交易神との再会
LM商会を企業してから二ヵ月、これは激動と混乱の日々であった。だいたいナルシスのせいだ。
あちこちに支店を開業してあちこちの商人と貴族から恨みを買いまくった馬鹿野郎が巻き起こした大騒動と後始末について詳しく語ろうとは思わない。あまりにも薄汚い仕事だったってのもあるし煩雑すぎて覚えていないという理由もある。
貴族院上院から恨みを買いすぎた結果暗殺されかけた癖に懲りずに恨みを買いまくるやつの姿勢には苦笑しか出てこないぜ。あいつ実は学習機能ついてないよね。懸賞金の額を見てさすがに笑ったわ。
LM商会の起業から二ヵ月が経ち、せっせか仕事をしていた俺に下に二人の来客があった。
客室の扉をノックし、入室する。客室で待たせていた二人と目が合う。……どっかで見た顔だ。
一人は何の変哲もない美少年だ。茶っ濃い眼とクルクル巻き毛の十歳くらいの男の子で、小さな頃の自分を見ているような雰囲気だ。……いま顔面偏差値に大きな差があるだろって思ったやつがいるだろ? うるせえ。
こいつが本当に普通の美少年だがそこいらに幾らでもいるような少年だ。だがどこか覚えのある魔力波長だ。見覚えはないのに魔力波形だけ既知ってのは本当に珍しいんだ。
もう一人はデブだ。アメリカデブだ。ぶくぶくと肥え太ったTHE金満商人って容姿なのに不思議と品の良い雰囲気をしているデブだ。このすべてを包み込むような鷹揚な、だが天井知らずの無限の魔法力にも覚えがある。
本当に凄まじい魔法力だ。そして何物をも刺激しない柔らかいちからだ。善なる存在であると一発でわかってしまう、否、神々しさをさえ感じる。
実際神だと名乗られても万人が納得するだろう。ここまで清らかなちからはアルテナの他に感じたことがない。
アメリカデブがパァッと笑顔になって抱き着いてきた。
「おおっ、久しいなリリウスよ!」
「どなたですか?」
「ワシだ、ゼニゲバだ!」
そ、そのクソ下品な名前の神には覚えがある。
「交易神のゼニゲバか! とっくにこの世界を去ったって聞いてたぞ!」
「一度は逃げたが心残りがあっての。最近こちらに戻ってきたのだ。ま、最近と言っても人の世から見れば随分と長く待ちわびたがの」
「どんくらいだ」
「暦なぞコロコロ変わるでの。まぁ幾つかの暦が移り変わるくらいの時間だ」
「俺からしたらあんたと過ごした日々はほんの数か月前なんだがな……」
「それにしては見違える容姿であるな。ふむ、まぁお互い色々とあったのだろう」
交易神が思案する眼差しになる。アシェラの鑑定眼の元祖ともいうべき天秤の権能を持つこいつには見えているのだろう。俺の魔法力が神代とは比べ物にならないほど低く、最強の救世主と呼ぶには情けない値でしかない事実がだ。
まぁ話をしよう。積もり話があるのなら酒を飲みながら全部話してしまおう。
商会の客室の棚には酒瓶も用意してある。酒で判断力を狂わせようという魂胆で置いてあるものだがこうして懐かしい来客にも使える。
「長い話になりそうだし飲もうぜ」
「そうだな。互いに歴史を埋めねばなるまい」
酒をグラスに注いでいく。乾杯はしない。乾杯は勢いをつけるための儀式のようなもので、本当に大切な話がある時は手酌でしみじみと飲るもんだ。
で、ゼニゲバの小姓か何かだと思っていた少年の正体が判明する。
「はぁ!? そいつハザク神なの!?」
「はい、そうです」
「だってハザク神っていえば……」
封印の地でアル・クライシェと砂の魔獣の封印を守っていたハザク神は機械的なシャチだったぞ。レーザーとビームを全方位射出しながらマッハ五で強襲してくる強襲型要塞だったはずだ。
そんなハザク神なのに眼前のこいつは魔法力が随分と小さい。普通の子供くらいの存在感だ。隠ぺいにしたって矮小すぎる。
「これは分霊です。イザールに察知されるのが嫌なので隠れ蓑として使っているのです」
