三つ目の人格、登場!
私は追われていた。
私を追っているのは、大量の父である。
「唯奈ー!俺の道具を使ってくれー!」
「便利だぞー!」
「持っていっても、きっと大丈夫だ!」
とか、あーだこーだ言ってくる。もうっ!
「うるさいっ!!」
目が覚めた。
白い天井が見える。体に布団の感触。ベッドの上であろう。ここは、保健室?そういえば、私、気絶したんだっけ?……ダサい。ガーン。で、でも、あの状況では仕方ないよね?
右横に人の気配がした。
村近さんがいた。びっくり顔だった。あー、急に叫んだからか。村近さんが口を開く。
「ちょ、急に、変な声出してんじゃねーよ」
村近さんらしくない低音ボイス、キツイ口調。目つきも悪い。これは、もしかして、
「三つ目の人格!?」
何故か、叫んだ。すると、三つ目の人格は、不機嫌そうに
「三つ目ってなぁ。順番なんかねぇし。出てきた順番は二番目だかんな」
と、言った。
「あ、すいません」
こ、こいつ、村近さんとは違って、人をイラつかせる能力を持っている。
「それに、俺には俺の名前がある。俺の名前は神宮幸也。神様の神に、お前の宮と同じ字。そして、幸せによく名前に使われる也で、神宮幸也だ」
最後、テキトーか!よく使われる也て!分かるっちゃ分かるけども、よく使われるて!
「気軽に、神宮様、と呼んでいいぞ」
うわー。こいつ、ありえへんわ!一生呼ばないからな!
って、よく見たら、自分で言って、恥ずかしがってるし!顔が漫画みたいに赤くなってるし!恥ずかしいなら、言うなよ!
「い、今のは、冗談だからな!そのくらい、分かれよな!」
あ、訂正するのね。
ってか、やけに運動場の方から声がするな。体育の授業中か?
「ねぇ、今何時?」
そうね、大体ねー。なんちゃって。
「何時ってなぁ。昼休み。」
「そうかー、昼休みかー。って、えぇ!?」
昼休みって、わ、私、三時間寝てたってこと!?眠かったからかな?いやいやいや、昼寝でもそんなに寝ないし。昨日、寝るのが遅かったとか?いや、普通に七時間睡眠だったぞ!?
「お前、いくら、幽霊を見たからってよー。普通、すぐ起きるだろ」
「そ、そうかなぁ?……って」
「やっぱり、幽霊だったのぉぉー!?」




