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3.11。あの日、あの瞬間を忘れない

木の葉と時の渦

作者: 雨音れいん


つめたい風が頬に吹きすさぶ夕暮れ時


ふわりと前髪に乗った一枚の枯れ葉


手でとらえたそれはもろく


ぱりぱりと崩れて粉になる


秋のしらせがこの町にも舞い降りた


はらりはらりとかなしみひとひら


はらりはらりとよろこびひとひら


それは風にふかれて消えてった


あとに遺されたのはじぶんだけ


あのときもこのときも遺されたのはじぶんだけ


アスファルトの道端にできた落ち葉の塊


それはやがてくるりくるりとまわりはじめた


ちいさなたつまきを見てしばし時を忘れる


まわりつづける木の葉の群


くるりくるり


くるりくるり


めぐりめぐる時の渦


あのときのわたしたち


今日のじぶん


あの日の家族


今日のじぶん


あしたのじぶん


あさってのじぶん


あの日にはもうもどれない


みんなこの葉たちのようにもろくはかなく消えてった



  時の渦の中に消えてった



お読みいただきありがとうございました。いかがだったでしょうか。…なにか伝われば幸いです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませていただきました。 一行一行、間を空けていることで、"時"の儚さが際立っていると感じました。もうすぐ冷たい冬が近づいてくる秋。何かもの悲しい気持ちになりますよね……。 枯れ葉、個人的に…
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