「あぁそうなんだ。え、イザールに狙われてんの?」
「もう何千年も追い回されているのです。あの人怖すぎです」
「ゲスススス! ハザク殿はクライシェ奪還を邪魔したからの。心底憎まれておるのだろ」
可哀想な話だ。
イザールの話をすると恐怖がこみ上げてくるらしい。ブルリと震え上がっていて可愛い。
「あの凶悪なシャチが随分と可愛くなっちゃってまあ。お前らって分霊は小さく作るけどあれ何なん?」
「小さく作るのは戦闘の意思はないと示す古い作法なのです。他にも魔法力を捧げて回避する手段もありますがイザールはそういう作法を無視する人なので……」
「文化の違いで作法を知らないだけだろ」
「説得も通じないのですー」
恨まれてるだけだったわ。
グラスの乾いたゼニゲバへとブランデーを追加すると、何とも言い難い不思議な目つきで尋ねられる。
「リリウスよ、その姿はどうしたのだ?」
「俺はこっちが本来の姿だ。神代のはまぁよくわからん。よくわからんがハイエルフ化していただけだ」
「何だそれは。……やはりならぬか?」
「何がだよ」
「お前に期待を懸けてはならぬか。我らが痛みと世界の趨勢を任せてはならぬかと聞いておるのだ」
我らが痛み…ね。
「ゼニゲバ、一度は去ったこの世界に戻ってきた理由はなんだ?」
「心残りよ。まぁなんだ、ゆっくりと話そうではないか」
ゼニゲバが語り始めたのは俺が去ったあとの神代の出来事だ。箱庭戦争は激化の一途をたどり、中立を掲げるルクレインにまで戦火が迫ってはこれを退けてきた。
長い雌伏の時を破って再度侵攻を始めたティトの軍勢にゼニゲバは敗れたんだそうな。
「あやつは執拗にお前の居場所を聞き出そうとしてきおったがワシも知らんでな」
「そうか」
交易都市ルクレインの滅亡と同時に死したゼニゲバが復活したのは随分と時が流れた後の出来事だ。
そこは逃げ延びたルクレインの人々が住まう隠れ里で、ゼニゲバの信仰をつなぐ敬虔な信徒の家の子として生まれたのだそうな。
「神の再誕ってそんな感じなんだ」
「他の連中なら手早く憑依で済ますぞ。事前に半身とも言えるだけの加護を与えた巫女を育て、そやつに乗り移る転生法だ」
巫女の役割ってそれか。普段は大切にされてる分デメリットも大きい。可哀想とは思うがな。
対価だ。世界の理は常に対価を求めてくる。大きなちからには相応の対価が付きまとい、時に人生や自由を完全に捧げなくてはならない。まったく忌々しい理だぜ。
「巫女を作らなかったのか?」
「ワシは命をつなぐつもりなど毛頭なかったのだ」
「それでも今ここにいる。その理由は何だ?」
「惰性が正しかろう。ただ生まれてしまったからには仕方なく生きる。それもまた生命の意味であろうて」
本当の意味で神童として生まれたゼニゲバは隠れ里での成人の儀式の翌日に世界を知るために旅立った。最初に目指したのはかつてルクレインのあったサルビア大島で、そこは諸島を支配する竜の住処と化していた。
「竜と神のバトルとか熱いな。まぁ結果はここにお前がいる時点で……勝ったんだよな?」
「勇ましいことを言うでない。ワシは交易神だぞ、平和的に交渉をしたわい」
なんて盛り上がりに欠ける神だ。だが交易神ならそうだわな。
ゼニゲバがグラスを置く。何かを思い出した顔だ。
「あぁそうだな。そうだ、あやつにも教えてやらねばなるまい」
「あやつって誰だよ」
「もうずっと昔からお前が戻ってくるのを待っているやつがいる。かつて我らが去ったあの島でお前が帰ってくるのをずっと…な」
ずっとって……
あれからどれだけ経ったと思っているんだ。十年や二十年じゃねえぞ。9000年だぞ……
「ジェナはお前が作ろうとしたものを守り続けておる」
「……」
「迎えにいってやってくれ。それだけがあやつの救いになるであろう」
救い?
