初めての戦い
ザリウスとフィーラは3時間程やった魔法練習を終え街に帰る支度をする。
「そういえばあなた、家はあるの?お金は?」
今までフィーラのおかげで何も聞いしていなかったが、そういえば今の状況って家の無い無一文な事に今更気づく。
「やばいどうしよう」
ザリウスはどうしようか真剣に悩んでいるとフィーラが
「なら私の家に来る?」と言ってくれた。
なんなんだこの女神様は可愛くて、優しくて、強くて完璧すぎるじゃないか、と心の中でまた叫ぶ。
気持ちを切り替えて悪いんじゃないかと思ってしまう。
「でもご両親に悪いんじゃ」
「大丈夫よ。私はこれでも貴族よ、部屋なら沢山あるわ。」
「じゃあお言葉に甘えて」
話しながら歩いていたら、もう街の入口に着いていた。
だが街の様子がおかしい。あまりにも静かすぎる。
当たりを見渡すと人のようなものが倒れてる。
「何があったんだ!?」
「分からないわ、とにかく行ってみましょ」
着いてみるとあまりにも無惨な光景が広がっていた。
「なんなんだよこれ」
「悪魔達よ」
「なんだよ悪魔って、さっき言ってたヤツか?」
「そうよそいつらよの。きっとコイツらは手下だと思うけど、最悪だわこんなタイミングで」
「どうすんだよ、魔法で倒すのか!?」
「そうね、とりあえず目の前にいる3体は私が相手するわ。そっちの2体は任せるわ」
悪魔らしき物体は人や他の生物を殺し愉快に嗤っている
「了解!」
「大丈夫よきっとうまく行くわ」
二手に分かれて悪魔たちを相手にする。
フィーラは持ち前の実力と魔力値を活かして敵を翻弄してる。
「さっさと地獄の焔に焼かれなさい!【インフェルノ】」
第2位界魔法【インフェルノ】の力は強く当たりを焼き燃やす焔を悪魔達かも食らうとは土に溶けていく様に消えた。
一方ザリウスは教えて貰ったばかりの第1位界魔法でなんとか抵抗している。だがこのままじゃジリ貧だ、そう思ったザリウスはフライを使い少し距離をとる。
「第1位界魔法だと厳しいな、新しい魔法が欲しい所だがなんも知らないしなあ」とザリウスは少し落胆気味に言う。
悩んでいるとフィーラとの会話を思いだす。
そういえば魔法はイメージをそのまま使うってフィーラが言ってたなぁ。
それを思い出した、ザリウスは爆発系の魔法を想像する。実際に使えばこの当たりが半壊してもおかしくないレベルの爆発を想像する。
そんな爆発を想像すると手の辺りが激しく輝き始めた。
「なんなんだこれは」と困惑の声をあげると様子を見ていたフィーラが「第3位界魔法【エクリクシス】よ。しかも今回は精霊達が素となってできているわ」
「素とかどうでもいいからどうやって使うのかを説明してください」
と、今にも爆発しそうな右手の周りを見て焦りながら言う。
そうゆうと「そんなの簡単よ、精霊に祈りを込めて【シャナン】と唱えるだけよ。そうすると精霊達は敵に向かって爆発するわ」
フィーラに感謝すると同時に精霊に祈りを込め始めた。
「悪魔達くらいやがれ【シャナン】」
そう唱えると精霊たちはザリウスの手元を離れ、悪魔たちの方に向かっていく。そして悪魔たちの元に着いたその瞬間、とてつもない破壊音と共に周りの家が崩れていく。煙が登り辺りが見えなくなるほどだ。
しばらくして煙が消え、周りを見ることが出来るようになった時には悪魔たちは居なくなっていた。
ザリウスはふぅと息をつく。そして「フィーラこっちは終わった。そっちは大丈夫か?」
「大丈夫よ問題ない。けど一つ聞きたいことがあるわ」
「なんだー」
「あなたが使った【シャナン】の威力がおかしすぎるわ」
何を言ってるんだこいつは、という気持ちで答える
「俺は言われたように、精霊に祈りを込め【シャナン】と唱えただけだ。一般的威力なんじゃないのか?」
なんにも分かってないと言わんばかりにフィーラはため息を着く。
「あなたの【シャナン】は普通の【シャナン】の少なく見積もって5倍の威力はあるわ」
それを聞いた僕は「5、5倍!?」と驚きの声を上げる。
「まぁあなたが魔法に関して桁違いなのは分かっていたから、想定はしていたけど」
フィーラはそう言うと、「ほんとに世界を救ってくれるといいんだけど」と、心の中の呟いたつもりが声が漏れてしまったらしい。
それを聞いたザリウスは「大丈夫ですよ。僕が世界を救って見せますから!」
と心強いことを言ってくれる。
「そうね、信じているわ」
そう言うとフィーラは歩きだし、「まだ悪魔たちが残っているかもしれないわ。とっとと片付けましょ。」