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用事を済ませに

 あれから頼とディースと一緒に暮らし始めた。


 島の人々は、「時計台から化け物がいなくなってよかった」と嗤った。

 頼もディースも、オレに石を投げられると、石を投げた奴に叱ってくれた。

 その度に、島の人々は頼とディースに反感を買っていたので、オレは心配になっていつもそわそわしてしまっていた。


 島の人々は頼とディースに直接言わず、オレへと恨み辛みの視線を投げかけていた。

 もういい、大丈夫、と二人に言い続けた。二人のために笑顔だって覚えた。

 だが二人は、オレの「二人のための笑顔」は大嫌いだったようだ。理由は簡単、「二人に嬉しいよと伝える笑顔」じゃなくて、「大丈夫だと嘘をつく笑顔」だったからだ。

 そんな風に止めようとすると、二人は怒り始めるので、間違いなく頼とディースは血が繋がっているのだと思って苦労していた。


 二人とも「千鶴が我慢するな」って怒っていた。



 この日、オレは頼の用事に付き添っていた。ディースがいない間の用事だったので、ディースに言わなくていいのかと疑問に思ったが、頼は「大丈夫だ」と言っていたので気にしないでおこう。頼と一緒に船に乗った。目立つからといって、オレは帽子を被っていた。大きなつばのついたもの。


 島から島へと乗り継ぐのに、漁船を利用していた。乗る船はカシラ号。

 船が止まる港に出る。カシラ号のスタイルを見れば判る。カシラ号は他の船と違って、少し洒落っ気があるのだ。

 でも、それは客寄せのためではなく、船にとって素晴らしいと言われる機能が多々ついていたためだ。


 カシラ号は二級船舶で、十二トン。漁船にはナンバーやアルファベットがついている。敷網漁獲をしていて、昼間は仕掛けをしたり、釣り師を案内したりする。他の離島はダイバーを案内するが、カシラ号だけは、ダイバーお断り。

 集魚灯、自動イカ釣り機を刺網漁業ことネット・ホーラーに増設している。

 汐淡島ではカシラ号の場合、イカがよく釣れた。他の漁船や離島は、夜光貝やシャコが捕れる。魚は島で網元の意見により、平等に分けられる。


 イカを任されたカシラ号の目標の漁獲量は、いつもパーフェクトで、漁師の頑張りを網元は認めている。

 多く捕りすぎない。調子に乗ったりもしない。

 一見したところでは、ただの個人船だが、他の船をOLとするなら、カシラ号はパリジェンヌのモデルみたいな差だと、漁師はその全てを熱く語ってくれた。オレが誰なのか興味はなく、ただ頼に対して自慢の船をアピールしたいようだった。


 頼に己がどれだけ凄い漁師なのかと、注目させようとしているのが何となく判った。

 頼は、愛想笑いに見えない笑顔を浮かべて、ただただ漁師の話を聞いていた。


 カツオドリが港の付近を飛んでいて、少し群れている姿は気持ち悪い。

 頼とオレはカシラ号に乗って、汐淡島より少し大きな島へ着いた。


 汐淡島と違って、アスファルトの地面が多い印象だった、ぼんやりと遠くにある大きな建物を見つめたり。時々走る車にびくっと怯えると、頼は笑った。


「車を知らないのか?」

「存在は知っているが、実際見たことはない」

「珍しい人種」


 オレがおっかなびっくりで車を見つめ続けて怯えていると、頼は無言で「ついてこい」と促した。オレは帽子を片手で押さえながらついていく。

船の情報は多分間違えてる(きりっ

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