「救い…救いってなんだよ」
「ワシから語ってはあやつも報われぬよ。その眼で真実を見定めよ、救世主よ、お前が選ぶのだ。お前が選んだならあやつとて受け入れよう」
なぜ神はいつも不吉なことしか言わないんだろう……
旧交を温めるようなしめやかな昼が過ぎていく。夕刻を迎える頃にはお開きになり、しばらくはローゼンパームで物見遊山をするというゼニゲバを置いて俺は祈りの都へと旅立った。
目指すは祈りの都ではない。目指すはかつてルクレイン市があった場所。神竜領域サルビアだ。
◇◇◇◇◇◇
トライブ七都市同盟は大小数百の島々を領土とする都市国家群だ。七都市同盟の名のとおり七つの都市国家が中核となっている。
マルガ島ほぼ全域に広がる貿易港、商売の聖地マルガ。
ラビュリントス島の中心部に作られた学問の聖地フィギング・アルテナ。
トライブ諸島の北部に位置する三つの大島ベナレス、イシルドゥア、アレストは先の二つと比べたら特色というかパワーワードこそ無いものの大きな都市国家だ。
東の重鎮ガストラート。南にはフェルワーズ。この七つの大島、都市国家が数百という島々の代表君主なんだ。
歴史的に言えばトライブ諸島は砂の大国ジベールの植民地であり、後にフェスタ帝国の支援を受けて独立。対ジベールの植民地政策の前線基地としてトライブ海の防波堤になってきた経緯がある。
そんなトライブ七都市同盟には同盟でさえも手出しのできない島がある。古くからこの島々を支配していた神竜パルム・メジェドの住まうサルビア大島だ。神竜はジベールによる支配の時代にも屈さずサルビアに近づく船と戦っていたようだ。
レグルス・イース著『ウェルゲート海紀行』で改めて調べ直した情報をまとめたのがこれだ。あのジジイは恐れ知らずにも神竜領域サルビアにまでは手を出している。その時の調査記録も記されていたが……
旅の扉で祈りの都まで飛んだ俺はラビュリントス島南の港町で漁船をチャーター。サルビア大島まで連れて行ってくれるように交渉した。何人かに断られて半日を浪費したが酒場で知り合った気の良い漁師に承諾してもらえた。報酬は張り込んだ。ユーベル金貨五枚だ。
伝説の竜の住んでいた島に向かうんだ。男気を見せてもらったからにはこちらも誠意が必要で、金貨五枚ってのは男が命を張る価値がある大金だ。
翌朝、朝もやの出る海に一艘の漁船が帆を張る。
深い霧の向こうに広がる島々のシルエットを見つめながらの船旅は昭光と共に明瞭になり、波の穏やかな島間を渡る。
サルビア島にたどり着いたのは日暮れ前だ。
朽ち果てた港町にかつての繁栄はなく、風化した石壁が民家の跡を示すのみ。ルクレインは大きな町だった。ガレキの砂漠であるかのような光景が無情に広がっている。
朽ち果てた港町へと櫂を用いて近づく。漁師がぽつりと呟く。
「これが伝説のルクレイン。竜の怒りに触れて滅び去った都か……」
「竜の怒り?」
「知らずに連れていけって言ってたのかよ。神竜パルム・メジェドは恐ろしい竜だ、サルビアには近づいてはならない。トライブの海の男なら齢三つの子だって知ってるぜ」
朽ちた港に停めた漁船から上陸する。生の気配のない廃墟を歩いていけば硬貨が見つかった。錆びついた銅貨だ。都市同盟で現在も使われているペンスだ。
「放置されて数年ってところか。どうやら俺らと同じ不届きものが他にもいたらしい」
