転章 近況報告
本編の登場人物
リリウス・マクローエン
本編の主人公。ケツにスプーンねじ込む悪魔と恐れられている変態。ロザリアお嬢様の手下A。
ロザリア・バートランド
ゲーム『春のマリア』における悪役令嬢。我儘で高飛車な高慢ちきと三拍子そろっているが、友人や身内に対しては周囲が驚くほどの優しさを示す。
バイアット・セルジリア
ロザリアお嬢様の手下B。通称デブ。いつもおやつ食べてる食いしん坊だが、他の部分は意外にもしっかりしている。自己管理能力だけが問題。
シャルロッテ
バイエル辺境伯の三女。ロザリアの乳兄弟も同然の親友。最近父からしきりにバイアットとの仲を聞かれてうんざりしている。
リリア・エレンガルド
騎士学院三年生。そろそろ卒業だけど卒業後の進路はまだ決めていない。
ファラ・イース
イース海運のご令嬢。騎士学院三年生。最近両親から見合い話が多くてうんざりしている。
ルドガー・マクローエン
マクローエン家三男。リリウスの兄。血塗れの一族の中では良識派。
ガーランド・バートランド
帝国騎士団長にしてロザリアの兄。騎士団の世代交代が順調なので最近特に機嫌がいい。リリウスを特別目にかけている。生来のケチンボ。
ウェンドール803年12月12日、五大国会議最終日に俺は悩みに悩んでいた。
それは祖国に残してきたファラの事だ。
別れてないよ! ちょっと喧嘩別れみたいな感じになったけど断じて別れてはないんだ!
冒険とわたしどっちが大事なの!ってヒステリー起こされて攻撃魔法連発されただけで別に別れたわけじゃないんだ。
問題はヒステリーが治まる前にリリアに任せて出国してきてしまった後ろめたさと……カトリたんの事がね。好きがラブに変わった瞬間に発生する責任問題についてね……
「女の子の涙を守るとか言って俺は何やってんだろうね……」
俺ダブスタが基本のダメな子だよ? 惚れっぽくてハニートラップに弱い非モテだよ? 世界で一番モテてはいけない子だよ? ファラとカトリたんどちらか選べって言われても選べないよ?
あのレベルの美女とお付き合いできるなんて、人生百回分の幸運使い果たした感があるから向こう198回非モテ確定だぜ。
「……ま、まあこの問題は時が解決してくれることを祈ろう」
親父殿の無節操さを笑えない日が来るとは思わなかったぜ……
モテる奴らにはモテる奴らなりの苦しみがあると知った今日、俺は下層街のイース海運のお店で一つ頼み事をした。
大ドルジア帝国帝都は例年よりも深い積雪に閉ざされている。
大河は凍りつき、人通りもなく、薄雲を抜ける白光に白銀に輝く都市は古代の遺跡のようだ。
正午過ぎ、バートランド公爵邸に久しぶりな来客が現れる。
バイエル辺境伯の姫シャルロッテだ。乳兄弟のように育ってきたロザリアはシャルロッテとの再会を手に手を合わせて喜んでいる。
「うわあ、うわあ! ひっさしぶりだね! ねね、今度の旅行はどこだったの? よくこんな季節に帰ってこれたよね!」
「イースの大おじいさまが新年は帝都で過ごすってお話でしたから、ちょうどよく無限軌道商船に同乗させてもらえたの!」
「ああ、あれね……」
ロザリアがものすごく嫌そうな顔になった。
イース海運所有の大商船アドベンチャー号は魔法大国サン・イルスローゼの超魔法技術を結集して建造された、世界で二隻しか存在しない陸海空対応の巨大船だ。
もう一隻はイルスローゼ王家の御座船になっているはずだ。
「以前おにーさまがアレを量産したいとか言い出して、イースの大おじいさまと喧嘩してたわ」
「喧嘩……さすがに掴み合いじゃないわよね?」
「掴み合い、てゆーか殴り合い……」
二時間にも及ぶ喧嘩の後、二人とも半死半生の大けがをしていた。
ガーランドは自前の治癒魔法で翌日にはケロリとしていたが、大おじいさまは七日は寝込んだので、それが冒険者の王と呼ばれた大おじいさまのプライドをひどく傷つけたらしい。
