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ペンギン喫茶 Penguin Cafe  作者: ジョアンド
1/2

ここではないどこかへ

逃げることが悪い事なのではない。

大事なのは、誰かが、逃げてもいいんだよ、と伝えてあげること。


これは、その気持ちを届けるお話。

ひっそりとアパートの階段に身を隠していた。満月の夜空は凛と澄み、星も月に負けじと輝いていた。北よりの風は木々を揺らし、映しだす影をゆらゆらと揺らした。忙しく吐いていた息を殺しながら、僕は少しずつ呼吸を取り戻し落ち着いていった。


「いったいなぜこんなことをしているのだろう。」


人気のないアパートを逃げるように駆け上がることはそう難しいことではなかった。問題はなぜ隠れているかだ。ゆっくりと頭を持ち上げ、顔を出した。団地の中なのでもともと通りにはそれほど人はいないし、こんな夜更けに歩道はもちろん道を走る車もなかった。ふっと肩の力が抜け、また寝転がった。体の少し大きい僕は足を延ばすと反対側の壁に足がついた。


ぼんやりとそこで何時間すごしたのだろう。時計も持たずに飛び出してきたのだ。もはや時間そのものが気にならなくなっていた。


階段の格子状の手摺からは隣のマンションの部屋が見えた。ふと視線を移すとちらりと窓越し中が見えた気がした。部屋の持ち主の趣旨だろうか、薄めで半透明のレースカーテンはやや丈が短めであった。


どの建物の人も起きている気配はしないが、誰かに気付かれたら確実に通報されるだろう。僕はかすかに震えた。こんな夜に薄着の僕の体は冷え切っていた。


もう秋か、、、辺りに植えられたイチョウ並木は黄色く色づいており、風に舞い上げられた葉は道路に少しずつ積り始めていた。


僕はもう一度視線を窓に移した。カーテンはしっかりと閉まっているし、中が見えることもない。


さて、そろそろ行かなければならないか。空はまだ暗く、街灯で照らされたところだけがぼんやりと円形を作りだしていた。疲れ切った足を立て、外にもう一度飛び出した。ゆっくりとアパートから離れると、バスを待つべくベンチに腰掛け、そのままうつらうつらする瞼を静かに閉じた。



<><><><><><><><><><><><><><><><><>



移り行く景色をぼんやり眺めながら僕はバスの座席に座っていた。あれから一年たった今でも、相変わらず乗り物には強くない僕はちょっと気分が悪くなっていた。あの日も同じだった。行く先も決まらない中、十分に離れることだけを考えていた僕はひたすらバスに揺られ、吐き気と不安が入り混じったままじっと外を眺めていた。


十分離れたところでバスを降りると、見慣れない街が広がっていた。あてもなくさまよう中で突然一匹のペンギンが目に入ってきた。それは昔テレビで見たピングーのような作り物で、色褪せの具合が結構な年季を感じさせた。


「ペンギン喫茶」


ペンギンの置物から看板に目を向けるとそう書いてあった。見た感じ昔からあるような店に見えた。まさかペンギンが本当にいるわけではないだろう。


私はふらっとドアに手をかけた。


「いらっしゃいませーおひとり様ですか?」


「あっ、はい。」


小柄でやせたおじいさんが出迎えてくれた。個人経営なのか他に従業員は見当たらなかった。


「お客さまは今回が初めてのご来店ですか?」


「はい...」


また単調な返事をする。喫茶店のマスターにこんなふうに話しかけられたことのなかった僕はちょっと対応に戸惑った。


「すいませんね、初めてのお客様に来て頂けたのがうれしくてですね。」


マスターがこちらの動揺を察するように言った。


「見てのとおりあまり客が多いほうではないので、来てくれた人はおぼえているんですよ。さ、お好きな席へどうぞ。ご注文が決まりましたらお呼びください。」


喫茶にはカウンター席とテーブル席があったが、ひとりでテーブルを使うのもなんだか申し訳ない気がしてカウンターの椅子に座り込んだ。まわりをちらっと見まわすと、たしかにそんなに客はいない。いる客の多くは常連のようだった。あちらのおじさんは新聞を机いっぱいに広げ、鉛筆で何かとせわしく書き込んでいた。手前のほうにはスーツ姿の女性客がひとり。私はコーヒーを頼み、静かに待った。


