
「はい・・・そうだとしても誠実な方なんです。」
彼女は負けじと答える。
「試練のことはお伝えは?」
ピリッとした空気が店主と客の間に走る。
「いえ・・・まだその人には伝えてないです。」
赤らめた顔に影が落ちる。
「伝えなくてもいいんですか?」
重ねて質問をする店主。
「恐らく」
店主の言葉に食い気味に、彼女は答えた。彼女には分かって居たのだ、大丈夫だと。
「なるほど、意志は固いようで・・・」
店主は言った。
「はい」
守護神である彼女は答える。
「今回の場合は、特殊なので課題はあなたに集中しますが、よろしいですか?」
店主の目が光る。
「はい、大丈夫です。」
彼女は答えた。
「畏まりました。では、承りましょう。」
店主がそれに答える。
店主がおもむろに魔方陣を描き、真言を唱える。
ふわっ
彼女の周りに発光体が集まってくる。
儀式が始まるのだ。