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つながり。

 スマホから、聞き慣れないバイブ音。それも、三回続けて。多分、小山田さんから早速メッセージがきたんだろうな。ホームルームの前に返すのは、多分考えすぎてできない。既読も今はつけたくないし、しばらくは聞かなかったことにする。

 いつもと変わらない、先生の話。今日だけは、早く終わらせてほしいって思ってしまう。多分、終わってからずっと考えて、それでもちょっとしか返せない。話は聞いたそばから抜けていって、何も覚えてない。そろそろ、期末試験だったはずだし、それについての話とかもあったのかもしれないけど。

 短いはずなのに、長いような時間。終わってから、急いでスマホを出す。通知は、さっきの三件だけで止まってた。待ち受けに出て来た通知だけなら、既読はつかなかったはずだったよね。スタンプとか写真とか、ここじゃ見れないのが入ってないようにって祈りながら、


『さっきはごめんね?でもありがと(((o(*゜▽゜*)o)))』

『念のためだけど、わたしは小山田絵里っていうんだー+.(≧∀≦)゜+.゜』

『よろしくねっヾ(*⌒∇⌒)八(⌒∇⌒*)ツ 』


 文字も、普通のものなのに、いつも見てるのと変わらないのに、なんかキラキラしてるような感じ。わたしも、こんな風に気軽に人と話せたらよかったのに。わたしはいつも、心の中で綱渡りして、ビクビクしてるっていうのに。小山田さんはどうして、こんなふうに飛び込んでいけるんだろう。絵文字だって、


『改めまして、野々原茜といいます。

 先ほどはありがとうございます。こちらが慌てていたせいでご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。

 不調法者ですが、これからよろしくお願いいたします。』


 送ろうとする文面を改めて見て、堅くなっちゃったなぁと思ってしまう。でも、これ以上悩んでても、返事が遅いって心配させそうだし。……チャイムの音に驚いて、送信のところをタップしてしまってた。そういえば、一時間目の準備、何もしてない。一度乱された気持ちは、なかなか元には戻らない。水たまりに立った波紋が、何度も戻ってきて水面を揺らしてくる、そんな感じ。

 先生が、ちょっと遅れて来てくれて、よかった。筆箱とノートと教科書を出し終わって、スマホを筆箱にしまう前に来なくって。普段は、こんなこと、願うはずもないのに。とりあえず、今は授業に集中しなきゃ。いつもは気にならないスマホが、今日はいつもより気になってしまう。小山田さんだって授業なんだから、今から返事なんて来るわけがないのもわかってるのに。

 

 

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