それ以来バートランド家はイース海運と大変仲が悪い。
「なんでそんな事になっちゃうの?」
「あの船の技術は他には漏らさないってお約束で太陽の王家から購入したものだから、分解とか解析とかは絶対にダメなんだって。ほら、大奥様のご実家だから」
「でもちょっとロマンチックなお話よね。だって大奥様のために閣下と戦ったってことでしょ」
「あれはそんな甘ったるいものじゃなかったなー……」
本気で放った拳の空振りが天空を割る光景を目の前で見ていたロザリアは、もう思い出したくなかった。
居合抜きで空間を切り裂いて異世界から触手生物を召喚する技とかプラズマ生命体とか色々理解を超えすぎていたのだ。
「とりあえずみんな集めてお茶会しましょ! ノクト、イゼルとイザベラとラケシスにすぐ来るよう使いを出しなさい」
「そういうと思って先に声掛けといたわよ」
「あははは、先にこっちに断りを入れなさいな~~~!」
「真の親友なら承諾を得る前に動けるものでしてよ?」
シャルロッテが愛らしいウインクをした瞬間、バイアットがトレイを持って入ってきた。
トレイの上にはこんもりとバタークッキーとココア三人分が載っている。
「シャルロッテはいいことを言うね。僕も親友としておかし用意しておいたよ」
「や…やるじゃない……」
「おやつに関しては無駄に動き早いのよね……」
執事見習いのノクトがお茶と煎り豆も必要だろうと用意に出ていった。
肥満少年バイアット基準のお菓子だと、ダイエット至上主義のシャルロッテの手が進まないと考えたからだ。
そのうち先に声をかけておいた帝都のご令嬢たちも集まって、ガラス張りの植物園は華やかなおしゃべりに満たされていった。バイアットだけは黙々とクッキー食べてる。
「イルスローゼのお話聞かせてよ!」
「ねね、町がお空に浮かんでるってお話は本当なの?」
本日の主役はシャルロッテだ。
みんなこぞって彼女の旅のお話を聞きたがる。
「空中都市は本当に空に浮かんでるわよ。地面にこうものすごく大きな鎖があって、それが空中都市を地面に繋いでいるの。あれは実際に見ると驚くわ」
「すごい! 見てみたいな!」
「町の中もすごく綺麗なの。歩いてる人もみんなオシャレだし、やっぱり中央文明圏はちがうわね」
「う~~ん、すごいねー。ねね、他にはどんなだった?」
「色々自慢したいことあったんだけど、急かされると出てこないわね。ん~~~そういえば変な義賊がいるの」
「変なの?」
「善意で悪党とかイケメンを始末してる人なんだけど……イケメンの方は別に悪い人じゃないの」
「テロリストじゃん」
「それに成敗された男の人はみんなお尻に剣を刺されていたらしくて……」
「謎過ぎる」
「どうしてお尻を狙うの……?」
「もしゃもしゃ、やべー変態なんだよきっと、もしゃもしゃ」
「あはは、まさかねえ……」
義賊は置いて、ようやく思い出してきたローゼンパームのお話を披露する。
向こうの貴族家の社交界にお呼ばれした話。たくさんのデザイナーが入れ替わり立ち替わり訪れてこちらでも見た事もないような不思議なデザインのドレスを持ってきた話はそれだけで一年は話せそうな盛り上がりになった。
太陽宮での晩餐会にも招かれた。不思議な形をした不思議な宮殿でのパーティーは素晴らしいの一言しか出てこない。何もかもが帝国とは違いすぎて言葉にできないのがもどかしいと語るしかなかった。
太陽の王家の方々ともご挨拶をした。黄金騎士団の団長を務めるシュテル王子殿下からは「帝国出身の……」と何とかという少年のお話を求められたけど、生憎知らない子だった。
アンダーグラウンドなオークションにも遊びに行った。主人のスリムで渋いおじさまからは手にキスを求められたり格別の歓迎を受け、イルスローゼの貴族でも滅多に予約できない観覧席を用意してもらえた。
