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衝撃の告白

連投です。次話は明日と言ったな。あれはウソだ。すいません。

 その後『魔王の眷属』はエルダーリカオン15匹討伐を完了したのだが15匹中5匹はユートの風魔法、7匹はリィカの体当たり、3匹がレンのちまちま双爪。課題は山盛りのようだ。



 とぼとぼと学院に戻りクエスト報告。他のクラスメイトも何組かクエストを終わらせたらしく皆興奮気味に戦果を報告し合っている。みんなそれなりに苦労したり新たな発見があったりしてるようだ。


 明日は東の森に行って採取クエをこなそうか。食材もストックしておきたいしなぁ。街に買い出しに行ってもいいな。リィカのコテージ、食材なんもなかったしな。

 どうする?とユートが二人に訪ねると二人ともしょんぼりしてる。

 想像以上に自分の戦闘スタイルが使えなかったのがショックだったらしい。初陣は大抵しょっぱいものだ。


 学内の歓談室で魔王国産のお茶をすすりながら話をする。この国は紅茶も緑茶もある。ユートは緑茶派である。

 落ち込んでいるリィカだがリィカは問題ないんじゃないかな。ユートはそう思えて来た。冒険者は武器を持たないといけないわけじゃないし見た目幼女の【強化体当たり】あれはあれでインパクト大だ。パーティーの個性と言えば通用するんじゃないかな。ただ身体には気をつけろよ、と思う。

 さてレンはどうか。そもそも鬼族の特長から考えよう。他の鬼族はどうやって戦ってる?鍛えた身体に闘気を纏っての格闘が多い?

 ふうん、レンは闘気は纏えるの?纏えるけど闘気を乗せて双爪を奮うとあっという間に体力が尽きる、と。ああ、体力の問題なのか。それはやはり向いていないんじゃないかな?

 …実はユートも体力にはあまり自信ない。エルフの魔法と戦術で誤魔化してると自戒する。だからユートは体力任せの戦闘はしない。

 つまりレンも体力がないならないなりの戦法を取ればよいのだ。鬼らしくないと言うなかれ、戦術は個性に合わせればよいのだ。

 

「レンは毒と爪以外は何が出来るの?」

「毒を使う者の嗜みとして回復・治癒の魔法は使えるでござるよ。」

「は?」

「それとバフ・デバフ・支援補助魔法も学んでいるでござる。」


 なんとレンは超回復系魔法使いであった。


「そう言う事は先に言おうよ!なんで双爪使ってんだよ⁈」


思わず声が出るユート。しかし、青い顔をしてレンは俯向く。そして絞り出すように呟く。


「…だって〜鬼でヒーラーって言うとみんなにすっごい嫌がられるんだもん!鬼らしくないって‼︎」


 突如口調が変わったレン。目が涙目だ。


「嫌がられるって…鬼族にはヒーラーはいないの?」

「…鬼族は闘気至上主義だから肉体で闘えない者は立場が低いんだよ…」


 そうなのか。もしかするとレンは鬼族の里では不遇な目に会って来たのかもしれない。

だけどここは様々な種族が集まるギルド学院だ。


他人と違う技能は長所だぞ。


 「レンはヒーラー専門に固定だ。もしもの時に自分を守る手段として爪をふるえばいい。これからヒーラー用装備買いに行こう。杖とか」


 え?リィカも装備が欲しい?お前要らんやろ。どんな装備より肌硬く出来るんだから。とユートが言うとリィカがぶーたれる。わがままな奴め。後で甘いもの食わせちゃる。

ユートはリィカの扱い方が何となくわかってきた。



 その後街にレンの装備を買いにみんなで出た。


 本人はローブと杖を所望したのでコーディネートを楽しみながら物色する。機嫌は良くなったようだ。

 側から見たらまるでどこぞの女子高生かと思われるはしゃぎ様であった。


「女の子同士のショッピング、楽しい〜」


と言うことらしい。ユートは複雑な気分だ。


「女の子同士か…」


何となく騙しているような気分だ。




 改めて役割を再設定した我ら『魔王の眷族』はひたすらクエストに挑んだ。死に物狂いで挑んだ。


 成績優秀を取らないと授業料免除にならないし、とにかくランクを上げて高評価が貰えるクエストに挑みたかった。


 しかしリィカが入れ込み過ぎている。

 毎回身体のダメージもなんのその、息も絶え絶えで挑むのであまりにも気になってユートはリィカだけを呼び出してつい聞いてしまった。


「どうしてそこまでしてトップに拘るんだ?

龍族の誇りの為か?」


しばらく黙っていたリィカが呟く。


「…魔王に会うんじゃ。会って言いたい事があるのじゃ。…なんで我を捨てたのかと。」

「え…⁈」

「…【異界の魔王】は…我の父上なのじゃ。…」


聞いちゃいけない衝撃の事実!!


ユートはそれ以上何も聞かない事にした。この事はユートとリィカだけの秘密だ。



 一方、鬼っ娘レンも頑張り過ぎて自分の魔力量を超えて強化、ヒーリング魔法をかけては倒れる、を繰り返してた。

ユートが何故そこまで無茶をする? と聞いたらマジな口調の方でカミングアウトを始めた。


「…魔王に絶対に会うんだ…なんで母様と僕を捨てたのか問い詰めるんだ…」


え? えー…え?  

何コレ…? リィカとレン、異母姉妹って事?…

めっちゃドロドロして来た。ううむ魔王何やらかしてんの?


取り敢えずユートは爆弾級の秘密を二つ抱えてしまうこととなった。…この先修羅場しか見えないが。





 今日も我ら『魔王の眷属』は学院内で受けられる最上位の討伐クエストを受注してサバンナとジャングルの境の獣人の集落にいる。

 西には魔王国と余り仲が良くない人間の帝国があるので十分に注意しろ、とこの集落に集まった冒険者が若葉マークのユート達に教えてくれる。

 そう言えば座学で、魔王国は隣の人間の帝国と争って今の国土を奪い取ったと聞いた。

 とは言えこの先のジャングルは東の大森林と並んで安定した資源供給地だ。我々のような学生でも比較的安全に狩れる土地だ。

 

…そのはずなのだが、今日は朝から空気が違っていた。

 

 

次話は来週。

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