「それの持ち主がどうなったかは考えたくもねえや。竜の財宝を手に入れたなんて手柄話は聞いたことがねえんだよなあ……」
竜は巣穴に財宝を貯め込むっていう民間伝承は根強いらしい。実際は金気を嫌うんだがな。
まぁ無駄に怖がらせる必要はないだろ。
「本当に財宝を手に入れたやつは黙ってるもんだぜ。手柄話をしたがるのは小銭を手にしたやつだけだ」
「そういうもんかねえ」
なお実際はしゃべりまくる模様。身の丈に合わない大金を手にしたやつは心の均衡を保つためにしゃべりまくって悪いやつに狙われる。よくある話だ。
サルビア島に近づいた頃から漁師はよくしゃべる。上陸してから火がついたみたいにしゃべる。……怯えを紛らわせるために必要なんだ。
「第八市政、ルクレインはそう呼ばれていたそうだ」
「第八市政?」
「八度目のルクレインって意味なんだそうな。神々の都ルクレインに夢を見た連中が七度ルクレインを再生したが神竜のお気に召さずに七度滅ぼされ、八度目の夢を見たやつも同じ末路を辿ったんだ。もう何百年も前の話だって聞く」
「気難しい竜なんだな」
「だから近づくなって言い伝えがあるわけだ。……本当に進むのか? あんたがSランカーだってのは疑ってねえんだが……」
「怖いなら船で待ってろよ。俺に付き合う必要はない」
「一人で待つのも怖いんだよ」
と言っていた漁師の兄ちゃんだが廃墟を抜ける前に苦しげに膝を着いた。この辺りは大いなる川の影響が強い。現代の常人に耐えられる濃度の魔法力ではないってだけだが、これが案外侮れない。どんな病魔よりも衰弱が早いせいだ。
漁師の兄ちゃんには報酬を渡して先に帰らせる。
「俺が帰っちまったらあんたはどうすんだよ」
「どうにでもなるさ」
「どうにでもって……」
「無事に帰れるうちに帰れよ、この金で妻子に土産物でも買ってさ」
「だが……」
渋る漁師に言っておく。本当は言いたくなかったんだがな。
「意気投合したってだけでこんな危険な場所まで船を出してくれたわけじゃねえんだろ。あんたの中にどんな想いがあるかは理解できるが常人が英雄の夢を見るな。そいつは冥府への片道切符だ」
どんな男だって英雄に憧れる。退屈な現実を一変させてくれる非日常に憧れる。こいつにとって俺のサルビア島行きはそういう夢への掛け橋に見えたんだろうな。ま、隣の芝生的な程度の思い違いなのさ。
英雄の夢なんて見てはならない。見れば百人が百人とも非業の死を遂げる。
たまたま生き延びても俺のようになる。救世主なんて厄介な役目を負わされ、人としての喜びを放棄するくだらない人生が待っているだけだ。
「仲間と一緒に海に繰り出して日が暮れたら家に帰って家族と暮らす人生が退屈かい? 俺はいいと思うぜ、素直に憧れるよ」
「あんたにはわからねえよ……」
「かもな。でもな、俺はそういう人生を歩みたかったよ」
拳を握り締める漁師と別れて廃墟を突き進む。
廃墟の丘を越えていく。二つ丘を越え、見下ろした湖畔の光景に……
夕焼けの湖面から一本のビルがそそり立つ光景を見つめていると不思議な郷愁に襲われる。
かつてあの湖面からは幾つものビルがそそり立っていた。あのビル群を占拠したガキどもが楽しく共同生活をしていた。ルクレイン・ストレートチルドレン同盟。かれこれ9000年前の話だ。
