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『真・魔王の眷属』の実力

連続投稿です。

サークライが闘技場で高らかに宣言する。


「ではエキシビションマッチを始めようかね。『魔王の眷族』対…そうだね、こちらは…『真・魔王の眷族』と言ったところだね。」


 魔導王サークライが爽やかな笑顔だ。図ったなこの野郎。


「お主やはり性格悪いなサークライ!これの何処が授業参観なのじゃ⁈」


 リィカの母らしき黒髪の龍姫が言う。なんか騙されて連れて来られたようだ。


「なんだこの観客は⁈ わざわざわしらを呼び出しといて見世物にする気か?」

「いやいや面白いでしょ? 調子に乗ってる我が子達にお灸を据えてやってくださいよ。」


 向こうの龍と鬼とサークライがなんか揉めてるようだ。ハイエルフ…母ちゃんは大笑いしている。


 こっちの様子はというと…リィカもレンもガタガタ震えている。完全に戦意喪失である。そんなに母親が怖いのか…

 てか圧が凄い。なんだこのプレッシャー。例えば俺達がアニメ版ゲッ◯ーチームだとすると向こうは

原作版ゲッ◯ーチーム、そのくらい違う。


ユートは気休めに声をかける。


「みんな怖がるな。元々こんなエキシビション、罰ゲームみたいなもんだ。成長を見てもらう良い機会じゃないか。当たって砕けようぜ。」


 相手は肉親だ。よもや死にはしないだろう…ユートはそう思ってた。


「あ、殺しても構わないよ。 僕が蘇生させるから。好きに殺っちゃってあげて。」


 ニヤつく魔導王。ちなみに蘇生魔法なんて滅多に使える者はいない。それほどレアな技術なのだが。

 …………………死ぬの? 俺ら?

ユートの背筋が冷たくなる。



「では 『魔王の眷族』対『真・魔王の眷族』のエキシビションマッチを行います‼︎ よろしいですか⁈」


 スタジアムの中央にリィカとリィカの母親が立つ。


「さてリィカ。世間知らずのわがまま娘よ。少しは世間の厳しさは身に染みたかの?」

「お嬢様は随分とご成長なされましたよ。仲間の皆様のおかげでございます。」

「どうかの? 仲間に甘えているだけではないのかの?」

「…お嬢様はお変わりになられましたよ。」


 何故かミヤマさんが問いに答える。リィカはあうあうしてる。家庭の事情が垣間見える風景だ。


「ならば見せて貰おう。お前に何が出来るのかをな‼︎」


 リィカの母の瞳が輝き気が膨らみ、ドラゴンに変化していく。肌に黒い鱗が纏われ、龍化したリィカより二回りはでかい黒龍が現れた。


「ギャオオオオオオオオッ‼︎」


 猛烈な咆哮と威圧。半分パニックになって逃げ惑う観客もいるが、観客席は結界で守られていて無事のようだ。どうやら魔導王の結界らしい。ドヤ顔している魔導王が見える。龍の威圧はそれだけで人を威殺すと言われる。それを完璧に防いでいる。徐々に落ち着きを取り戻す観客。だからそのドヤ顔をやめろ魔導王。


 リィカもドラゴン化して対抗する。あっという間にスタジアムが怪獣大戦争と化した。

 

 ドラゴン化と同時に火球を連続で吐く赤龍だが黒龍はかわす素振りもなく平気な顔で受け止める。黒龍麟にはキズひとつ付けられないようだ。


 今度は黒龍が火球を生み出す。黒い色をした炎を纏った巨大な炎を2発、3発と赤龍に放つ。赤龍も負けじと回避さず受け止めるが1発の黒炎球で身体ごと吹き飛ばされ、2発3発と連続して身体にヒットする。かなりのダメージだ。身体強化に結界だって重ねているはずなのに。

 素早さを活かし上空に飛び上がり後ろに回り込もうとする赤龍だが、黒龍はそうはさせじと尻尾に食らいつき引き摺り下ろす。2度3度と地面に叩きつけられる赤龍。エグい攻撃だ。

 赤龍の身体に淡い光が集まる。レンが回復魔法をかけているのだ。そうだこの闘い一対一というわけではない、チームバトルだ。全力で赤龍をフォローだ。


ユートは土魔法でダイアモンド級に硬い石飛礫を作り黒龍の目を目掛けてレールガンで飛ばす。が、届かない。黒龍の結界が破れない。


 レンはひたすら赤龍にバフをかけている。そのレンに闘気弾が飛んでくる。

 避けながらギリギリ当たる手前で双爪で撃ち落とす。


 だが次の瞬間目の前にレンの母親がいた。縮地というやつだ。ほとんど瞬間移動だ。闘気を乗せたくそ重いパンチを連続で繰り出す。

 ユートはレンの前に土壁を作る。が、一瞬の気休めにしかならない。レンを抱えて空中に逃げるユート。そのユートに剣が振り下ろされる。グリュエラの大剣だ。空中で連撃を仕掛けて来る。ユートは『収納』からセラミックソードを取り出し剣技で交わそうとするが一撃で弾かれセラミックソードが吹き飛ぶ。


 詰んでる。 何をやっても通じない。


 グリュエラさんはニコニコ笑ってる。本当に嬉しそうだ。嬉しそうに大剣を振り回す。バトルジャンキーか⁈

ユートは【スタンピード】で苦労して倒した巨猿の首を一発で狩ったハイエルフの姿を思い出す。


 あの笑顔を見てたら次第に腹が立って来た。せめて一矢報いよう。ユートは四柱の精霊を降ろしフィールド上空に霧を発生させる。そして上空の気圧を強烈に下げ、アレを発生させる。


「エルフサンダー‼︎」


 雷魔法はこの世界にない魔法。雷が発生する仕組みを理解して初めて使える。この量の雷撃をこの世界の人間は初見でかわせないだろう。


 何束もの雷が上空から隙間なく降り注ぐ。フィールド全てを塗り潰す勢いで雷が落ちる。


ズガガガガガガガガガガガ‼︎‼︎


 ユートとリィカとレンはすばやく移動し土魔法で作った橋頭堡の側で丸くなっている。

 少しはダメージ食らってくれ、とユートは祈る。


 振動が収まり水蒸気煙が消える。


 その向こうには同じく土魔法で作った橋頭堡の下、不敵に笑う三人の母親がいた。


グリュエラさんが口を開く。


「あたしだって向こうの世界で生活してんだよ。あんたが知ってる事知らない訳がないだろ!! 」

 

 勝ち誇るグリュエラさん。そうだった、母は普通にスマホバリバリ使いこなすし何でもグ◯る。チクショウ。現代日本知識を習得しているハイエルフ、厄介すぎる。


 何か手はないか必死に考えようとした瞬間、縮地でグリュエラさんがユートの目の前に迫り手刀を放つ。本気のグリュエラさんの突きはユートには躱せなかった。


一瞬でユートは意識を刈られた。


「ユート!?

「ユート殿!?」


戸惑うリィカとレンもそれぞれ母親の一撃により戦闘不能となる。


 

こうしてエキシビションは『魔王の眷属』の完敗で幕を閉じた。






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