転入生の性格が分からん!
村近さんのキャラクターが、好きな人は、コレを読んで、もう一度考え直すといいかも?
朝の会が終わって、私は少し村近さんと話をした。
「あ、あのー」
「何でしょう?」
こ、言葉遣いがお嬢様!
「わ、私、かしみやって言います」
「あー!あれって、かしみやって呼ぶんですね!」
「は、はい」
「私は、村近です。好きな色は若草色です」
わ、若草色!?そ、それは、黄緑色ではないのか?
「わ、私は、水色が好きですね」
「空色ですね。綺麗ですよね」
そ、空色……。色鉛筆とかにたまに空色って書いてあったりするけど、日常会話で使う人は初めて見た。
「村近さんは、趣味とかありますか?」
「趣味ですか……。犬の散歩でしょうかね」
犬を飼っているのか!
「犬種は何ですか?」
「チワワとトイプードルです」
に、二匹だとぉ!?こ、これはかなりのお金持ちだ。そして、二匹とも女子に大人気の犬種!
そんなことを考えているとチャイムが鳴った。一時間目が始まる。
「あ、それでは、また後で」
村近さんが、前を向く。私もちゃんとしないと。他の人達も自分の席につく。ガラガラ、と扉を開けて入ってきたのは……!な、なんと、校内一恐いと言われている、数学の田村先生じゃないですか!な、中山先生は?私だけででなく、クラスメイト全員が驚いている様子。
「おらぁぁ!ざわめいてんじゃねぇぞ!中山先生は、急用が入った!だから、俺が担当する!」
す、全ての文末にビックリマークがついている。周りを見ると、皆固まっている。そりゃそうなりますよね。村近さんはどうかというと……。
うつ伏せになっている。もしかして、寝てる!?この状況下で!?そりゃ、入ってきたばっかりだから、先生のこと知らないとしてもさ、危機は感じるでしょ!
「村近さん、起きなきゃヤバイよ!」
小声で言うけれど、
「……」
はい、無反応!寝ていること決定!
「おらぁぁ!転入生!」
気付かれたぁ!!絶体絶命だ!村近さんが眠たそうな顔で前を向く。そして、状況を把握。
「はい!何でしょう、先生?」
「俺の話の時に寝てただろ?」
「ね、寝てません!」
ひ、否定しちゃったよ!いや、アレは寝てたよ!起きた時の顔が何よりの証拠だよ!
「じゃあ、何してたんだ?」
「に、日本の経済について考えていました」
クラスの皆の目が点。む、村近さん。それは無理がある。いや、逆にぶっ飛びすぎていて、尊敬するぐらい。普通の人なら思いつかない言い訳だね。先生もまさかの言い訳に戸惑っている。
「お、おぉ。そ、そうか……。なら、いい」
な、な、な、なー!?あの田村先生が負けただとぉ!?す、凄い、凄すぎるよ。というか、怖すぎるよ、村近さん……。