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第2話 「戦闘! 初めての魔法はドキドキ!」

 前回までのあらすじ! 都内の学校に通う川口エリカは、元気いっぱいな中学2年生の女の子! ある日彼女が憧れのクラスメイト・伊集院カケル君と一緒に登校していると、突如オークが出現! そしてオークの攻撃でカケル君は吹き飛ばされてしまった! 絶望する彼女の前にやってきたのは、翼の生えた猫の妖精・ルシファー! ルシファーに言われるまま魔法のロッドを手にしたエリカは、力強く叫ぶのであった!











「ヘヴィメタル・デストロイチェーーンジ!!♡♡」


 ロッドを勢いよく振り上げて、力強く叫ぶエリカ! すると彼女の言葉に呼応して、ロッド先端の深紅のハートがまばゆく輝き始めた!


「な、なんだブヒ!?」


 予想外の展開に、オークは棍棒を握りしめたまま固まってしまった!


「やった……やったぞ……エリカ、君は選ばれし女の子だったんだ!」


 ダンディーな声で喜ぶルシファー!


 そうこう言っている間に、エリカの全身が赤い光に覆われていく!


「こ、これは!?♡」


「じっとしていて! 君は今、“変身”しているんだ!」


「へ、変身!?♡」


 そして彼女の全身を覆っていた赤い光が一斉にはじけたかと思うと! 先ほどまで制服姿だったエリカの容姿は変貌を遂げていた!


 上半身は黒の革ジャン! 下半身は黒の革ズボン! そして全身にちりばめられた金のトゲトゲした装飾!


 更に特筆すべきはその顔面だ! 顔中が真っ白に塗られており、黒くて大きなハートマークが右目を囲うようにペイントされている!!


 その姿はまさにヘヴィメタルバンドのボーカルだ!!!


「す、すごい……一瞬で姿が変わっちゃった……!♡」


 エリカは自分の恰好を茫然と眺めながら呟いた!


「それが変身だよ、エリカ! 今の君は中学生の川口エリカではなく、悪魔の心を持った魔法少女、“デストロイハート”だ!」


「で、デストロイハート!?♡ よく分からないけどこれでオークと戦えるね!♡」


 そして彼女は手に持っていたロッドを振りかざし、先端をオークに向ける!


 すると!


 なんと先端についているハートの飾りから、勢いよく火炎が飛び出してきた!






 ボオォォォォオ!!!!!






「ウギャアアーーー!!! 熱いブヒー!!!」


 エリカ――デストロイハートの炎による攻撃をまともに喰らい、悶絶するオーク!


「やったー!♡ 攻撃できたー!♡」


 彼女はオークの体に火炎放射を浴びせながら微笑んだ!


「いいぞいいぞ! その調子だデストロイハート!」


 ルシファーは宙をパタパタと飛びながら、デストロイハートに声援を送る!


 しかしオークも負けてはいない!


「ブヒーーー!!!」


 彼は勢いよく棍棒を横に振ることで風を起こし、火炎放射を消し去った! そのまま棍棒を両手で握りしめ、デストロイハート目がけて振り下ろす!


「デストロイハート、あぶなーーーい!!!」


 心配そうな声を上げるルシファー! するとデストロイハートはとっさに右手を前に出し、オークの棍棒をガシリと受け止めた!


「な、なにぃ!?」


 渾身の一撃を片手で止められたことに、少なからずショックを受けるオーク! そしてデストロイハートは素早い動作で相手の懐に入り込み、腹に強烈な蹴りをお見舞いした!






 ドスンッッッッッ!!!!!






「グワーーー!!!」


 オークは勢いよく吹き飛ばされた!


 なんとか空中で体勢を整えて地面に着地することは出来たが、既に満身創痍である!


「ブ、ブヒィ……まさかこんな小さなガキにここまで追い詰められるとは……!」


「今だデストロイハート! ヘヴィメタルロッドを構えて、“デストロイ・ファイアー”と叫んでくれ!」


「う、うん!♡」


 デストロイハートは言われるままにロッドの先端をオークに向け、がむしゃらに叫んだ!


「で……“デストロイ・ファイアー”!!!♡♡♡」


 するとロッドの先端に、直径1メートル程の巨大な火球が形成されていく!


「な、なんだこの攻撃は!?」


 その見た目のあまりの恐ろしさに、オークは思わず目を疑った!


「いっけぇぇぇ!!!♡♡♡」


 ロッド先端の火球が一気に解き放たれ、時速150キロと言う凄まじいスピードで敵に肉薄していく!


「ぶ、ブヒィィィイイ!?」


 情けない声を上げることしかできないオーク!


 そして!!






 ドカーーーン!!!






 デストロイ・ファイアーが直撃したオークは、盛大に爆発! 閑静な住宅街にけたたましい爆音が轟いた!


「やったー!♡ 薄汚いオークを倒したぞー!!♡♡」


「おめでとうデストロイハート! 初めての闘いとは思えないほど見事な動きだったよ!」


「うん、ありがとう!♡」


 するとデストロイハートの衣装が光に包まれ、元の制服に戻った! 顔の白塗りメイクもキレイさっぱりと消え去り、いつも通りである!


「そんなことよりもルシファー!♡ 色々と説明して欲しいことが盛りだくさんだよ!♡ あのオークはなんだったの?♡ あなたは一体何者なの?♡ そしてデストロイハートって一体なんなの?♡ 成り行きで変身して闘ったけど、もう超展開すぎて頭がパンクしそうだよー!!♡♡」


 エリカは両手をブンブンと振りながらルシファーに言った! この世界にはオークや空を飛ぶ猫など本来存在しないので、彼女が混乱するのは当然だ!


「もちろんちゃんと説明をするよ、エリカ。だけど今は君も疲れているだろうから、この話は後にしよう」


「うん、分かった!♡」


 物分かりの良さがエリカの魅力である!


「それじゃあ悪いんだけど、これから当分は君の家に居候させてもらうよ」


「えーーー!?♡♡♡ ぶっちゃけありえなーーーい!!!♡♡♡」


「そうはいっても、僕はこの世界に住む場所がないからね。それに、君に順を追って色々と説明をしていかなくちゃいけないし」


「そっか!♡ じゃあ一緒にいた方が都合いいね!♡」


 こうして、ルシファーはエリカのペットになった!


「そんなことより、エリカはいつまでもここに居ていいのかい? どこかに行く途中だったんじゃないのかい?」


 ルシファーがダンディーな声でそう言うと、彼女はハッとした表情で目を白黒させる!


「いっけなーい!♡ 学校に行ってる途中だった!♡ 遅刻遅刻ーー!!♡♡」


 言うが早いか、エリカはヘヴィメタルロッドをカバンにしまい込み、あたふたしながら走り去っていった!


「やれやれ、あわただしい子だな……。それにしても、まさかあの子がデストロイハートの適合者だったなんて……! もしかしたら、“デストロイスター”の適合者も、彼女の近くにいるのか?」


 深刻な表情で呟くルシファー! 果たして彼は、一体何者なのだろうか!? そして、エリカはこれからどんな戦いに巻き込まれてしまうのであろうか!?


 謎は深まるばかりである!


 ――ちなみにカケル君は、全身骨折という重傷を負ってしまったが、命に別状はなかったぞ! 良かったね!


 次回、「修羅場! 友達にばれちゃった!」に続く!!!


・さくしゃあとがき

 だい2わを よんでくれて ありがとう! こんかいの エピソードでは エリカちゃんが “デストロイハート”に へんしん したよ! みんなも しょうがっこうで たくさん おべんきょうして たくさん うんどうもして すてきな おとなに へんしん しようね!

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