「それシャルロッテに気があるんだよ絶対!」
「わたしも結婚するならあの御方がいいんだけど……」
ちらっとバイアットを睨み、ため息をつく。理想と現実のギャップがひどいせいだ。
空中都市での生活はとても快適だった。この快適な生活を地元にも取り入れようと化粧品や洗面用具、ありとあらゆる生活必需品を一年分買いそろえた結果金貨一千枚にはなったのでさすがのバイエル辺境伯も苦笑いをしていた。
辺境伯は辺境伯で、領地にあちらふうの屋敷を作りたいと言い出して向こうの建築技師数名と契約して連れてきてしまった。
帝国で最も裕福な少女たちであっても中央文明圏のお話は心躍るものだった。
「あー、一回でいいから行ってみたいなー!」
「春になったらみんなで行ってみる?」
「軽く約束できる旅費じゃなさそう……」
「それよね。絶対旅費だけじゃ済みそうもないし」
「最新のファッションとか絶対買い漁るよねー」
「もしゃもしゃ、僕も向こうのお菓子には興味あるなーもしゃもしゃ」
「「バイアットはそれしかないよね?」」
「みんなで行くの絶対いや……」
「なんで?」
「バイアットを連れてくのがいやなの。最近お父様が着々と婚約話勧めてるの……」
「もしゃもしゃ、あのねシャル僕にも傷つく心があるんだよ? もしゃもしゃ」
「傷ついてるならクッキー食べるのやめてよ。痩せてよ」
「もしゃもしゃ、でも僕から大食を取ったらバイエル伯が僕を婚約者にしようってやる気もなくなるよね? もしゃもしゃ」
この瞬間みんなの心に共通する確信が生まれた。
「あー、そっかそっか」
「つまりだ、バイアットをいやがってもどのみち……」
「いやー! 言わないで、それだけは言わないでぇ!」
シャルロッテのお婿さんは絶対に太った人になるという驚異のメカニズムが発覚した。
家族全員肥満体で、スリムな貴公子に憧れる少女の未来は暗かった。
威勢の良い大声で使用人見習いの男の子が植物園に入ってきた。
「失礼します! 先ほどイース海運の―――」
「ご歓談中のところが抜けているぞ」
執事見習いのノクトが指摘すると男の子が赤面してしまった。
ロザリアに言わせればお前もお前だよね、来客中に見習いの指導すんなって思ったけど指摘はやめておいた。馬鹿の二の舞になるからだ。
だから「うちの使用人達がごめんなさいね」で済ませておいた。もっともこの皮肉に気づいて学んでくれるならノクトの評価を少しは上げてもいいのだが、どうやらそれは高望みらしい。
現在バートランド家では次代の当主ロザリアのために同世代の若い使用人の育成が盛んに行われている。誰も彼も一長一短で、こればかりは長い目で見ないとならないようだ。
「ご歓談中のところを大変失礼致しました! 先ほどイース海運の方がお見えになられ、お嬢様へのお手紙を預かっていると。こちらです!」
緊張のあまり手足が角ばった動きをする男の子が手紙を机に置き、キビキビしているが変な動きで出ていった。
声は大きすぎるけどこっちは有望な感じがしている。
「バイアット」
「はいはい」
以心伝心のコミュ力で手紙の裏面を読むと、バイアットが突然噴き出した。
ペーパーナイフで手紙を開けて、文面を勝手に読み出してしまった。
バイアットは食いしん坊ではあっても礼儀作法はしっかりしている。他人への手紙を勝手に読み出すなんて失礼なマネするわけがないのにしたから、みんな唖然としていたが、さらに笑い出したバイアットがこう言い出した。
「リリウス君からだよ」
「うそっ、それほんと!?」
「え~~~親愛なるお嬢様、それとデブへ」
朗読を始めるとご令嬢たちが怪訝な顔つきになる。
幾ら親しくてもデブは無いだろって顔だ。
「また直線的なあだなね。むしろ悪口じゃないの」
