事務子と会計
お金のトラブルはこわいです
患者さんが最後にすることといえばお会計です。
皆さんは病院の会計で「高いな」「思ったより安かったな」と感じたことはありませんか?
治療費は一体どのようにして決まっているのか?
これは各病院が決めているのではなく、厚生労働省が2年に1度診療報酬というのを見直しており、その決められた料金に添って患者さんに請求しています。
(改定の時期が近付くとニュースで話題に出てきます。前回の改定は令和2年の4月でした。)
領収書や明細書をみると点数が書かれていて、最後に金額が書かれています。
点数は1点=10円です。例えば点数の合計が100点だとします。
100点×10円=1000円になります。
そして3割負担の方の場合、この金額の3割がご自身が負担する額なので300円のお支払いになります。
そして残りの7割(700円)は皆さんが加入している保険元へ病院から請求しています。
各診察の料金が気になる方は明細書の項目と点数を見てみてくださいね。
このようにして料金が決まっているわけですが、お会計は患者さんとトラブルがおきやすい場面になります。
よく「なぜ最初にいくらかかるのか教えてくれなかったのか」というお声を頂くのですが、正直に申し上げると答えられないからです。
診察をしてみないと検査が必要なのか、処方が必要なのか分からないのです。
患者さんがただの風邪だと思って受診しても、医師が診察して、この方は肺炎かもしれない、なにかの感染症かもしれないと思ったら、それを診断するために検査などをします。
これは受付では分かりませんよね?
なので答えられないのです。
また、検査や処置、処方などをする際には必ず患者さんに説明して了承を得てから行うので、それらをやったということは、事務方から見れば支払う意思があるとみなします。
(生命の危機で了承を得る時間がない、もしくは意識不明で同意が取れない場合は除く)
さらに、会計時に「診察してもらっていない」と言って支払い拒否される方がいらっしゃいますが、受付をするということは、患者さん側は『診察してほしい』医療側は『責任もって診察する』という治療契約が結ばれることになります。
なので支払い拒否は患者さん側が契約を破るという解釈になってしまいます。
もし支払いが厳しい、気になるという方は検査や処置をすると説明を受ける時にそれぞれの検査や処置にいくらかかるのか聞いてからやるかを決めていただいた方がいいかもしれません。
そのような場面で医師に金額を聞くことは恥ずかしいことではありません。
皆さんが思っているより金額について聞く患者さんは多いと思います。
各医療機関によりますが、支払いが厳しい場合は後日支払いや、分割での支払いの相談に応じてもらえる所もありますので、支払いに不安のあるかたはいつでも相談してください。
入院施設のある病院には、相談室と言われるところにケースワーカーと呼ばれる職種の方がいるので、そちらで相談にのってもらえます。(個人的には、救急受診された患者さんや入院された方にそのような相談が多いです)
また、低所得者やDV被害者、ホームレスなど生活困難者のために無料定額診療を行っている医療機関があります。病気の種類によっては公費と言って申請したら医療費が無料になったり、より少ない負担で受けられる制度もあります。お金がないからといって治療を諦めないで下さい。
診療報酬については詳しく説明すると終わりが見えないためあえて簡潔に書きました。
気になる方は検索してみてください。
お金にまつわる医療のお話は沢山あるので少しずつ書いていきます。