24.登場人物紹介+過去編の導入
いつもありがとうございます。
皆さんの応援もありようやく前回の話でタイトルは回収できましたのでここからは一旦過去に戻る予定だったのですが、私がキャラクターの名前を間違えたり、口調が迷子になったりするのが非常に多かったのでいったんここで整理させていただきます。
(ダニングに至っては初登場の時にダニエルと名乗っていました・・・。修正済みです)
自分が描いているキャラクターのイメージが伝わればなと思います。
それが話の中で入れられないのは自分の実力不足です・・・。
後半には過去編の導入もありますので是非今後ともよろしくお願いします。
登場人物紹介
・フィセル
スペックは全て並以下。昔の魔法とかは使えないしあまり覚えていない。だけど彼の昔の小屋にはたくさんの資料が眠っており見たら思い出すかもしれない。
6人のエルフから慕われているが特に未来の事は考えていない。
口調は柔らかいがテンパると砕ける。
基本いじられ役。
200年前の彼は存在こそあまり知られていないが魔法薬と魔法具の開発においては天才であった。
彼が残したもので今でも通用するものはたくさんある。
それ以外はからっきしだったが。
「みんなありがとう!」
「すごいね、そんなことまでできるんだ。流石は君たちだね」
「ちょ、馬鹿やめろ!!!」
「えぇちょ、なにやってんの!?」
「誰か! 誰か助けてくれー!!! ダニングー!!!」
・ヴェル
一番最初のエルフ。肩口までの銀髪に茶色の瞳。スタイルは良い。
そしてエルフィセオの初代国王。
いわゆるクーデレってやつなのかも。ただシズクと違ってデレきれていない。デレ方が分からない。
フィセルによく悪態をつくがお互いそれを楽しく思っている節がある。
フィセルと出会った最初に食べたサンドイッチが今でも彼女の好物。
フィセルの前では従順な口うるさいメイド、それ以外では厳格で物静かな国王。
頑張ってアピールを続けたものの200年前でフィセルに抱かれていないことを割と根に持っている。
フィセルもヴェルも奥手だったから仕方がない。
酔うと性格が変わる。
フィセルの事は「ご主人様」と呼んでいる。
「はぁ、本当にご主人様は私がいないとだめですね。全部やっておきましたよ」
「大丈夫です、全部計画通りです」
「なんで・・・私たちに言ってくれなかったんですか!?」
「皆の者よくやった。私は君たちを誇りに思う」
「えへへぇ、ごしゅじんさまぁ」
・バン
双子の兄。金髪碧眼。さわやか&クールであまり表情は変わらないが決して冷徹というわけではなく仲間思いで思慮深い、貴重なまとも枠。フィセルの事を心から信頼している。
ただフィセルには若干怪しい好意を抱いておりいつか変なことをしでかすかもしれない。
薄い本が書けそう。
現エルフィセオ王国騎士団長。剣術も魔法もめちゃ強い。剣は黒色。
その人気はエルフィセオ内でも絶大で男女問わずたくさんのファンがおり彼目当てで騎士団にはいるエルフも多いとか。
アイナとは視覚や聴覚を共有できるスキルがあるが緊急事態でしか使わないようにしている。
フィセルの事は「主」と呼んでいる。
「主、また会えて光栄です」
「俺は主のためならこの身をささげてでも守りぬきます」
「俺は相手が男でも大丈夫ですよ。・・・冗談です」
「はぁ、どうして君たちはいつもそうなんだ」
「主が女に転生してくれればすべて丸く収まったのに・・・」
・アイナ
バンの双子の妹。金髪碧眼の長髪。ぺったんこ。
エルフの中ではまとも役かついじられ役。ほぼ全員からいじられる(主に胸)。
本人も気にしておりフィセルが巨乳好きかどうか知りたいけど怖くて聞けない。
誰にでも優しく、真面目で面倒見もよいがどこか抜けてる。要するにアホの子。
曲がったことが嫌いだけどがんこってわけでもない。
戦闘能力は6人の中でも随一であり、スイッチの入った彼女を止めることができるものはいない。もっとも彼女のスイッチが入るのは仲間が傷ついた時だけだが。
現ハイホルン王国(人間の国)騎士団長。剣は金色。
フィセルの事は「ご主人様」、「フィセル様」と呼んでいる。
「フィセル様! ってきゃあ!! 誰ですかここにバナナの皮置いたの!!」
「みんなして私の事馬鹿にして・・・。ほかの女性陣についてるあれはただの脂肪です。動くときに邪魔なので必要ありません!!」
「ほら、アイナお姉ちゃんに全部任せてみなさい!!」
「・・・フィセル様に怪我を負わせたのは、お前か?」
