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転生Ⅲ

〜ダールディの森〜


俺たちストナー一行はイエスタデイから1時間ほど馬車で移動し、ようやくクエストの本拠地に着くことができた。しかし本来なら停留所でのいざこざがなければもっとスムーズに行けたであろう。


曇り空と湿気に覆われた林地は、入口から俺たちを引きずり込もうとするかの如く禍々しいオーラを放っていた。


「少し我々には厳しい雰囲気がしませんかな?」


「つべこべいわずに行くんだよ!」



チョモが左手を唇に当てて消極的なセリフを漏らす。アリアは高額報酬が目当てなのか強欲な目を輝かせていた。そしてまもなく俺たちは奥へと進んで行った。


進んでまもなく、水色の液体で構成されたモンスターが茂みから現れた。


ダンジョン物でもこんなに定番なモンスターはいないだろう。


俺は咄嗟にギルドで調達した短剣で奴を滅多刺しにした。「ギェェェ!」という断末魔はとても新鮮で面白い。


「気を張れい!一見可愛らしいフォルムに見えるがその凶暴性は、、、」


「これでいいのか?」


俺は中身が飛び散った奴の皮を見せつけた。


【スキルポイント】2 を獲得しました


「度胸はあるようだね。だがあいつらはそう簡単には行かないよ」


アリアが指を刺した方向には複数の中型クラスのオオカミが4〜5頭で群れをなしていた。


「今獲得したスキルポイントがあるはずだね。それを使って炎魔法ファイアを習得するんだ」


「はい」


【スキルポイント】2を使用して炎魔法★ファイアをしゅうとくしますか?

YES/NO


合われた事を脳内でイメージすると目の前にホログラムで文字が現れた。俺はYESと映し出された場所を指で推してみせた。


【炎魔法★炎熱】を習得しました。


「出来ました」


「よし。今習得した魔法をウルフにぶつけてみな。脳内で炎が滾るイメージをして、標的に利き手の薬指を定めて魔法名を叫ぶんだ」


目をつぶり、脳内で炎が揺らぐイメージをすると確かに現実に存在するかの様にはっきりと瞼の裏に写った。


「「炎熱!!」」


その途端俺の左腕がカーッと熱くなり指の先から炎が勢いよく噴射され、それに驚いた前方のオオカミの群れを追い払った。


これがRPGでよく見る魔法か。残念だが俺はこんな低級魔法で驚いたりはしない。いつか大魔法というやつを習得してこの世界を無双してみせる。なあに、先ほどのイメージを応用さえすればいけるはずさ。


「、、、」


なぜだか分からないが、三人の表情が納得がいかない感を出していた。


「いいにくいんだけださ、、、あんた魔法の才能はいまいちのようだね」


「マジ?」


「本当ならファイアはもっと激しいもので、ウルフ数匹なら討伐できる威力を発揮できるものでございやす。見てみなさい」


チョモランマがファイアを放つと八メートル先の樹の中心を焦がしてくぼみが出来るくらいにえぐって見せた。まあ、俺より多少威力が強いことは認めるが練習を積めば誰だってできるさ。


【魔力】3


やかましいわ。わざわざ表示するんじゃないよ。まさか女神が天界で俺を観察してホログラムをこっち側に表示させているのではないか?


ズドオオォォォーン!!


突然森の奥から地響きが聞こえてきた。その衝撃で足下がビリビリと稲妻が走る。鳥らしきものの群れは一斉に飛び立ち、急に暗雲が立ちこめる。


「ななな何ですか一体?!」


「うろたえるんじゃないよチョモ。本命がおでましさ」


アリアが眺望した先には大きな陰がこちらに迫ってきていた。そのものの高さおよそ三メートル。横幅もにメートルほどあり、クエストの依頼にあったモンスターの特徴に一致している!


「そういやあんた名前は?」


山本太郎、、、って現世の名前じゃs違和感ありありか。何かないかな異世界っぽい名前、、、。


「アルフレッド」


「そうかい。アルフ、お前は魔力値はダメダメだが。何か取り柄はあるはずだ。ステータス値を確認しな」


俺は、ステータスのページを開いた。


【攻撃】56

【防御】71

【HP】456

【MP】65

【魔力】3

【素早さ】86

【スキルポイント】0


【素早さ】86


「素早さが高い!」


現実世界の俺は陸上部に入っていたのでそれが反映されたのかもされない。


「わかった。あのこちらに向かってきている化け物の腹部に潜り込んで切り込んできな」


「これで俺が死んだらあの世で訴えますよ」


すでに一度死んでいるが、、、。


俺は地面を力強く蹴って未だ姿がはっきりしない化け物に向かって疾走した。速い早い!足が雲のように軽く数十メートルを一瞬で駆け抜けてしまった。

化け物が俺の眼球にはっきりと移る距離まで移動した。やつの正体が分かった。


「ドラゴン!?」


こいつがクエスト依頼書に書かれてたナイトマダラか。厳密に言うと某RPGに登場する純粋なドラゴンではなく、胴体はごつごつした皮膚に背中には羽があり、頭部は蛇の形相、そして尻尾も蛇特有の曲がりくねったようなしっぽがある。まるでキメラだ。まあ、ドラゴンも蛇も似たような生物の構造をしているが、、、。


ガキィン!!


ドラゴンの皮膚が俺の短剣を激しく弾いた。硬すぎる。反動で手首の関節がキリキリと痛む。


そしてドラゴン(仮)の目線が腹部に移動する。こちらに意識が向いたようだ。


「止まれ化け物!!」


ビスがナイトマダラを両手に持った盾で目一杯受け止める。彼の職業名はパラディンである。その姿は馬鹿でかい鎧と盾を装備した騎士であり、このパーティーではタンカー(守護する者)である。


「うおう゛ぉおおおおおおぉぉ!!」


足裏を地面にガリガリとこすりつけながら勢いを削り背後の大木が背中とぶつかったところで何とか奴を止めて見せた。


「チョモ、後は頼んだだ!」


チョモは赤色に輝く腕輪を付けた右手を開いた状態で地面に向けるとそこから真みどりのツタが複数吹き出し、マダラめがけて伸びていったと思うとその瞬間四肢全体に絡みつき自由を奪った。


彼の職業はアルケミスト。別名錬金術師とも称される。緑のローブを羽織ったいぶかげな姿をしている。右手の腕輪は錬金術の増幅補助装置として施されいる。一体どんな仕組みなのやら、、、。「」「」


「「延焼捕縛網!!」」


とどめに、アリアが装備している杖から炎系の魔法がぶっぱなされた。メラメラと燃え広がったそれは獲物を捕らえるネットのように相手を包み込んだ。


彼女の職業はウィザード。真紅のローブに黒い帽子を被った服装をしている。全長二メートル近くある杖からは使用者の魔力を摘出し、魔方陣へと変換後外部に放出される。


「ぐらあっっっぁぁぁああ!!憎い!憎い!!」


その瞬間燃え広がる炎の中から石をすり潰したような苦い声が轟いた。


しゃべったのか、、、!?


「下がれ!私のうしろに!!」


煙幕の中から目のらしきものが光彩を放ったと思うと、目の前が白色光に包まれた。















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