シャルロッテは意外な事にバイアットが悪く言われてムッとしている。
「そういえばリリウス君から名前で呼ばれた記憶あんまりないなあ」
「本当にお友達なの? 嫌われてない?」
「友達だよ。口は悪いし情緒不安定だけど悪い奴じゃないんだ。え~~~新年おめでとうございます?」
親愛なるお嬢様、それとデブへ。
新年おめでとうございます、と一応書いておきますが年明け前に届く可能性もあるのでそこはご勘弁を。この手紙は十二月十二日に書いてます。
出国した俺は色々あって変な奴と友達になったりベルサークに行ったり大変な目に遭いました。イデ=オルクなるやべー大賢者知ってます? そいつ曰くハイエルフってみんな五百歳超のババアなんですって、ちょっとショック。
馬に逃げられたり地図なくしたりしたけど友達のおかげで何とかサン・イルスローゼに到着して、元気に冒険者やってます。
少年の腹筋を撫でてないと眠れない変態に掴まったり男を転がすのがうまい悪女のヒモになったりルーデット卿なる裏社会のボスに変態娘と結婚して闇オークションを仕切れと迫られたりしましたが俺は元気です。
同じく帝都内の学生寮。
安息日を室内で過ごすファラは紅茶の香りを楽しんでいる?
「少し湿気ってるわね。そろそろ新しいの届けさせないと」
紅茶の香りはダメになっていたので、暖を取るだけの飲み物と割り切ったところで同室のリリアが入ってきた。
少し外に出ていただけなのに頭の上にこんもりと雪をかぶっていた。
「寒いから早くしめてちょうだい」
「寒い思いをしてきた親友を労わろうって気持ちはないのかなぁ……」
リリアが大きな紙袋を抱えていたので、それは何だと問いかけるとファラの荷物と返ってきた。
「外でちょうどご実家の使いと会ってね、ちょうどいいからって預かってきたんだ」
「それはご苦労様。お茶はある?」
「あるある、色々あるよ」
紙袋をごそごそ漁っていたリリアが缶に詰められた茶葉を掲げ、二人してお茶をする事に。
「お茶は偉大な文化だね、凍える手先が温まるだけでもありがたいのにお腹も冷えない」
「どこの誰かは知らないけどお茶を考えた人には感謝しないとね。あぁでもそんな物考えついたからこんな寒い土地に住み始めちゃったのかも?」
「お茶開発した人の評価がダダ下がりだよ」
お茶を含み、しんしんと降り続ける窓の向こうの落雪を見やる。
親友同士の気兼ねのしない時間を過ごしているとリリアがこう言い出した。
「リリウス君のことまだ怒ってる?」
「当たり前でしょ!」
リの文字が出た瞬間にファラがぶちキレた。
ティーカップをリリアに向けて放り投げてきた。首を傾けてかわさなかったら確実に命中していた。
「冒険とわたしのどっちが大事か聞いたらなんて言ったと思う!? 三年だけ待ってほしいですって!? 待ちたくないから聞いたのに、そんな返事聞きたくなかったのに!」
「……どーどー」
「鳥の話なんてしてないわよ!」
「当たり散らさないの。ファラが精神失調スキル持ちなのは理解してるけど、ぶちキレるの早すぎない?」
「うるさいわね! あの子の話できるのリリアしかいないんだからもう少し付き合いなさいよ!」
「つまりまだ好きなんだね」
「当たり前でしょ!」
一人痴話喧嘩に巻き込むのはやめてほしい。不毛だから。
でも今回は切り札があるので、怒りはすぐに治まりそうだ。
「ここにさ、リリウス君からのお手紙きてるけど読む?」
手紙を出してリの文字を発した瞬間には手紙が奪い去られていた。
さすがに苦笑しか出てこない。
「……元気してるって」
「それはどっちの反応?」
「喜んでるのよ」
近眼みたいに手紙に目を近づけて正座で読み耽るファラは長くかかりそうだ。リリアはその間に紙袋を漁ってお茶菓子を探そうと思い直した。
