最強コンビ誕生!?(仮)
「往復5時間。行けて良かった〜」
ライブに行くのに片道2時間半掛かるのが田舎の辛いところだよなぁと心の中で呟く。
なんて思ってたら最寄りのバス停に着いたらしいバスの運転手さんがそうアナウンスする。
二徹でライブ行ったこともあり、身体も疲れていたのだろう。バスを降りた瞬間に酷い立ちくらみをした。
前がよく見えないまま歩いた瞬間、ぐわんと身体が揺れるそれと同時に「どん」と鈍い音がする。
そう彼いや山宮黄河は降りたバスに轢かれたのである。
その瞬間山宮黄河のこの世界での人生は終わった。なんの言葉も残せずに。
だがこれが彼の新しい人生の始まりでもあり、国を救う英雄の誕生である。
山宮黄河は目を覚ました。何時間いや何日寝たのだろう。そんなことを考えながら目を擦る。だがそこに映ったのは全く知らない光景だった。
建物は中世ヨーロッパ風の建物に変わっている。歩いている人も色々な種族が居る。
どう見ても人ではない生物も少なからず居る。これを見て山宮黄河は確信する。
またこちらが周りを見渡すように相手側もこちらを凝視していた。それもそのはず彼は突然この街に現れたのだから。
何度見渡しても光景は変わらない。中には魔術師いや魔道士と言うべきなのか者も歩いてる。
この光景を見て山宮黄河は「はぁぁぁぁぁぁ!!!」と叫ぶしか出来なかった。
突然叫び出した見たことも無い人を周りの者全てが見てくる。
そして呟く
「あーこれって異世界転生ってやつか」
その人混みを掻き分ける様に前に少女が前に出てきた。
そして少女は鞘に手をあてながらあ質問してきた
「貴方は何者?顔からして少なくともこの国の者では無いとみたけど。」
彼女は銀髪、赤と青オッドアイのに 輝く澄んでる目、見るものみなを虜にするような美貌の持ち主。
だがそれとは裏腹に少し鋭い声で少女は聞いてくる。
ここはとりあえず話をしてここがどのような所なのか、知る必要があるとそう判断して
「旅をしている者で今さっきこの街に着いてな戸惑ってた所だ。良ければこの街について教えてくれないか」と戦いの意思が無いことを見せる
それを察したのか少女は鞘から手を離し、
「まだ貴方が何者かわからない以上不振な行動は謹んで。私お気に入りのカフェがあるわ。そこで話を詳しく聞かせなさい」
そう言うとカフェまで案内を始めた。
「まず聞きたいわ。貴方の名前は?出身国はどこ?誕生日は?」
「一気に色々聞くな一つ一つ答えるよ。名前は?山宮黄河」
名前を言った瞬間彼女の手が鞘に掛かった。
「なぜ嘘をつく!私はこれでも平民を守る貴族だ」
と彼女は少し息を荒らげながら問う。
僕にはなぜ怒りそうなのか理解が出来なかった。ただ名前を答えただけなのに。
「待てよ。なぜそんなに怒ってる?」
「この国の者はみな名前は3個からなっている。私の名前はフィーラ・ルーン・カリス」
続けて彼女が言ってくる
「あなたのプロフィール見せなさいよ。」
「プロフィール?なんだそれはどこにある?」と言った瞬間目の前にプロフィールが現れた。
そこの名前の欄を見て驚愕する。名前が変わっているのだ。鏡を見てなかったこともあり、気づかなかったが容姿も変わっている。
「すげーこれがプロフィールか。」
と1人驚いてると彼女が「で名前は?」と聞いてくる。その声にはさっきの様な言い方ではなく、とても優しい言い方であった。
「えーと、ザリウス・ムーン・ジークとありますね。」
割といい名前で気に入っていると、彼女「もう一度言ってと言ってくる。」
「だから、ザリウス・ムーン・ジークですって」
すると「あなたはさっき旅をしてる者と言ってたけどそれも嘘ねと」僕の嘘を一瞬で見抜いてきた。
それに続けて
「あなた異世界人でしょ」
と言ってきた。
言葉がでず3秒程沈黙が流れたあと再び彼女が
「まさかほんとに居るだなんて」と驚きと喜びのような声で言う。
「なんで異世界人だと分かった」
思った事をそこのまま喋った事を軽く後悔するが理由が気になるので訂正しないで聞いてみる。
「○○・ムーン・○○となる者は異世界人しか居ないわ。」
なるほどと心の中で納得する。
だが疑問はまだある
「じゃあ他にも異世界人が居るのか?」
「いや居ないわ歴史上今という事実は書物でしか残っていないの。だがムーンと付く名前の者はここ最低1000年間生まれてきてないわ。」
彼女は続ける
「そして記録には魔力値、剣才、頭脳、全てにおいて劣っている劣等種と言われてるわ」
「なるほど。僕のステータスはどうなってるんですか?」
「まだ検査した事無いだっけ?なら今からしに行こっか!」
そう言ってフィーラと一緒にカフェを出て再び歩き始めた。
その教会に向かっている途中にも色々な事を聞いた。今この国は悪魔達の軍勢に脅かされているということ。この国が悪魔に侵略されると他の国の崩壊も進んでしまうこと。だから何としてでも食い止める必要があるということだ。またここはこの国の首都アネモイとい所らしい。
着いた所は大きな教会のような所だった。
装飾も凝っており絵画などが所々に飾ってあったり天井には大きなシャンデリアが惜しみなく飾ってあり、この国の重要な場所だとひと目でわかるほどだ。
