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世界一長い数学の問題

作者: ゆり

※これは僕が書いたのではありません

たかしくんは、お母さんにおつかいを頼まれました。

その時、たかしくんはYouTubeを見ていたのですが、1分38秒まで見たところで動画を止めて、おつかいに出かけました。


たかしくんは八百屋さんでリンゴを3個、バナナを1個、ミカンを4個、ナシを1個買いました。

八百屋のおじさんが


「1人でおつかいかい?えらいね。これを持っていきな。」


とグレープフルーツを1個くれました。


八百屋を出たたかしくんは、バスに乗りました。

バスに乗り込む時に中を見たら、その時点で5人の人間がバスの中にいました。

バスは時速45kmで走行しており、3分後に次のバス停に着きました。

そのバス停では2人が乗り、1人が降りました。

その次のバス停に止まる直前、運転手さんが急ブレーキをかけました。

どうやら、バスの前の道を猫が横切ったようです。


たかしくんが窓から猫を見ると、2匹の子猫が、1匹の親猫のもとに駆け寄っていました。

たかしくんは動物愛護の精神が深い子供だったので、猫たちの無事を心から喜びました。

たかしくんは、普段から、人間と動物との関わりについて考えています。

学校で動物を飼育する行為は、果たしてこの世界の歴史の中でどういった意味があるのか。


宇宙の誕生から46億年経った今、我々がすべき本当の事とはいったい何なのか。

たかしくんは、学校で飼っている3匹のニワトリ(オス1匹、メス2匹)と、2匹の豚(オス1匹、メス1匹)の事を思い出していました。


まもなく、たかしくんの降りるバス停に到着しました。


たかしくんは運賃110円を払う必要がありましたが、ICカード決済にしたので5円安く済みました。

ちなみにこの時点で財布に1060円があり、ICカードには1000円未満のチャージがありました。


たかしくんはバス停を降りると、おばあちゃんの家へと向かいました。

そう、お母さんから頼まれたおつかいというのは、おばあちゃんの家へ果物を届けることだったのです。

おばあちゃんはたかしくんのことが大好きで、今日会える事をとても楽しみにしていました。


ちなみに2年後、たかしくんの年齢の3倍がお母さんの年齢になり、5倍がおばあちゃんの年齢になります。


たかしくんはバスを降りる時からおばあちゃんに会えることでワクワクが止まりませんでした。

早くバスを降りようとしましたが、自分の前に1人、後ろに1人降りる人がいたので、あわてずに降りました。

その後、高校生が4人バスに乗り込みました。

このバス停は終点の1つ手前にあり、終点は鉄道の駅の近くにあります。

ですから、このバス停の近くにある高校の生徒が登下校の際によく利用しているのです。


その高校は今年で87年の歴史を誇る古い高校で、このバス停もできた当初から長く愛されてきました。


おばあちゃんの家へ向かう途中、たかしくんはある事に気づきました。


何と、買い物袋に入れていた果物の個数のうち、全体の5分の1が無くなっていたのです。

おそらく、あの急ブレーキの瞬間、バスの中で袋から飛び出してしまったのでしょう。

たかしくんは袋の中身を改めて確認するため、果物の一部を取り出しました。

とある2種類の果物を全て取り出してみた結果、取りだした果物の個数は3個でした。

たかしくんは3個の果物を袋に戻しました。


たかしくんは


「金額にして110円の損失だ。しかしこの損失は金額だけでは測れない、感じる喪失感と焦燥感、そして自分の無力さを知った事への怒りと失望、それを受け止める精神的損失は何事にも替え難い」


と言いました。

その様子を見ていた果物の移動販売をしているおじさんが声をかけてくれました。


「ぼうや、どうしたんだい?」


たかしくんは訳を話しました。

すると

「それはかわいそうだ。それじゃあ、ぼうやの年齢の数だけ、イチゴをあげるよ」


と言ってくれました。

たかしくんはイチゴを年齢の数だけもらいました。


おばあちゃんの家が近づいてきました。

すると、近くの公園で、見た事のある2人組が何かをやっていました。

よく見てみると、たかしくんの大好きなYouTuberがロケをしているではありませんか!


たかしくんは嬉しくなって、2人の元へ駆け寄っていきました。

たかしくんはロケの邪魔にならないよう、遠くから2人のことを見つめていましたが、2人はたかしくんに気付いたのか、こっちへおいでと声をかけてくれました。

2人にファンである事を告げると、2人は喜び、最新の動画をその場で見せてくれました。

動画は12分20秒の面白い動画だったので、見ていて満足感がありました。

そして話をしていると、2人がたかしくんと同じ街に住んでいることがわかりました。

大柄な男の方が言いました。


「あの八百屋で買い物をしたの?今日は特売日だから、ミカンとバナナがいつもより20円安いんだよ」


続けてマレーシア出身の男が言いました。


「僕もその八百屋でよく買い物をするんだ。昨日はリンゴ2個、ミカン2個を買ったけど、合計で340円だったよ」


たかしくんは


(何で今、急にそんな事を言うんだろう)


と思いました。


たかしくんはYouTuber2人と別れておばあちゃんの家に向かいました。

その途中、小さめのメロンを売っているお姉さんに出会いました。

メロンは1つ470円でした。

たかしくんのおばあちゃんは果物が好きなのですが、一番好きなのはメロンなのです。

お母さんから頼まれていなかったので、先ほどの八百屋さんではメロンを買いませんでしたが、470円のメロンなら値段も安いし、何より他の果物を落としてしまった事もあり、このメロンを買っていってあげたいという気持ちになったのです。

