第二話 急流の村から天界への塔へ
遅くなった~!二話目にしてまさかのネタ図まり
まっそれは置いといて二話目です
勇者の家で一夜を過ごしたゼキアス達
翌朝
湖の村・レイク 勇者の家玄関前
「もう行くのか」
父のファザックが少し寂しげに聞いた
「うん・・・速く天界の女王様会わないと」
父と同じく寂しげに答えるミリナ
「お姉ちゃん・・・気をつけてね!」
「うん」
「たまには帰ってきなさいよ!」
「わかってるよ!行ってきます!」
「「「「行ってらっしゃーい」」」
「さて、行きますか」
「はいミリナさん」
「でも、天界か~確かに行くのに大体一日ぐらいかかったけ」
「えぇ、そのぐらいですね馬車でそのくらいですから」
「えっ!馬車で一日!!」
「はい」
物静かにあっさりとアメリアは『はい』っと答えた
「・・・・」
そのあっさりさに口を開けて無言にミリナ
ミリナとアメリアがそんな遣り取りをしている傍で
「ボソボソ」
「えぇボソボソ」
何やらゼキアスとアギリが話していた
「ということは、ボソボソ」
「そういうことです」
「そりゃぁ、楽になる」
「ねぇ、 ゼキアス、アギリ何話してるの?」
ミリナが二人に聞いた
「あっ?、あぁミリナか、いやアギリが天界への塔に簡単に行く方法を知ってるってよ」
「えっ!本当なのアギリ」
「えぇ、よく利用させてもらってるよ」
「やったー」
何故ミリナが喜んでいるのかというとさっきの会話にあったように天界への塔、『タワー・オブ・ヘブン』に行くには馬車でも一日くらいかかる
しかし、アギリが言うにはこの村から南西にある、急流の村、『トレント』に知り合いの魔導師が居てその魔導師に天界への塔に転移魔法で近くまで飛ばしてもらおうというわけだ
・・・え?そんなのならそのへんの魔法使いに頼んだら良いんじゃないのって?
世の中そんなに都合のいいわけがないじゃない
タワー・オブ・ヘブンの周りには妨害魔法がかけられている。
何故かと言うと、界防上(国防上)、天界には内から外には移動できるが、外から内には、天界の女王の許可を得たものしか移動できない、さらにタワー・オブ・ヘブンも上から下には移動できるが、下から上にはこれまた女王の許可を得たものしか移動できない。
えっ?分かりにくい?えーと簡単に言えば、魔界軍が転移魔法を使って侵攻してこないようにこうしているというわけだ。
長くなったが説明終わるよ
「さて、馬車も用意したことだし行くか」
そう言いながらゼキアスは馬車に乗り手綱を持った
「「はーい」」「はいはい」
続いて、ミリナ、アメリア、アギリの順に馬車に乗った
「はっ!」
『バシッ』
「ヒッヒ~ンブルル」
『カパコカパコ』
ゼキアスが手綱で叩いて馬が走り出した
「いざ、トレントに!」
「「「お~!」」」
若干二名やる気のない声で意気込んだ
急流の村・トレント
『ゴォォォォォ』
「うわぁー流れの速い川~」
「ホントですね」
川の流れの感想を述べているミリナとアメリア
「アギリ、その魔導師さんは何処に?」
「こっち」
「おーい、ミリナ、アメリア行くぞ!」
ミリナ、アメリアに呼びかけるゼキアス
「「はーい」」
トレント・魔導爺の家
ミリナ達は魔導爺の家の前についた
魔導爺の家は高床式のロッジで村の北側に建っていた
「おーい、爺さん居るかぁ?」
「んぅじゃぁ~誰じゃぁ~」
家の中から訛った声が聞こえてきた
「私です、アギリです」
「アギリィかぁ~何の用じゃぁ~」
家の中からご老人が出てきた
「この人が」
「魔導爺」
ミリアとゼキアスが魔導爺の姿に驚く
魔導爺は白い法衣を着てり頭には宝石をあしらった多角形の帽子
いかにも賢者と言う風姿の髭、目元、頬には皺があった
「?・・・うんじろ(後ろ)の奴は何じゃぁ?」
「えっ?あぁああ!ミッミリナです、初めまして!!」
「ゼキアスだ」
「アッアメリアです」
各々が自己紹介すると
「ふぬぅ・・・お主」
魔導爺はミリナを指差した
「はっはい!」
魔導爺はスゥーと息を吸って口を開いた
「お主、勇者、じゃな?」
魔導爺は言った、はっきりとそう言った
「はっはい」
ミリナは少し驚いた感じで答えた
「アギリ、お主」
さっきまで訛っていた爺の喋りがハッキリとなった
老人が言うことはおおよそ予想がつくだろう
「見損なったぞ」
「へっ?」
全員がそう発した『へっ?』っと
「少女が好きだと、薄々わかっていたが、遂に手を出すとは」
「ちょっと待ってくれ、俺はそんなんじゃ無い!!!」
まさかのアギリロリコン疑惑、それを必死で否定するアギリ
「(ミリナ達の視線が嫌に冷たい)」
「・・・ほっほほ、冗談はここまでにしておいて、タワー・オブ・ヘブンか?それともホール・オブ・デーモンズか?」
「なんだ冗談かよ」
「びくりした~」
ミリナ達は嫌な視線を普通の視線に戻した
「それよりよく私たちが行きたい場所分かりましたね」
「お主が、儂のところに来るのは、この二つのどちらかに行く時じゃからな」
どうやらアギリはよく魔導爺を利用しているようだ
「タワー・オブ・ヘブンだ、全員」
アギリが魔導爺にそう伝える
「ほいほい、たく老人使いが荒いやつじゃ」
老人はそう言いながら魔法陣を描いた
「ほれ、乗りなさい」
そう言われ全員魔法陣の上に乗った
「いくじょぉ~~~」
そうして、老人は呪文を唱え始めた
「~~~~~~~~この者達を彼の地へ!!!」
『ヒュン』
「ふぅ、無事、着地できるといいんじゃがな」
そうミリナ達を心配する魔導爺であった。
次回は、天界への塔 タワー・オブ・ヘブン編です
簡潔なキャラクター説明
魔導爺・男・年齢不詳・魔導師
急流の村・リバーリバーに住む魔導師
地上界一の魔道士で、地上界で唯一タワー・オブ・ヘブンの結界を無視して転移魔法を使える