・ダニング
凄腕料理人。だが過去に雇い主と口げんかになった末に舌を切られてしまったという過去がある。茶髪に黒目でガタイがいい。身長が一番高く、一番老けて見える(30代後半くらい)。言葉遣いがぶっきらぼうでその口数も少なく職人といった印象を受けるが内に秘める優しさはかなりのもの。ちょっと褒めればその日のごはんが豪華になるくらいにはちょろい。
フィセルの事を慕っているが唯一そういう目でフィセルを見ていない。
その点で一番の常識枠かつ巻き込まれ役といえる。主にシズクやルリに振り回されている。
フィセルは困ったらダニングを呼ぶ癖があるのはここから。
現ハイホルン王国の国王の直属料理人。
フィセルの事は「ご主人」や「あんた」と呼んでいる。
「あんたブラックコーヒー飲めなくなったんだな。おこちゃまじゃないか」
「うまいか? 俺の料理は」
「胸が大きくなる食材? そんなものあるわけないだろ」
「いたたたっ! おいルリやめろ耳を引っ張るな!!」
「おいこれやったのシズクだろ!! 厨房が浸水してるぞ!!!」
「ヴェル・・・お前もまとも枠じゃなかったんだな」
・シズク
黒髪くせっ毛のショートカットに赤目の諜報活動に優れたエルフ。スタイルが一番いい。
また魔法も得意であり戦闘能力も高めで自作の魔法具も多くある。
人間にいろいろと嫌な思いを受けてきて一番人間に対して嫌悪感を抱いているがフィセルだけは別枠として扱っている。愛情表現のストレートさは一番。
口調が非常に悪いことが難点だが本人は直す気がない。
なんだかんだ言って面倒見がよく無邪気でどこか子供っぽいところもあり、幼いルリと一緒に変なことを企んではあほなことをいっぱいやっていた。被害者は多数。
現エルフィセオ王国の宰相を務めており、その破天荒さは鳴りを潜めている。
が、大臣たちへのあたりは相当強い模様。
いざというときはちゃんとブレーキ役になれる。
フィセルの事は「ご主人」と呼んでいる。
「なんだ私に欲情したのか。いいぞほら、好きなだけ見ろ」
「はっ、ご主人以外の人間なんか塵に等しいね」
「ルリ、いいこと思いついたぞ」
「アイナ、残念だったな。男性はその無駄な脂肪に惹かれるらしいぞ」
「私の・・・すべてを受け止めてほしい」
・ルリ
200年前では人間でいう6歳くらいだったためフィセルにとっては子供だった時の記憶しかないが、いまの彼女は立派な大人である。
明るい茶髪の髪を一つにまとめて背中に流しており、切れ長の瞳は赤色。
スタイルもよく、同業の冒険者からは男女問わずあこがれの的となっている。
今の彼女の外見は大人っぽく、静かで強い女性だがフィセルが関わると幼児退行してしまう。
しかもそれについて何とも思っていない。
さらに若干愛が重いところがあり思考も危ない。いつかなんかやらかすと思う。
また剣をアイナとバン、魔法をシズクとフィセルに教わっただけあってその実力は確かであり、元のセンスと噛み合わさって非常に優秀な冒険者となっている。
他のエルフにもなついており、フィセルと同じくらい大事に思っている。
主な任務は魔物の討伐。
怒ると怖いのはアイナ譲り。
フィセルの事は「お兄ちゃん」と呼んでいる。
「私強くなったんだよ! みててね!!」
「すんすん、これはお兄ちゃんの匂い!!」
「むふふ、これで私とお兄ちゃんだけの世界に・・・」
「お兄ちゃんの障害になるものはぜーんぶ私が壊してあげる!!!」
「私とお兄ちゃんの邪魔をするのなら、殺すよ?」
ー終ー
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24.200年の歩み
「さて、みんなちゃんと料理が行き届いたかな? じゃあ食べようか、いただきます」
「「「「「いただきます」」」」」
その声を合図にしてみんな目の前の料理にかぶりつく。
机の上に広がっているのは先ほどから部屋を支配していた匂いの出どころであるビーフシチュー、ダニングが生地から作っているであろう焼きたてのパン、俺の前だけにある皿の上に無造作に置かれた干し肉、色鮮やかに盛り付けられた瑞々しいサラダ、そして俺以外のみんなはワイン。
俺は水。
なんだこの落差は。いや、俺だけ未成年だから仕方がないけど。
いや、よく見たらヴェルも水だな。
というかルリが飲んでて俺が飲めないのは悔しいが仕方がない。
しかもなんでこのレパートリーの中に干し肉も皿に乗ってんだよ。
なに? どんだけこのネタでいじられ続けるの俺?