すこしきょろきょろしている私が気になったのかマスターはカウンターごしにコーヒーを渡しながらまた話しかけてくれた。


「店名にペンギンが入ってますからね、最近よくペンギンはどこにいるんですか?なんて聞かれることもあるんですよ。」


少し苦笑しながら彼は言った。


「まさかそんなことを聞かれる時代になるとは思ってもいませんでしたからね。たまたまあの置物にちなんでつけた名前なんですが...」


へーとあいづちを打ちながら私はそのコーヒーをすすった。


静かな店だった。でもそれはけっして沈黙ではなかった。新聞紙がめくられる音、食器が洗われる音、何一つ飛び出すことなく、心地よい空間が作り出されていた。


この店ならまた来たいかもしれない。そんなことをふっと思っている頃だったか、喫茶の入口のベルがチリリンとなった。他の客はほとんど振り向きもしない中、入ってきたのはひとりの女性だった。どうやら初めての客ではないらしい。マスターとの会話を聞く限りでは引越したかなにかで久しぶりに来て見たといった感じだった。女性は話しながら私の席の二つとなりに座った。


「久しぶりに来たけど本当に何も変わってなくて、逆にびっくりしちゃった。」


「それはそれはありがたいお言葉で」


マスターはうれしそうだった。


「そういう大切な空間を守り続けることができたということですから。」


「でもこんな店でもあたらしいことはあるのですよ」


マスターはわたしのほうを手で示した。


「彼は本日はじめてこの店にきてくださいました」


突然の紹介で私は戸惑った。まさか自分の話になるとは思いもしていなかった。


「そうなんですか!」


彼女は手を合わせて喜んでいた。


「またひとり常連客が増えたんですね。よかったですねマスター」


「はい。うれしい限りです。」


「偶然この喫茶におはいりになったのですか?」


マスターがふたたびわたしに話題を振る。


「いえ、なんというか…あの置物が気になって、ちょっとのぞいてみようかなと思いまして」


「そうだったんですか。あの置物に感謝しなくては。どうでしたかこの店の雰囲気は?」


嬉しそうに店長は続ける。


「想像してたのとはだいぶちがってましたけど、落ち着いてとてもなごむお店だと思いました。」

私はすなおに答えた。


「そうなのよー。とっても良いところでしょここ。これからも来てね?」

女の人はまるで自分の店が褒められたかのように相槌を打った。


「そうだ!そういえばマスターこの間新たにバイトを雇うかもしれないっていってなかった?彼に働いてもらえばいいんじゃない、彼結構若そうだし。」


突然の話に正直戸惑った。べつにそんなつもりで入ってきたわけではないし、それに僕のような人が働いても迷惑が掛かるだけとしか思えなかった。


素直にそう答えてもマスターはやさしく接してくれた。


「もちろん無理にとはいいませんからね。またふらっと来てくれるだけでも十分ですよ。」


「ただ、なんせこんな店ですからあんまり応募者がいなくてですね、来てくれるなら大歓迎なんですよ。」


手元のコップを棚に片付けながらマスターは少し間をおいて言った。


「新しい人が入ってくれたら、ちょっと面白くなりそうね」


女性も後押ししてくる。


「あ、そういえばまだ名前とか言ってなかったわね。私は鈴木亜衣。そしてマスターの加藤さん、よろしくね。」


私は改めて彼女と向き合った。薄い水色のひらひらのついた服に白いスカートをはいていて、見た目はおとなしそうな感じだったが、きさくでとても話しやすい方だった。


「初めまして、佐藤です。」


突然の出会いにわたしはおろおろした。


「そっか佐藤さんかぁ」


ニコッとしながら私をじっと見つめた。


「佐藤さんが新しく入るなら、また今度店に顔だそうかなー仕事しているところみてみたいし。」


「ぜひそうしてください。鈴木さんがきてくださると佐藤さんも仕事がしやすいでしょう。」


加藤さんはいつのまにかコップとかを洗い始めていて、私と鈴木さんだけが会話している状態になった。


「いや、まだ働くって決めたわけじゃ…」


わたしはいつの間にか展開されていた会話にとまどった。


「ここの店はいいわよー。かくいうわたしもここで昔バイトしてたんだけどね、見ればわかると思うけど仕事量自体は多くないの。客がいない時間とかに少し本とか読んだりもできるし。なんというかゆったりとした時間のなかで自分を見つけなおすことができたと思うの。」


最後の一言は大きかった。自分を見つけ直す。当時の僕自身を満たす言葉だった。それに他のお金のあてもなく、心揺さぶれた僕はその場でバイトの承諾をした。加藤さんに業務内容や必要なものなどを聞いて、僕は次の月曜からここ、ペンギン喫茶で働くこととなった。


