巻三 登場人物および関連地図
◎チルゲイ旅程図
■ジョルチ部
【フドウ氏】
インジャ……本編の主人公。のちのミノウル・ハーン。数多の盟友とともに草原を統一する英雄。称して「義君」。敵人からは「亡族の小僧」と呼ばれる。
タンヤン……クウイの子。身の丈八尺の長身。大将旗を護持する。
ムウチ……インジャの母。のちの「聖母太后」。夢に天王に会う。
ハクヒ……インジャの伯父。フウの兄。テクズスの追撃からムウチを守る。ウリャンハタ部との戦でインジャの身代わりとなり戦死。
クウイ……罪を犯してタムヤに逃れた男。タンヤンの父。
【ジョンシ氏】
ナオル……インジャの最初の盟友。胆力に卓れた智勇兼備の良将。
シャジ……ジョンシの宿将。
ウルゲン……ナオルの兄。ミクケル・カンの援助で族長になる。
【キャラハン氏】
セイネン・アビケル……ベルダイ右派に敗れ、インジャに投じてその盟友となる。知謀衆に優れ、神算鬼謀を以てズラベレン氏を降す。隷民軍を指揮する。
【ズラベレン氏】
コヤンサン……ズラベレン三将の筆頭。勇猛にして豪放。神都では酒乱の悪癖が禍を招く。
イエテン・セイ……三将の一。寡黙で冷静。
タアバ……三将の一。
【ベルダイ左派】
トシ・チノ……若き族長。ジュレン部に追われ、インジャの山塞に投じる。
チハル・アネク……キハリ家の女将軍。二条の鉄鞭を操る。かつて密偵と誤ってインジャを捕らえる。山塞の戦で勇名を馳せる。
キノフ……医道に通じた娘。「天仙娘」と称される。
サイドゥ……トシ・チノの片腕。知謀の将。
カトラ……左派の先鋒。
タミチ……左派の副先鋒。
ナハンコルジ……左派の将軍。
カナッサ……写生に長ける。称して「金写駱」。
アンチャイ……キハリ家の娘。野盗に襲われたが、ゴロに助けられる。マシゲル部のギィに嫁ぐ。
【ベルダイ右派】
サルカキタン・ベク……右派の族長。勇猛なるも短慮にして酷薄非道。称して「大人」。敵からは「野人」と呼ばれる。
トオリル……指揮統率に卓れる良将。献策するも容れられず、出奔してインジャに投じる。
【アイヅム氏】
コニバン……テクズスの子。仁に富む好漢。サノウの計で山塞に降る。
■タロト部
マタージ・ハーン……ジェチェンの第三子。インジャの盟友。ジェチェンに代わって即位。のちの「通天君王」。
マジカン……マタージの兄。タロト部の左王。
ゴルタ……猛将。インジャの初陣を輔ける。タロト部の右王。
ジェチェン・ハーン……「メンドゥの妖人」と称される。ウリャンハタ部の奇襲で命を落とす。
■カムトタオ(ジュレン部)
ハツチ……身の丈八尺。長髯を靡かせる好漢。「美髯公」と称される。コヤンサンの酒乱がためにインジャに投じる。
イェリ・サノウ……大興の王族の末裔。人嫌いだが知謀才略は傑出している。セイネンと同窓に学ぶ。招かれて山塞に投じる。
ゴロ・セチェン……神都一の富豪。奸計に嵌まりギィを頼る。
ヒスワ・セチェン……ゴロの家宰であったが、これを陥れる。「奸人」と称される。草原に覇を唱えるため計略を練ったが、山塞に敗れる。
サルチン……商人。知謀衆に優れる。
ヘカト……商人。コヤンサンと争った。寡黙。
オガサラ・ジュゾウ……身も口も軽いが、異能の主。渾名は「飛生鼠」また「五技鼠」。
トシロル・ベク……役人。ゴロたちと親しい。ヒスワに追われる。
カノン・ジュン……長身の女丈夫。
コレカイ……能書の佳人。渾名は「嫋娜筆」。
ワラカン・ドルチ……神都の元首。ヒスワの甘言に乗る。
ビリク……上卿。マシゲル部に乱を起こすも、オロンテンゲル山で戦死。
ムルケ……上卿。ビリクとともにマシゲル部に乱を起こす。
