私のライバル登場。
私には、ライバル的存在がいる。
私はその少女のライバルになんて、全くないのだが。何かと争ってきたり(毎回勝手に仕掛けて、勝手に負けていらっしゃいますけど)、嫌味を言ってきたり。ハッキリ言って、とても面倒くさい!何がしたいのか、さっぱりだ!私、恨まれるようなことしましたかね?してませんよね?……多分。私にそんな心当たりはないですけど?……忘れているだけかも。ど、どっちにしても、人に嫌味を言うような人はね、酷い目にあって、後悔するのがお決まりなんですよ!や、やめといた方が身のためじゃないですかね?
「ごきげんよう、柏宮さん」
後ろから声がした。ゆっくりとたっぷりの間を使って振り向くと、今さっきまで、ケチョンケチョンにしていた少女の姿が!ヤバー!汗が頬を流れていく。く、口に出してなくてよかった。というか、敵の接近に気付けぬとは、老いたな。……私、何をやっているんだ(一人ボケツッコミ)。
「汗をかいていらっしゃるのね。今日も庶民の使う自転車でいらしたの?」
方唇をあげてふっと笑う少女。全国の自転車通学生に謝れー!自転車はなぁ、偉大なんだぞ!歩くよりも楽なのに、足腰鍛えられるんだから!というか、あなたは一体誰なんだ?王族か?貴族か?宮殿ぐらしかっ?庶民と言ったな?庶民ですけど?庶民で何がいけないのかな?えぇ?はっ!怒りすぎて、「必殺:機関銃質問攻め」が発動してしまった。そして、この少女のことを紹介してなかった。
この私のライバル的存在であり、毎朝リムジン乗ってきている(本当です)少女の名前は小柳遥華。大手自動車会社社長の一人娘。お金待ちだ。裏と表が、ハッキリしている人。美人だから、学校のアイドル的存在だ(私のライバル、皆のアイドル)。
「オハヨウゴザイマス」
全く心のこもっていない挨拶をする。すると、小柳さんが、
「転校生がくるらしいわよ。あなたの前の席にね」
と言った。ま、前ー?え、漫画とかで転校生と言えば、一番端の一番後ろの席と決まってませんか?そういう法則じゃないのですか?
「一番後ろが嫌だったらしいわよ」
やっぱり、理由があったのか!
「それと」
小柳さんが、ゆっくりとたっぷりの間を使って言った。
「とーっても、変わり者らしくってよ」
オホホホと言って去っていく小柳さん。あなた、嫌われ役決定になっちゃいましたよ。
「変わり者か……」
汗が頬を流れていく。