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生まれ直した令嬢は二度目の生をわがままに突き進む  作者: 三毛猫みゃー


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第27話 聖女がいなければ

「話を戻します。ステイシー様の性格は良い言い方をするなら物静か、悪い言い方をするなら暗いとなっていました。行儀作法については公爵令嬢ということで完璧のようです。交友関係は、他の三人の悪役令嬢とは幼馴染ということになっています」

「それもまだ今からなら、どう性格が変わるかはわかりませんわよね?」

「もしかしてロザリア様がなにかするつもりでいますか?」

「何かというものは決めていないけど、来年のお披露目会で接触してみようと思っていますわ。それは他の悪役令嬢に関してもですけど」


 仲良くなるかは別として、挨拶の一つでもしておくつもりではある。それに黒龍にも興味がある。ルーセリアがいうには、ステイシーが黒龍の守護を得るのはまだ先ということなので、五歳のお披露目会では見れないということだった。


「ステイシー様はこんな感じです。まあ悪役令嬢というのはゲームだと余り登場しないので、実は情報としては少ないですね」

「えと、リセ恋の主人公というのは、聖女ステラでいいのですわよね?」

「はい、聖女ステラになりますね。ただ聖女認定されるのはゲーム終盤ですね。それまではステラとだけ呼ばれていますね」


 聖女ステラ。前世では王子を初め、数多の男性を虜にした。私から言わせればあれこそ悪女と言わずしてなんと言えば良いのだろうかと思ったくらいだ。ただ聖女と呼ばれるようになるほど治癒魔法に特化していたのは確かではあった。


「ステラについては後回しにしましょうか。今から彼女をどうにかするということは出来ませんわ」


 バカ王子と聖女が初めて遭遇するのは十年も先の話になる。そう、貴族学校への入学当日にならないと彼女は現れないはずだ。それはリセ恋でも変わらないようだ。仮に居場所がわかったとしても暗殺など出来るわけでもない。


「それでは次に水龍の守護を持つミーティア・シーベル様に付いて話をします」

「驚いたわ。シーベル伯爵家の娘は水龍の加護を得るのね」

「はい、ちなみに他のお二人、クルーシュ・ヒューラル様が龍の加護を、ルーヴィラ・ブロイド様が土龍の加護を得ています」

「それは、すごいですわね」


 前世では龍の加護をもつものなどいなかったのだけど、一つ前の世界では六龍の内四龍も出てくることになる。ただルーセリアが言う話はリセ恋というげえむの中の話なので、実際は違うのかも知れない。そう思ったので、ティアに一つ前の世界ではどうだったのかを聞いてみた。その答えは「確か火龍以外の五龍が目覚めていたにゃね」と言っていた。


 どうして火龍だけは目覚めていないのか聞いてみたら、ティアには目をそらされた。火龍といえば我が家に関わりがあると思うのだけど。


「ミーティア様はスティール様の婚約者となるお方ですね。クルーシュ様はフランディ様の婚約者で、ルーヴィラ様はグラン様の婚約者としてリセ恋では出てきます。ステイシー様も合わせて全員がステラと婚約者が仲良くなることでルート分岐になるのですが、選ばれなかった残りの三人はそれぞれが幸せに暮らしましたという展開になってました」

「それってステラが絡まなければ誰も不幸にならなかったのではないかしら?」

「そういう考察も出ていましたね」

「考察とは何かしら?」

「あー、リセ恋というのはですね、多くの人がゲームとしてプレイしていたのですが、先ほどロザリア様が言ったようにステラがいなければご令嬢の誰も不幸にならなかったのでは? と考えた方々がいたのです」

「そうですのね。やはり今のうちに殺しておくべきかもしれませんわね」

「流石にそれは……。それに居場所がわからないので。それにステラがいないとイベントが起きなくなってスチルが見れなくなるので出来れば生かせておいてほしいところです」


 まあ、殺してしまえばそれはそれで困る事態が起きるかも知れない。ただでさえ私の行動によってお父様とお母様が生きている。そのことで前世とは世界の進みや流れが、今では変わってしまっているはずだ。


 既に変わっているなら何をしてもいいのでは? とも思える。それに私の前世と一つ前の世界、そしてリセ恋の世界、その全てが同じではなくどこかでズレがすでにあるように思える。


 そもそも前世では人間しかいなかった。一つ前の世界では獣人が、そして今世ではエリフやドワーフなどの物語の中だけにいる種族が増えている。そういうことも合わせると、前世どころかリセ恋の世界ですら当てにならないとも思える。


 それにもしかすると、ステラが現れないなんて可能性もある。それに四人の令嬢も性格などが変わる可能性も。そしてリセ恋の男性陣と婚約をしないなんてことにも出来るかも知れない。そこは実際に出会う来年のお披露目会で仲良くなれるかにかかっているのかも知れない。


「そう言えば、火龍と光龍はリセ恋ではどうなったのかしら?」

「火龍はよくわからないままでしたね。そもそも攻略キャラに火の属性がいなかったので、後日発売される予定だったファンディスクに期待をしていたのですけど、結局発売前に私はこの世界に来てしまったので」


 ふぁんでぃすくなる聞き覚えのない単語がまた出てきた。どうやらリセ恋の物語には、後日譚なる物語が追加であるようだ。そして火に対応した登場人物の物語がそこでは語られるのではないかという話のようだ。


 そもそも、火は我が家が担っているので、我が家以上に火に特化した家はこの国にないはずだ。そうなると他国になるのだけど、流石に他国の事情まではそこまで精通していない。逃亡生活の間様々な国を渡り歩いたけど、その辺りは全く気にしていなかった。


 もし一つ前の世界で私が生きていれば私がその悪役令嬢だったのだろうか? 実際は魂が中にないために死んでしまい、その代わりが選ばれることもなく世界が進んだ。その結果リセ恋の物語もそのまま作られてしまい、火に関する登場人物が居ない状態になったのではないだろうか。


 そもそも前世では、四大公爵家の子息とは対して仲が良くなかった。いや、なんとなく絡んでくるなーとは思っていたのだけど、興味がなかったので無視をしていたともいえる。


 それに、その子息たちに婚約者がいたかなんてものも覚えていない。結局バカ王子を初め、公爵家子息にその婚約者である令嬢たちに関しては、五歳のお披露目会で様子を見るくらいしか出来いだろう。


 そして本格的に関係を築くのは貴族学校に入ったあとになるのではないだろうか。

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