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4話 the devil

 小神の目の先に広がっていたのは世話なく動く警察官と救急隊の姿だった。

 何事かとたずねたエイジに対して答えた警察官はこの講談高校で無差別殺傷事件が起こったと答え、エイジ達は唖然とした。

「な、なんちゅー事や…」

「…気配を感じる… 職員室…」

「職員室か。おい、案内せぇや」

「了解。こっちっす!」

「…しかし、これは酷いですね…」

 取調べの教室を出た瞬間、錆びた鉄のような臭いが鼻をつく。

 壁に掛かる赤い海はそこに犯行があったことを思いたたせ、また一部はまだ腹から血を流す人が目立つ。

「犠牲者の数を数えたところ、この周辺だけでも6人はやられてますね」

「恐らく外も大騒ぎでしょうね。銃を抜き取られた跡もありますよ」

「ったく、手一杯なのにまたこんな事件…。えぇ加減にしてほしいわ」

「ここっす!」

「よし影月、お前はドアの近くにいてこいつと美優守れ!」

「…ダメ… 皆、逃げて…!」

 職員室の扉を開ける。

 教師の机はそのままに周りのものは散乱し、一部の場所では警官が蹲っている。

その中心にいたのは黒のコートに身を包む姿の何者かが右手に銃、左手に赤く染まったナイフを持っていた。

 その後、事情を聞きつけたらしい数名の警察官が突入していく。

何者かはどういうわけかエイジのほうに接近していく。

「と、止まれ! 止まらないと撃つ!」

「…撃てば?」

 警官は発砲するも狙いが定まらず当たらない。

 それどころか警官を退け、エイジのほうにさらに接近する。

 一方のエイジと小神は一瞬たじろぐが下がらない。

「撃ってるし…」

「どーしますー、真崎さん? ミューは逃げてと言ってるようですが」

「銃が怖いからって下がってる場合とはちゃうぞ」

「…違いない。別にここで殉職したって俺はかまいやしませんよ」

「あのなぁ…」

「いたぞ! 抑えろ!」

 さらに警官数名がエイジと共に取り押さえに入るが何者かは動じない。

 エイジが先陣を切って取り押さえようとするがその何者かは動じず、エイジの腕を抑える。

「フフフ、これだからやめられない… バカの相手は楽しいわね」

「ぐあっ!?」

「な、なんて力だ… つーか女ぁ!?」

 つかまれた反動でエイジは投げ飛ばされる。その何者かの少女はさらに小神達に接近してくる。

「フフフ…」

「小神君…ダメ…逃げて!」

「…ウッディ!」

「!」

 瞬間小神は近づいてくる少女に対し、足払いをする。

 油断した少女のほうはナイフと拳銃を落とし、小神はその2つを奪い取り、拳銃を少女に向けて構える。

「へっへっへぇ、立場逆転だなぁ、主犯さんよォ!」

「チッ…返しなさい!」

「そうだな…『ご主人様、許してくださいませ(はぁと』と言ったら返してやってもいいがなー」

「だ、誰がアンタみたいなんに対して!」

「…お前、倒すけどいい?」

「……」

「答えは聞かないけど」

「小神!」

「…冗談ですよ」

 小神はエイジに対し、笑いながら銃を下ろし、少女を拘束する。決して変な意味でなく

 一方の少女のほうは絶望にくれたように項垂れる。

 エイジは体勢を立て直し、少女を抑えようとする。

「さて、連行する前に面を拝ませて貰おうか…」

 エイジが少女の顔をのぞく。

 だがエイジは驚いた。そこにいたのは美優と同じ顔をした少女だった。

 一瞬エイジは何がいたのか理解できなかった。それはその場にいた人たちも同様だった。

またそれに一番驚いたのはただならぬ美優本人でもあるが

「み、美優…?」

「私…?」

 小神とエイジの腕が緩んだ隙を突き、2人から抜けるとしっかりと立ち上がる。

 その場に一瞬の閃光が起こり、閃光がさめた時、その場に少女の姿はなく、惨劇のみが残る結果となっていた。

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