鈴木さんが再び喫茶に顔を出したのは僕がバイトをはじめて一週間後のことだった。


「元気―?」


「あ、鈴木さんこんにちは。ようやく最近仕事の種類を覚えられたところです。」


「すごいじゃん!私の時なんか1か月たっても全然仕事のやり方が覚えられなくって。」


「鈴木さんはもの忘れが人一倍ひどかったからですからね。」


「ひどい、マスター私が働いていたときそんな風におもってたんだー。」


ふくれっ面をする彼女を相手にしながら僕は下げられた食器を洗った。


「でも本当に雑用しかできなくって。いつかマスターほどとは言いませんけどおいしいコーヒーを入れられるようになったらなあーって思うんですけど。」


「そうだ。じゃあ私が教えてあげる!」


ようやく役に立てそうなものが見つかって嬉しそうに鈴木さんが言った。


「鈴木さんがですか?」


「そうよ。わたしこう見えて結構上手だったんだから。ね、マスター。」


「たしかに鈴木さんはコーヒーの淹れ方だけは早くから一人前でしたね。とはいえ私の腕にはおよびませんでしたが。」


「当たり前ですよ、この店のお客さんはみんなマスターの入れるコーヒーを求めてきてるんですから。わたしなんかが入れたら暴動がおきますよ。」


手をひらひらさせながら彼女は答えた。この店には暴動とういう言葉がもっとも遠いと思えたけど、確かにそれくらいマスターのコーヒーはおいしかった。ほどよい苦さのなかに膨らむ香り。あまり詳しくない僕でさえついもう一度飲みたくなるものだった。


「じゃあさ、今日バイトが終わったら私の家へおいでよ!淹れる道具は一式そろってるからさ。買っちゃったんだよねーバイト辞めてからも自分でどうしても淹れたくて。」


「いえ、突然そんなお邪魔するなんて...」


「気にしない気にしない。加藤さんのためだと思ってさ。いつかは加藤さんもコーヒーを淹れられなくなるじゃない?その時今までここで働いたことのある人の中からまた誰かがここを継ぐことになるかもしれない。そのうちの一人になるにはやっぱりコーヒーがいれられなくっちゃね。それに一回おいしいコーヒーを飲んじゃうと自分で淹れないとまずくて飲めなくなっちゃうわよ。」


別に後を継ぎたいとは...という僕のささやかな反論は見事に吹き飛ばされて結局、鈴木さんの自宅に夕方お邪魔することになった。


鈴木さんの家は店からバスの乗り継ぎなども含めて2時間くらいかかった。


「さあ入って入って。」


入ると小さな通路があり、左側のお風呂やお手洗いなどのドアを過ぎるとリビングが目に入ってきた。キッチンも備わったこの部屋はとても広く見えた。壁際にはベッドがカバーをかけられ設置されていた。下から少しだけ水玉模様の掛布団がはみ出していて、すこしかわいらしいなと思った。


「結構広いでしょ?でも立地がそんなに良くない分そんなに高くないのよー。その分朝は早く起きなきゃだけどやっぱり広々とした家じゃなきゃねー。」


そのまま僕は導かれるまま小さなテーブルに座った。鈴木さんが戸棚からカップやらコーヒー豆などを取り出してる間ずっと静かに待っていた。


「はい、おまたせー。」


しばらくすると一式すべてお盆に乗せて鈴木さんはテーブルに置いた。それからしばらくは真面目にコーヒーの淹れ方を学んだ。少しはマスターに教えてもらっていたものの大半は初めて聞くことばかりだった。手順やコツは何度かで覚えることはできたけど、これを極めることはさらに大変なことだとしみじみ感じた。少しタイミングが違うだけで味が結構変わるのだ。安定してなかなか良い味が出せない。


 そんなことをしばらく繰り返していた。


「私もこうやって教えてもらったんだ。」


指導してもらっている途中に鈴木さんは教えてくれた。


「以前加藤さんのお店で働いて方に偶然お店で出会って、今のようにその方のお家に呼んでもらって。」


すこし昔を思い出すかのような遠い目をしていた。


「すごくかっこいい女性の方で、いつか私もこんな人になりたいなーなんて漠然と思ってた。それでいつの日か私も後輩に教えてあげるんだって。」


彼女は僕が入れたコーヒーを一つ手に取った。


「でもやっぱり届かなかったけどね。コーヒーはなんとか教えてあげられる程度にはなったけど。」


彼女はふふっと笑うとゆっくりとコーヒーに口をつけた。


「うん、おいしい。今日でこれだけ上達すれば十分よ。あとはお店で何回かマスターのお手伝いさせてもらって経験を重ねなさい。そしたらもっとおいしくなるから。」


「今日はほんとにありがとうございました。」


僕は椅子から立ち上がりながら頭を下げた。わざわざ家にまで呼んでくれてここまで丁寧におしえてもらい本当に感謝していた。


片付けが終わると、僕は荷物を手に取り、そろそろ帰りますと言った。日はとっくに沈んで、辺りはすっかり暗くなっていた。


「そうね。」


鈴木さんはさっきまでのやさしくコーヒ-の淹れ方を教えてくれた笑顔とは全くべつの顔をしていた。


「でも君はどこに帰るの?」


「え、なんのことですか?」


僕はあくまでしらを切ろうと思っていた。でもはそれは許されなかった。


「ある程度見繕ってるつもりかもしれないけど、なんとなく分かるのよ。マスターも心配してた。」


なぜ分かったのだろうか。漫画喫茶やカプセルホテル。僕はその場しのぎの宿を点々としながらこのバイトを続けていたのは確かだ。でも服は洗濯して数着で回していたし、風呂にもちゃんと入っている。思わず自分の袖の匂いを少しかいだ。


