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私って、不幸でしょうか?  作者: 粉巻 まひる
第一章 謎の転校生
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村近家はすごかった。

やっとマリアの話が終わり、ホッとしていた私に、


「掲示、終わったのか?」


と、背後から田村先生の声。い、い、い、いつの間に!?


「終わりました」


と、こちらもいつの間にか普通の人格に戻っている村近さんが答える。それを聞いた先生は「なら、帰っていいぞ」と残して去っていった。

ふぅー。焦ったー!急にいるんだもん!影薄いのか?いやいや、あの田村先生に限ってそんな訳ないよねー?ということは、私が鈍感なだけなのか!ぐはっ!


「一緒に帰りませんか?」


ニコッと笑って村近さんが言う。


「あ、全然いいですよ」

「良かった!」


手を打って喜ぶ村近さん。大袈裟な気が……。


「村近さんは、家はどこなんですか?」

「遠いので、車です」


く、車!?じゃあ、一緒に帰るって、校門までってことですか!距離短っ!


「車ですか……。」

「はい。家まで送りましょうか?」

「いえいえ。自転車なんで」

「そうですか。リムジン、広いから一人だと寂しいんですよね」


この子、さりげなくお金持ち発言したぞ!自慢なのか!?いや、小柳さんならまだしも、村近さんに限って、そんなことをするわけないか……。って、会ってばっかりですけどね!

私達は、教室から校門へと歩き始めた。


「柏宮さん」


村近さんが急に話かけてきた。


「は、はい?」

「私が三重人格だということは……」


言わないでって、ことですね。


「両親も知っているんですよ」


予想外れたー!逆かもな、とは思ってたけど、それすらも裏切られた!そして、両親認めてるのか!この子、大丈夫かしら?みたいになっているんじゃないの、それ!


「両親はこのことを知ったとき、すごい!と思ったらしいです」


マジかっ!?すごいな、村近家!その発想がスゴイわ!


「両親はこんな変な私を、受け止めてくれました。本当に感謝しています」


おっ!いい話だ。真面目に聞こう。


「柏宮さんもです」

「私が?」

「気持ち悪がらないし、信じてくれたじゃないですか」


どの感情よりも、驚きが勝ってたからね。


「嬉しいです」


じーっと、嬉しそうに村近さんが私を見つめる。


「よ、良かったです。トホホ」


なかなか、真っ直ぐに褒められたりしたことがなかったので、どう反応したらいいか全く分からず!

気がついたら、校門まで来ていた。

あっ、校門前に映画とかでお金持ちがよく乗っている車がある。あれ、なんていうんだっけ?リムジンか。

……。え、マジで?え?ちょ?初のご対面なんですが?ま、マジだったのか!マジで止まってるんですけど!?人生で本物を見れる人は少ないだろうから、拝んでおこう。南無阿弥陀仏……アーメン。


「では、私はこれで」


そう言って、村近さんがリムジンに乗り込む。私は呆然としながら、手を振っていた。

ブーン。リムジンが走り去る。うん、やっぱり長いからなかなか視界から消えないなー。……。今日、私は死ぬかもしれない。色々ありすぎて死ぬかもしれない。

そう思ったので、用心しながら、私は自転車置き場へ向かった。




「か、鍵が無い!?」


言葉通り、自転車の鍵が見つからない。落としたな、こりゃ。頭をかく。どうしよう。そう思っていたら、背後からとても強い風が吹いた。振り返るが、特に変わった様子はない。前を向き直すと、自転車のサドルに鍵が置いてあった。え、と、最初からあった感じ?いや、いくらバカでも、それはない。てことは?




「しっかりしてよね」




少年の声がどこからか聞こえた。頭をブンブン振って辺りを見回してみたけど、誰もいなかった。


「なかったことにしとこうかしら。トホホホホ……。」


そのとき、私の顔はとても引きつっていたと思う。

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