次こそはかならず
-このままじゃ...僕は...のこに...頼まれたんだ...
死にそうなうめき声で生きるために本能で呼吸するも上手く吸えてない体で彼はもがく様に言った。
体に力が入らない。
そして熱い、痛みなど一つも無い。あるのは熱さだけ。
呼吸しようとするだけで血反吐が出て咳き込む。
そんな血の海のような所で呼吸をしようとするが出来るはずもなく、血の気泡がごぽごぽと音を立てながらできる。
体の血が全て流れ出たような錯覚に陥りながら原因を思い出す。
記憶を少し前にすると忘れていた記憶を思い出しどうりで熱いわけだと納得する。
俺は戦っていた。仲間を助けようと油断したすきに魔法を不意打ちで貰ったのだった。
その時にあばら骨は半分以上折れ、片足片手折れていた。そして全身には見るに堪えない酷い怪我。
だが追っては来ていない。不幸中の幸いとでも言うべきか。
回復魔法を使っても遅いだろう。そう察した瞬間意識が遠のいていくのを感じる。
そんな中考えているのは自分の事ではなく彼女の事だった。ただ彼女が無事であるその事を祈るばかりだった。彼女の身代わりになったのだと思い最後に自分を勝手に褒める。
突然血の海がまた生を受け入れた。
その正体は遠くで戦っているはずの彼女だ。
魔法の衝撃で飛んできたのだろう。
僕と同じかそれ以上の怪我をしているようにも見える。
治癒魔法を掛けようにもそんな力残っていない。
だがまた追ってはこない。他の人と戦っているのだろうと自分勝手な分析をする。
最後の力を振り絞り彼女に声をかけようとすると彼女の方から「ザリ...ウス・・・」何か言おうとしてたのだろう。
だがその言葉は発せられずに気を失った。
そしてザリウスも彼女の声を聞いて再び血をすすりながら体内に入れた空気をだしながら「次は...かならず」そう言うとザリウスの目のは閉じていた。