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§1

初めてなので至らぬ所が多々あるでしょうが、お許し下さい。



§1 降臨せし堕天使




白。この空間を表すのにもっとも簡潔で、もっとも明確な言葉だ。


見渡す限り一面の白。純粋な白。そこには、既に色という概念は存在しない。


天上界。


そこは、神や天使のみが存在することを許された、純白の世界。ここには、濃さの違いはあれど、建物も、人も、空も、すべてにおいて病的なまでに白しかない………はずだった。


今、その純白の世界は………


黒い炎によって、侵食されていた。




「ヌッフフ~、どうだ?自分の産まれ故郷の今の姿は?」


「…別に」


面倒くさい奴だ…。


漆黒の六枚羽を持った男、ユーフェリア・エルンはそう思った。


黒く燃え盛る白亜の街。彼ら二人は、その上空に浮かんでいる。


「でも、5000年間戦争が無かったからって、白皇騎士団もここまで平和ボケしてるとは思わなかったにゃ~、ユーリもそう思うでしょ?」


二枚の巨大な翼を生やした男、ブレアがそう言う。


ユーフェリア―-ユーリも迷うことなく、

「ああ」と返事をする。


白皇騎士団。それが天上界を守護する軍隊だ。


とある出来事で勇名を馳せた彼らも、街を守る為に戦ったが、今ではほとんどの兵士が見る影も無い肉塊に成り果てている。


「もう陥落するのも時間の問題だな…」


ユーリはそう呟くと同時に、念話を部下へと繋げる。降伏勧告を行うためだ。


『リン、ナナ、聞こえるか?』


『『はい、我が主様。』』


ユーリの側近である二人は、彼のもっとも信頼している部下だ。今回は彼の命を受け、前線で指揮をとっている。


ユーリは、彼女らの無事に内心安堵しつつも、それを表には出さずに命令を下す。


『奴らに降伏を促せ。もう勝ち目は無い、抵抗しても無駄だ、いたずらに死んでいくだけだ、とな。』


『『了解しました。』』


(まぁ、応じはしないだろうな。奴らは無駄にプライドが高い…。その無駄な自尊心さへなければ、こんな事にはならなかっただろうにな…。)


ユーリの元に報告が届いたのは、それから5分が過ぎた頃だった。


『主様。』


『…リンか、結果は?』


『…交渉は決裂しました。勧告を伝えた瞬間に、残存していた兵力全てと思われる部隊がこちらに向かって来たので、やむおえず殲滅しました。……申し訳ありません。』


『……いや、仕方ない。後始末はブレアの部隊が行う。撤退しろ。ナナにも伝えておけ。』


『了解しました。』


ユーリは、自分の予想が当たってしまったことに深い落胆を覚えつつも、作戦が終了したことをブレアに伝える。


「ブレア、敵の殲滅が終了した。俺は先に帰らせてもらう。後は頼んだ。」


「あいよ~、おつかれ~。」


ユーリは、今は焼け野原と化した自分の産まれ故郷をチラリと見てから、転移魔法を発動した。


行き先は、魔界。


魔属と呼ばれる者達が住まう、漆黒の世界。

次話は今週中に投稿します。もっと1話ごとの文字数多い方がいいのかな…?


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