表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奴隷と結社の輪舞曲  作者: 食物名団.鯖
3/49

三話 信頼

あ、あらすじです…

あんなに人と話したのは久しぶりでした…。あんなにいっぱい泣いたのも。

by 少女

少女は心の拠り所が無かったのだろう…そして、涙目になりながら男に言った。



「……うっ、ひっく…これからもよろしくお願いします…えっと…」



そういえば男は名乗っていない。これは不味いと思った男は自己紹介をする。



「すまん、自己紹介が遅れた。俺の名はクロノア。クロノア・ゼロだ。といっても、本当の名前は俺にもわからない。これは付けてもらった大切な名前だ。君の名前は?」



男が聞くと、少し恥ずかしそうな態度を取りながらも、自己紹介を初めた。



「ろ、ロロ………ロロ・ミュートです。」

「ロロか、いい名前だ。さあ、風呂を出ようか。」



男につられて、ロロも一緒に風呂から上がった。

何年ぶりだろう…人の温もりを感じたのは…と思いながら。





風呂から上がった二人は、クロノアの部屋に入る。



「そうだロロ、君にこれを渡そうと思って。はいこれ。」



そう言うとクロノアは少し大きめの箱をロロに渡した。少し大きくて、両手で持たないと落としてしまうくらいの大きさだ。



「…………???あ、開けてもいいですか?」



中身が気になったロロは開けてもいいかと、クロノアに聞く。クロノアは軽く頷いた。



「よいしょ、よいしょ…………こ、これはぁ……ふぇ…ぐす…」



ロロがまた泣いてしまったので、自分のセンスが可笑しいのではないかとクロノアは心配になる。しかしその必要は無かった。

中身を、大切そうに抱えていたからだ。

中身は、純白のいかにも高そうなワンピースと、淡い肌色の麦わら帽子、普段着と、少女の服装が一式中に入っており、どれも新品だった。とはいえ普段着は動きやすさを優先しており、どこか戦いに行くような感じの物だったが。



「いえ…私、こんな新しい服は買えなくて、ずっと手の届かないものだったんです。だから、とっても嬉しくて…………私は、これを着てもいいんですか?奴隷…………なんですよ?」



ロロはこんな高級品を着たことも貰ったこともない。その光景を見てクロノアは、ロロの頭を優しく撫でながら言う。



「君は『家族』だ。だから、わがままも言っていい。むしろプレゼントを貰ったのはこっちの方だな。俺が一番欲しかったのは家族だった。まだ、付き人もいなかったしな…」

「く…クロノアさん…………//////」



こんな人が何故奴隷を買ったのか。少しその理由が見えた気がしたと、ロロは思う。



「さあ、夜も遅い。寝ようか。」



しかしロロは暗闇が苦手で、暗闇だとあの頃を思い出すからだ。ロロはクロノアの服を引っ張る。



「一人はやだ…暗闇怖い…………クロノアさん、一緒に寝てもいい…………?」



クロノアは、ロロが震えている事がわかった。一緒に寝ないとロロがどうなるかは分かっていたからだ。それもそのはず、奴隷の仕事は基本夜であり、その時間帯にトラウマを植え付けられる可能性が大きい事くらい、クロノアは知っている。



「ああ。ロロ、おいで」

「…………///////」



ロロは少し恥ずかしそうにクロノアのベッドに入った。



「……ロロ、寒くない?」

「ううん、むしろあったかいです。くっ付いてもいいですか?」

「おいで」

「///////」

(わがままも聞いてくれる……お兄ちゃん、もしかしてお兄ちゃんの言ってた人って、クロノアさんの事だったのかも…)



そして、夜が明けた………………

次回、明日!……………かも…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