「別にくさいとか、におうって言っているわけではないのよ。ただ感じるものがあるのよ、何かから逃げてる人がもつ独特の気配が。」


僕は何も答えられずにいた。答えたくなかったわけではない。なにから逃げていたのか自分でもわからなかったのだ。社会に放り込まれた僕はまるで道を見失った子羊のようにさまよっていた。


「昔、私も逃げ出したことがあるの。」


沈黙を続ける僕に彼女は語り掛けた。


「私の場合は高校生だったから、あとから知った話では家の方は大騒ぎだったらしいけど。直接的な原因があったわけでもない。でも漠然とした何かが不安で不安でたまらなくなった時期があったの。気付いたら家と反対方向のバスに乗ってたわ。そこで君と同じようにマスターの店に入ったのよ。」


彼女は話を続ける。


「たぶんどっかからどうみても高校生だったのよね、私は。でもマスターはなにも聞かずにあそこで働かせてくれた。客に聞かれたときは親戚の子だ、なんて言ってくれてたらしいの。今思うと、履歴書もなしにどうやって雇ってたんだろうとか不思議に思うけど、本当に私に居場所を与えてくれた。そして極め付きだったのがコーヒーの淹れ方を教えてもらえたこと。自分が大好きなお店のマスターの後を継ぐかもしれない一人になるということ。それが現実的にいつになるかはわからないし、実現しない可能性のほうがきっと高い。でもやっと初めて自分が認められた気がした。自分の存在意義を見つけられた気がした。それで私は自分のいるべき場所に戻ってもやっていくことができたの。」


彼女は長い語りを終えると一息ついた。


「私はあなたがどこから来たのかも、なにをやっていたのかも知らない。でも私はかつての私がもらったような安心感をあなたにもあげたい。」


そして彼女は言った。


「だから今日は泊まっていきなさい。」


言葉というのは不思議なもので、その場で直接聞いた人にしかつたわらないものが必ずある。もし僕がメールか何かでこのやり取りをしていたらすぐには受け入れられなかったかもしれない。一年たった今の僕なら断っていたかもしれない。でもあの時は素直に受け入れられた。そうして僕は彼女の部屋の床に布団を敷いて一夜を明かすことになった。


「すみません。何からなにまで。」


僕はとりあえず、もう一度深く頭を下げた。


「いいのよ。逃げる勇気がない人はいつかきっとどこかで一人で苦しむ。逃げた人を何も聞かずに受け入れてあげるのが私達周りの役割なの。君もきっといつか誰かを受け入れてあげられる人になる。」


彼女はベッドを整えながら答えると、電気を消してそのまま掛布団をかぶった。僕も従うように布団に潜った。


 それから僕たちはほとんど話さなかった。一人で薄明かりが差す天井を見つめていた。いつもは暗さが不安を煽ったけど、今日は不思議と安らぎを感じた。布団の暖かさにすこしずつ心を委ね、次第に天井はぼやけていった。


次の朝起きると鈴木さんはすでに起きていた。作ってくれた朝ごはんを食べると二人で最後のコーヒーを入れた。昨日と同じことをしているのにまるで違うことをしているかのような時間を過ごした。


「今日中にマスターにアルバイトをやめる連絡をします。」


僕はコーヒーを一口飲んでからようやく口を開いた。


「それがいいわ。」と短く彼女も言った。


そして僕は彼女の家を出た。電話に出たマスターは拍子抜けするくらい軽く了承してくれた。僕は電話越しに軽く頭をさげてお世話になりましたと言った。電話をポケットにしまって顔を上げるときれいな空だった。まぶしいほどの光が暖かく降り注いだ。


<><><><><>><><><><><><><><><><><><><><>


一年越しに僕はアパートの前に立って建物を見上げていた。マスターの店に顔を出すついでに最後にもう一度お別れをしようと思っていた。


でもなんの変哲もないただのアパートにしか見えなかった。あの夜夢中で駆け上がった階段は今やあちらこちらにぼろさが見えるただの古いアパートの一角に過ぎなかった。


もうあそこに隠れる気はないし、二度と訪れることもないだろう。アパートから離れるように後ずさりながらチラッと見えたマンションにも軽く頭を下げた。


そして再びバス停に戻るために僕はくるりと向きを変えて歩き出した。


読んでくださり、ありがとうございます。

なんとなく、誰もが心で一回は考えたことがあることを文字にするのが好きです。


神話も好きなので、その他の作品もご覧ください。

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