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生まれ直した令嬢は二度目の生をわがままに突き進む  作者: 三毛猫みゃー


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第43話 交流

 改めてあたりを見回すと、私たちの行動を見たためかちらほらと集まりができ始めている。男の子は特にこれといった法則性は無く、気が合いそうな物を直感的に見つけて話しているように見える。


 いっぽう女の子には、二つのパターンが有る。それは同じ髪色での集まりか、親が同じ爵位の集まりになる。髪色で集まるのはわかると思う。同じ属性ということは家の関係や派閥が近いことが多い。こちらはどちらかというとおとなしい性格の者が多いのだろう。もう一つの親の爵位での集まり。こちらは活発なものや社交性の高いものが多いイメージになる。


 ちなみに、爵位の違いをどう見分けるかというと、服の色がそれを表している。私のように火に適正のある家柄だと髪が赤い、そして今日着ている服も真紅といった感じになる。この国では女性のドレスは髪色に合わせた色が使われている。


 昔からの伝統というものになる。そしてこの色の使い方で爵位を示すことになる。我が家は侯爵家なので濃いめの色になる。そして爵位が下がるにつれてドレスに使われている色が薄くなっていくのだ。


 正直ドレスの色などは好みでいいとは思うのだけど、伝統と言われてしまえば仕方がない。まあわかりやすいといえばわかりやすいのだけど。


 そういうわけで、ドレスの色を見ればその者の爵位がわかるということになる。ちなみに男性にはそういう縛りはない。まあ、男性が真紅やら黄色や緑の物を着ていても微妙な気分になるだけだろう。


 改めて目の前にいる三人に視線を向ける。ステイシー・グレイス。黒い髪を腰上まで伸ばしている。足首辺りまでの丈の漆黒のドレスを着ている。ドレスには星のようにキラキラと光りを反射するような工夫がされている。


 クルーシュ・ヒューラル。緑色の髪をひとまとめにして背中に流している。笹の葉のような耳をしていることから、今世ではエルフの血をひいているのだろう。膝下まであるスカートと足全体を覆うような白いソックスが印象的だ。


 ルービィラ・ブロイド。私に対してもおじなく最初に声をかけてきた。茶色い髪に茶色のドレス。ふわりと膨らんだスカートをしていて、頭の高さが私の方くらいまでしか無い。前世ではどうだった思い出そうとしてみたけど、印象があまり残っていないようでよく思い出せない。元気っ子だということはわかるので今はそれでいいだろう。


 ここにはいないがあと一人ミーティア・シーベルがいればリセ恋で攻略対象たちの婚約者が揃うことになる。ただミーティアだけは隣国の貴族なので今日会うことは出来ないだろう。


 それにしても、ルーヴィラはよくこうもピンポイントで彼女たちを集めることが出来たのだろうか? もしかすると彼女も前世の記憶を持っていたりするのだろうか? もしそうだとすると私が含まれているのは不思議ではある。


 一つ前の世界だと私は生まれてすぐに死んでいる。そのことをルーヴィラが知っているわけはない。仮に前世の記憶を持つのなら、接点の無かった私を誘うとは思えない。そう考えると、結局は偶然ということになるのだろう。


「あらためて自己紹介は必要かしら?」

「必要ないのではないかな。なんだか君たちとは長い付き合いになりそうな予感がしている。ここで家の爵位がどうのというのは面白くないだろう?」

「それもそうですわね」

「わたしはどっちでもいいよ」

「わたくしも気にしませんわ」


 全員が立場など気にせず友誼を結ぼうとしてくれているようだ。まあ、ドレスの色味を見ればこの四人が上位貴族の娘だと言う事がわかるので気にする必要がないとも言える。


「このまま立っていてもなんですし、あそこの席をお借りしましょうか」


 私は空いている四人がけのテーブルを指し示してそう言った。


「そうだね。ついでに食事もちちゃおう」


 ルーヴィラがお腹が空いたというように、お腹に手を当てている。


「ビュッフェタイプというのかしら? こういう食事ははじめてですからどうしたらよろしいのかしら?」


 クルーシュが頬に指を添えてこてりと首を傾げている。うん、あざといが子どもということもあって可愛らしい。


「私も初めてだが、周りの大人たちを見るに好きな物をよそって食べているように見えるね」


 ステイシーは周りの大人たちの行動を見て結論にたどり着いている。観察力が高く頭の回転もいいのだろう。


「ええ、それで合っていますわ。ただ私たちの場合は」


 近くに控えている給仕役の執事に声をかけて、お任せで食事を運んでもらうように頼む。飲み物を聞いてきたので、それぞれが好きなものを注文した。


「こういう風に頼めばいいですわ。さ、席を確保いたしましょうか」

「ふぇー、ロザリアは慣れているんだね」


 ルーヴィラが尊敬するような目線を向けてくる。慣れているというよりも、前世の記憶名だけなのだけど、そう答えるわけにはいかないので「なんとなくわかっただけですわ」と曖昧にはぐらかしておく。

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