「……ただいま絶賛開催中の西方五大国会議ではひどい目に遭いました? まったくもう、何に関わってるんだか。血塗れラストとかいう暇つぶしで男漁りをするやべー変態に捕まってタイプじゃないからリリースされたり、国辱ですって」
「あはは、リリウス君の顔面と帝国に何の関係があるんだろうねぇ……」
「少なくともわたしはお怒りだわ。ラストってやっぱりベイグラントの第二王女かしら?」
フェスタのライアード総艦長なるチャラ男とも戦いましたがやべー奴です。みなさんは戦わない事をおすすめします。魔王の装具持ってるので大変手強かったです。勝ちましたけど。
会議初日に貴族街でマフィアと騎士団の抗争があってえらい騒ぎでした。結果的に騎士団が負けてルーデット卿は子爵位についたので高額依頼ウハウハの予定ですが、正直あんまり関わりたくありません。怖いもん。
同じ頃、騎士団に入ったルドガーも騎士団本部での訓練の合間に弟からの手紙を読んでいた。
そうそう、こっちでバトラに会いました。すげー成長しててびっくりしました。冒険者やってるんだけどクラン率いてるし美少女エルフの恋人いるし親友もいるしで色々順調みたいです。追放された身で手紙など出せるか、なんて強がってたから俺が代わりに出しときます。
「ルドガー兄貴に置かれましては心配なさらぬようお願いします…か」
「何をニヤニヤしてんだ。恋人からか?」
「ちがいますよ。あいつとは色々あったけど、なんだかんだでちゃんと兄弟になってきたんだなって思いましてね」
「何の話だ?」
その時、ルドガーの背後に現れた騎士団長が暗黒のオーラを噴き出した。
長身のルドガーのさらに背中越しから覗き見するという八頭身にのみ許された手法で手紙を一読した閣下から重低音が漏れる。
「奴めはまさか俺にだけ手紙を出していない……?」
ルドガーの背中からの圧が恐ろしいことになっている。
降雪の日だというのに冷や汗が止まらない。
屈強な騎士どもが怯えてマラソンコースを変えるくらい恐ろしいことになっている。
「いい度胸ではないか……(重低音)」
この瞬間に副官のウェーバーが来なかったら本日のしごきは恐ろしいことになっていただろう。
「閣下、リリウス・マクローエンからの書状なら手紙受けに!」
「本当か!? すぐに行く、お前達は訓練を続けておけ!」
閣下がずんずん宿舎に戻っていった。
手紙は他にも出している。春になれば遠くマクローエンにも届くだろう。リザにだけ……
ちなみに手紙が届いた日からファウル・マクローエンは息子から手紙が来なかった事実に対してしばらく落ち込む事になる……
そしてバートランド邸へと一周して戻り、バイアットがクッキーまみれの粉まみれの手で手紙を朗読している。
色々あったけど俺は俺で頑張っています。ローゼンパームは誘拐の多い危険な町だけど、俺も謎の義賊として頑張って少しでもこの町を良くしたいです。とりあえず今年の目標である町のイケメン全員のケツにスプーンねじ込むのを目標に頑張ります。
「ではみなさんごきげんよう。いたらぬリリウスめにございますが本年もヨロシクお願いいたします…か。帰ってくるのか帰ってこないのかくらい書けばいいのに、相変わらずどこか抜けてるんだよね」
「てゆーかシャルロッテの言ってた変態のテロリスト本人じゃない……」
「そういえばシュテル団長に尋ねられたのリリウスって名前だったわ……」
「逮捕されちゃうの?」
「逮捕する気なら人柄とか聞かれないと思うなー」
「もしゃもしゃ、そもそもリリウス君が簡単に捕まるとは思えないなあ。フェスタの総艦長に勝つとかマジ人外極まってきたし」
「ま、あの子も頑張ってるようね」
ふわりと微笑むロザリアは、遠い西の地にいる子分を想って晴れやかな気分だ。
帰ってくるのか来ないのか。
とりあえずは元気にやっているようなのでそれで良し。
豪雪の帝国に春が訪れるのはまだまだ先のおはなし。