ジエン……上卿。西原の調略を担当。オロンテンゲル山で戦死。
ハサン……上卿。ジエンとともに行動する。
ボルゲ……上卿。ヤクマン部の籠絡を担う。オロンテンゲル山で戦死。
プラダ……上卿。ナルモント部へ赴く。オロンテンゲル山で戦死。
グルデイ……上卿。将軍に任命される。オロンテンゲル山で戦死。
グルカシュ……カムタイ出身の将軍。渾名は呼擾虎。
■ウリャンハタ部
【スンワ氏】
ミクケル・カン……大カン。ヒスワと結んでメンドゥを渡り、草原制覇を目指すが、オロンテンゲル山でインジャに敗れる。
カントゥカ……のちのエルケトゥ・カン。二丁の戦斧を操る猛将。
【カオエン氏】
ジュン・ヒラト……ウリャンハタきっての知将。
チルゲイ……弁舌巧みな奇人。戦を前に旅に出る。諸方で好漢と交わり、神都でインジャに見える。
【ウラカン氏】
カトメイ……ツォトンの子。
ツォトン……イシの知事。
イシャン……「喪神鬼」の異名を持つ猛将。オロンテンゲル山で陥穽に落ち戦死。
【カムタイ氏】
スク・ベク……勇将。長槍の使い手。
【シモウル氏】
チトボ……宿将。
■マシゲル部
【カンダル氏】
マルナテク・ギィ……ハーンの嫡子。「獅子」と称される傑物。アンチャイを娶る。ゴロと親しい。
【ジャルム氏】
コルブ……若き将。弓に優れる。
【クルベイ氏】
バラウンジャルガル……若き将。
【キライ氏】
ハリン……アンチャイの側に仕える。渾名は「赫大虫」。
■ナルモント部
【ムヤン氏】
ヒィ・チノ……若き英傑。「神箭将」と称される弓の名手。
キセイ……日に千里を行く早足のもの。渾名は「神行公」。
【サトラン氏】
ツジャン・セチェン……ヒィの友人。知謀に優れる。
【タラント氏】
モゲト……ヒィの友人。膂力衆に優れる。
【アケンカム氏】
ショルコウ……名将ベルン・バアトルの娘。文武両道の女傑。
ゴオルチュ……ベルンの末弟。
ムバイ……信頼おける老将。
【オラザ氏】
ワドチャ……族長の嫡子。ギィの知己。
ミヒチ……白面の女丈夫。渾名は「白夜叉」。
【セトゥ氏】
バヤリクトゥ……ハーンの位を狙う。
【オルサ氏】
タガチャイ……ハーンの位を狙う。
■ヤクマン部
【ヤクマン氏】
トオレベ・ウルチ・ハーン……ヤクマン部ハーン。梁と結んでジョルチ部を分裂させた。
【ジョナン氏】
ムジカ……族長。仁義に厚い。チルゲイと出会い、これを客とする。
タゴサ……ムジカの妻。男勝りの女丈夫。渾名は「打虎娘」。
オンヌクド……部将。渾名は「奔雷矩」。
マクベン……部将。渾名は「皁矮虎」。
アルチン……部将。渾名は「笑小鬼」。
【セント氏】
アステルノ……迅速機敏。称して「神風将軍」。
■その他
エジシ……タムヤに住む学士。ムウチらを援助。
ハレルヤ……放浪部族ダルシェの若き将軍。インジャ初陣の際、言葉を交わす。チルゲイに出会う。
タルタル・チノ……放浪部族ダルシェの族長。
ドクト……オロンテンゲル山のカミタ氏族長。テムルチと争う。
オノチ……カミタ氏の将。弓に優れる。
テムルチ……ドノル氏族長。ドクトと争う。
マルケ……イタノウ氏族長。
クニメイ・ベク……カムタイの商人。「紅大郎」と称される。トシロルを救い、草原へ逃がす。
ミヤーン……イシ出身。チルゲイと旅に出る。
ナユテ……ホアルン出身。占卜に長じる。渾名は「神道子」。
ゾンゲル……ホアルン近郊の野盗。ヒィに私淑する。渾名は「病大牛」。
エバ・ハーン……セペート部ハーン。「鎮氷河」の異名を持つ。
ドブン・ベク……エバの寵臣。謀略家。
ズベダイ……エバの腹心。
ケルン・カーン……北の異族の族長。セペート部と結ぶ。渾名は「金杭星」。