他のビルはもう影も形もない。だがストチル同盟のビルだけが夕焼けを浴びて輝いている。ステ子ちゃんがコートからもぞもぞ這い出てきた。
「なんで泣いてるわけ?」
「何でだろうな。俺にもわかんね」
かつては渡し舟で出入りしていたそこへジャンプで跳ぶ。
壁面に空いた大穴から内部に着地する。あぁ懐かしいな、この穴は俺がパンチで空けたんだ。
靴底を濡らす程度に浸水した床から壊れた柱を斜めにかけただけの階段を用いて二階へ上がる。なお二階とは言ったがここはすでにビルの二十何階という部分だ。これより下層は湖に沈んでいるだけだ。
なお湖水に定着した精霊とのバトルを挟んだが一撃で沈めといたわ。俺とステルスコートのエナジードレインは最強だ。
「一撃ってマジぃ? けっこう苦戦してたふうに見えたからお手伝いしたんだけどぉ~?」
「……思ったより手強かったんだよ」
対精霊特攻みたいな性能しておいて苦戦するとか恥ずかしいじゃんよ。
ビルの中は壁画に囲まれている。写真を引き延ばして転写したみたいな光景が在りし日のルクレインを描いている。紛糾する市民議会。市長の解任を迫る群衆と歯噛みする初代市長マルコ。いったい何をやらかしたんだこいつ?
税金をたっぷり注ぎ込んで完成した巨大救世主像がルクレインの入り江の入り口に建ってる!
「すごく精緻な絵だね。これが?」
「あぁ、かみよの時代に交易神ゼニゲバが治めていた伝説の都ルクレイン。あの廃墟の何代も前も光景さ」
ルクレインの日々を描いた壁画の間を巡るようにビルの階をのぼっていく。
ビルの一番上。屋上が崩れて茜色の空が剥き出しになったそこにかつての俺がいた。職業訓練校をバックにみんなで撮った記念写真の中で俺とあいつらが笑っている。あの日々が幻や夢なんかじゃなかったってどんな言葉よりもリアルに感じられる。
あいつらは確かに生きていて俺もそこにいて、でも今はもう何千年もの時が俺らを隔てている。未練か後悔か、不思議と泣けてくるぜ。
サルビア島に上陸した時から気づいていたが竜の気配はない。レグルス・イースの著書にもあったが現在のサルビア島に竜はいない。
がらんどうの聖域で立ち尽くす俺は砂に覆われた床から一枚のカードを拾い上げる。
「なにそれ?」
「学生証だな」
オースティール魔導学院の学生証だ。コゼット・ラウラドール? なんで学生証がこんなところに?
少し不安になって風魔法で砂を散らす。朽ちた制服が出てきたんですけど!
一人分じゃない。けっこうな数の衣類が出てきた。学生証もけっこう出てくる。え、48人分!? オースティールの学生証は魔法銀で出来ているので腐食はそこまでじゃなかったが他の学院の学生証はひどい有り様だ。十年や二十年じゃきかない古い物まである。
これはあれかな、好奇心旺盛な学生が竜の聖域までノコノコやってきて……
「うわぁ……食われたかな?」
「か…かもな」
と…とりあえず学生証を集めておく。
「それどうすんの?」
「親御さんに返してやるしかないだろ」
冒険者にはサルビア島を探索してたらお宅の子供さんの学生証が見つかりました的な報告義務は存在しないが人間として当たり前の義務だ。親御さんは行方不明になった子供の帰りを何年も待ち続けてしまうからだ。
サルビア島の探索は空振りだ。神竜パルム・メジェドは見つからず、代わりに大きな責任を背負ってしまった。……うぅぅ気が重い。