「ご主人様のために干し肉を取り寄せたのです。味わってお召し上がりください。市場で買った一番安い干し肉です」
「やっぱり君だよなぁヴェル、こういう事をするのは。ていうか相変わらず俺の思考読まれてんのな」
「私は良かれと思ってしたのです。読みやすい思考ですので仕方がありません」
「くっそ、昔と変わってないってことじゃん」
「私は安心しましたよ。昔のままで」
「そういうヴェルもな」
「ふふっ、そうですね」
懐かしい。
昔と何ら変わらないこの会話。
今では国王と平民という超えられない壁があるはずなのにこの瞬間だけは何も感じない。
そう思えるのにもほかの理由があった。
「というかなんでルリ以外みんな昔の服着てるの?」
「このほうがフィセル様も喜ぶと思いましたので!! あ、もちろん200年前のものではありませんよ? 昔の服をまねて作ってもらったものなんです!! 汚くないので安心してください!」
「まぁサイズ的には昔のままでもアイナは成長していないだろうから問題なかっただろうけどな。どことは言わんが」
「むきーっ!! そういうシズクさんは変わったんですか!?」
「もちろん成長したぞ。あぁ、そういう目をするなご主人。あとで好きなだけ触らせてやるから今は我慢してくれ」
「いやそういう目で見てねぇよ!!」
「本当か?」
「・・・本当といえば少しは嘘になる」
「フィセル様!?」
「お兄ちゃん、私も大きくなったんだよ!!! 好きなだけ触っていいからね!!!」
「ちょ、ルリ!! 食卓で暴れるな!!」
「ルリ落ち着け、服にビーフシチューがつくぞ」
「ご主人、おかわりほしかったら俺に言ってくれ。温めたやつをよそってやるから」
またカオスになる食卓。
ただやっぱりどこか懐かしくて温かい。
それに男性陣は相変わらず落ち着いている。
本当に頼りになるな。
「バン、ダニング・・・。君たちだけだよまともなのは」
「フィセル様!? わ、私もまともなはずなんですけど!!」
アイナがショックを受けているが一旦は置いておこう。
というか騎士団長にこんな扱いして許される人ってあんまりいないよな・・・。
そう考えると笑いがこみあげてくるが頑張って抑える。
「そんなことは置いといてだ、今回こうやって集まったのはこれまでの流れを話してもらうはずだったよね」
「流されてしまいましたが・・・。そうですね、この200年間あったことを話すために集まってもらってます!」
「じゃあさっそく聞いていこうかな、俺が死んでから一体何があったのか」
「わかりました、それでは不相応ながらもこのヴェルが説明させていただきます。少し長くなってしまうのでご飯を食べながらゆっくり話すとしましょう」
俺はこのタイミングでダニングにお代わりをお願いすることにした。
多分今を逃したら次のチャンスは中々こないだろうから。
ヴェルが一つ、咳払いをする。
その瞬間、先ほどまで和やかだったムードがガラッと変わった気がした。
「あれは今からおよそ200年前、、ご主人が亡くなった日までさかのぼりますーー。
少しの間フィセルはログアウトします。
これからもよろしくお願いします。