「着いたわ。」
フィーラはそう言って説明を始めた。
「まずここに名前を登録して」
言われた通りに名前を登録する。
「しました」
「じゃぁ次はその水晶に手をかざして見て。その水晶の光が強い程魔力値が高いわ。さぁやってみて。」
フィーラに言われた様に水晶の上に手を翳す
「こんな感じですか?」
「そうよ。そんなかんじよ」
翳しているうちに水晶の光が強くなっていく。
直視することが不可能になり始めた時、水晶に突然ヒビが入り始めた。その瞬間水晶はガシャーンと大きな音を立てて割れた。
あまりに突然の出来事に2人はなんの言葉も出てこなかった。
少ししてからザリウスが「僕の魔力値はいくつですか?」
とフィーラに質問する。
フィーラは戸惑いながら答えた
「分からないわ。でも国にを変えるだけの力は少なからずあるはずよ。」
「そんなに強いんですか?」
「当たり前じゃない。どんなに魔力値が高い人がやっても水晶が割れるなんてこと1度も無かったもの。」
それを聞いて少し自分の力の強さに驚く。
「でも魔力値あっても何すればいいんですかね?」
「そんだけの力があるなら誰かとコンビ組んで見たら?」
「誰かと言われてもまだこの世界に来て話したことあるのフィーラさんだけですし」
「そうね、なら私とコンビを組みましょ!」
と可愛い笑顔で言ってくる。
可愛すぎる。と心の中で叫びながらも言葉にはしない。
「でも僕まだ魔法の使い方が分からないんですけど...」
「それなら大丈夫ですよ!私がみっちり教えてあげるわ。」
冒険者ギルドに来た2人はザリウスの登録を済ませ、早速魔法の練習を始めた。
「まずは詠唱をしてみましょ」と言うと彼女は「フライ」と言いうと彼女は宙に浮き始めたのだ。
僕が関心してると「さあ、あなたもやってみて」と言う。
出来るか不安だがザリウスはフライを詠唱する。
その瞬間彼は色々な方向に飛び始めたのだ。
上に行ったり横に行ったり回ったりと飛んでいる。
聞こえてくるのは「いやぁぁぁぁ」と言うと彼の叫び声のみ。
それを見てフィーラは思わず笑いを堪えきれなかった。
だが流石につらそうなのを見たフィーラはフライで暴走してるザリウスを捕まえた。
はぁはぁと息をあげる。
「1つ言い忘れてたけどフライとかの第1位界魔法はデイスペルと唱えると効果が切れるわよ。」
その言葉を聞いてザリウスは「なぜその大事なことを先に言わない危うく死ぬかもしれなかったんだぞ。」
と言う。
そんなザリウスを見て「ごめんごめん」と天使と言われても誰も否定しないような笑顔で言われてザリウスの気持ちも落ち着く。
「聞きたいんだが第1位界魔法ってなんだ」
「第1位界魔法はフリーズ、フライ、ヒール、ファイアー、ディスペル、の5個があって、水晶が少しでも光ったものなら大体が使える魔法よ。他にも第2位界、第3位界、第4位界魔法までが人間が使えると言われてるわ。」
「誰にでも使えるのか?」
「そうでも無いわ。第2位界まで使える者は結構いるわ。けど第3位界魔法となってくると話は別よ。
第4位界魔法なんて使えるのはこの私だけよ。」
彼女は少し誇らしげにそう言うと
「けどあなたの魔力値はとてつもないわ。その魔力値をいかに制御出来るかが鍵になってくるわ。」
「了解です。先生」
「先生?まあいいわ、まずは魔力操作の感覚を掴みましょ」
「はい!」
からかうつもりで言ったが満更でも無い様子。
「第1位界魔法は魔法の能力をイメージ出来れば直ぐに使えるわよ」
そう言われるので1番イメージしやすいファイヤーを使ってみることにする。
第1位界魔法はそのまま唱えれば使うとことが出来る為簡単だ。だかその分威力が低い。
ザリウスが「ファイヤー」と唱えると魔方陣から炎がいき良いよく飛び出していく。
第1位界魔法の為威力や熱さはそこまでだが十分普通の人は死ぬレベルだろう。
「す、すげーこれが魔法か」
「そうよこれが魔法よ。あなたには第4位界間での魔法を全て覚えてもらいこの世界を救ってもらうわ」
「・・・えぇー!?」
突然の世界を救って貰う宣言に戸惑っていると、
「だからあなたに世界を救ってもらうのよ」
「いやそれは分かりましたけど、なんで僕なんですかー」
普通に考えておかしい。まだこの世界に来て1日目の男に世界を救えだの。
「だって本にある日突然現れた異世界人はその人並み外れた力で世界をお救いになるだろうって」
「いや絶対それ嘘だろ。だってさっき異世界人は、劣等種とか言ってたじゃん」
「そんな細かいこと気にしてたらこの世界は終わりよ終わり」
「いやその細かいのが大事なきが」
言い終わる前にフィーラが
「まぁ貴方はこれから劣等種だの言われるかもしれないけど、世界を救うために私と頑張りましょ」
「その劣等種って言われるの地味に嫌なんですけど...」
「大丈夫よ。劣等最強のあなたと優等の私ある意味最強のじゃない。」
うぅと言葉に困っていると
「そろそろ暗くなってくるから終わりしましょうか」
と半ばの強引に話を変えてきたが、空を見ると夕日が空を赤く染めており、カラスのような鳥も空を鳴きながら飛んでいる。
「そうですね」と頷き街に向かって2人は歩き出す。