現在の所持金なら、2個まで買うことができます。

たかしくんはお姉さんに声をかけました。


「すみません、メロンください」


たかしくんは財布の中から1000円を取り出してお姉さんに渡しました。

お姉さんは


「ありがとうございます、はい、どうぞ」


と言って、メロン2個と60円のお釣りを渡してくれました。

メロンは2個で1セットではなくバラ売りでした。

また、たかしくんがこの時発した言葉は「メロンください」だけで、特定のジェスチャーをしたり、文字を見せたりすることはありませんでした。

お姉さんはニコっと笑ってたかしくんを見送ってくれました。


袋いっぱいの果物を抱えたたかしくんは、おばあちゃんのおうちに向かってまた歩き始めました。


おばあちゃんの家の近くに、小さな電器屋さんがあります。

店頭にはテレビが設置してあり、ニュースが流れていました。

ニュースキャスターの男が言いました。


「今年行われます2度目の東京での五輪。楽しみですね。続いてお天気です。佐藤さーん?」


場面が切り替わり、佐藤さんと呼ばれた気象予報士の女性が登場しました。


「それでは明日の天気です」


佐藤さんは明日の東京の天気を伝えています。画面には「3月2日の天気」と書いてあります。

たかしくんは


(明日の東京は降水確率30%か。千葉の方が天気が悪そうだけど、神奈川は天気が良いんだな)


と思いました。


さらにたかしくんが歩いて行くと、向うからサラリーマン風の男性が歩いてきました。

そして、たかしくんを発見すると、たかしくんの方へ駆けてきました。


「よかったー、君を探していたんだよ」


「どういうことですか?」


「君、さっきバスの中で果物を落としたろう?おじさんはそれを拾ったから、君がまだこの近くにいるんじゃないかと思って、歩いて戻ってきたんだ」


何とバスの中で落とした果物を届けにきてくれたのです。しかし、手には1つしか果物はありませんでした。


「これと同じものがもう1つありませんでしたか?」


とたかしくんは聞きましたが


「おじさんが見つけたのはこの1個だけだったよ」


とおじさんは言いました。たかしくんはお礼を言って、おじさんがくれた1つの果物を手にしました。


たかしくんはそれを袋にいれ、またおばあちゃんの家に向かって歩き出しました。

道中、たかしくんは今日という日の事を思い出していました。

おつかいに出て果物を買ったこと。果物を落としてしまったこと。

色んな人の優しさで最初におつかいをした時よりもたくさんの果物が今持っている袋の中に入っていること。

人のあたたかさに、たかしくんは感動しました。


そしてもう1つ。


イチゴをもらう直前、全てのミカンを袋から取り出した結果、袋の中の「ある果物A」の数と、「A以外の果物の合計」の数が一致した事も思い出しましたが、今となってはそんなことなど、もうどうでも良い事です。


たかしくんはおばあちゃんの家の前までやってきました。

玄関のチャイムを押すと、おばあちゃんが優しい笑顔で迎えてくれました。

たかしくんはおばあちゃんに持ってきた果物を全て渡すと、おばあちゃんはより一層笑顔になって、自分の6分の1の年齢しかないたかしくんの事を抱きしめてくれました。


おばあちゃんは、ちょっと待っててねとたかしくんを居間で待たせて、ミックスジュースを作りにいきました。

たかしくんは待っている間ヒマだったので、先ほど会ったYouTuberの動画を見て待っていました。

動画は7分15秒の動画を2本見ました。

おばあちゃんは、たかしくんが持ってきてくれた果物のうち、8個(※8種類ではなく、個数が8個)を使ってミックスジュースを作りました。

それをたかしくんと2人で飲みました。

残った果物はすべて冷蔵庫の中に入れました。

最後におばあちゃんはたかしくんにお小遣いをくれました。

現在、たかしくんの財布の中に入っている金額の5倍ものお小遣いをくれたのです。

たかしくんはおばあちゃんにお礼を言って、おばあちゃんの家を出ました。


帰り道、たかしくんは来た時と同じ区間のバスに乗り、寄り道せずに帰宅しました。

バスを降りた時、うっかりICカードで決済せず、現金で支払ってしまいました。

家に帰ると、お母さんがあたたかく迎え入れてくれました。

お母さんは、


「お財布に残っているお金は今回のお駄賃よ」


と言って、たかしくんにくれました。


たかしくんは財布の中にあった4枚の硬貨を、大事に握りしめました。




【解答】

問1

たかしくんが最後に握りしめた硬貨のうち、真ん中に穴が開いているものは何枚あったでしょう?



問2

たかしくんがおばあちゃんの家に向かう時に乗ったバスが、終点に着いた時に降りた乗客の数は何人でしょう?



問3

マレーシア出身の男がリンゴを買ったのは何月何日で、その時リンゴ1個はいくらだったでしょう?



問4

おばあちゃんがミックスジュースを作った後、冷蔵庫に「確実に」入れたといえる果物はあるでしょうか?もしもある場合、それは何でしょうか?



問5

メロンを売っていたお姉さんは、なぜ何も言っていないたかしくんが、メロンを1つではなく、2つ欲しがっていることがわかったでしょう?

不評であれば、この問題を消します

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