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番外編 銀の遠吠え06

 青天の朝に春の大祭の開催を告げる花火が打ちあがる。青空に打ち上げられた花火は色とりどりの花びらへと変化し、帝都へと降り注ぐ。


 華やかな春節が始まる。


 始祖皇帝ドルジアが愛した桜木が咲き誇る帝都は賑わい、人々の顔はいつになく緩み切っている。


 数十台の馬車が並んで走れるほどに広大な聖オルディナ大通りは新市街を目指す人々で埋め尽くされ、逆に新市街からこちらへと出てくる人もいるようだ。


 そんな聖オルディナ大通りの隅に並ぶ露店で、僕は果実水を売っている。

 果実水は竹で作ったコップ一杯で二ボナ。コップを返してくれたら一ボナ返すから実質一ボナだけど、コップを返しに来る人はそんなにはいないから二ボナの大儲けだ。レティシアの悪知恵炸裂だね。


 僕の仕事は大樽からひしゃくで果実水をすくいあげて、コップに移して小銭と引き換えに客に渡すだけだ。大切なのはスマイルだと厳命されている。


「きゃああああああああ! シェーファ、こっちを見て!」

「お願いわたしを見て!」

「可愛い! あんな子がこの世にいるなんて!」

「シェーファぁ!」


 えらい行列ができてる。果実水足りるかなあ……


 僕の仕事は笑顔で果実水を渡すだけ。笑顔は欠かさない。その際に一言二言声をかけるのも忘れるなと厳命されている。


「今日は暖かいね。どこまで行くの?」

「えっと、ママとここでパレードを……」

「そうなんだ。楽しみだね、人が多いから気をつけてね」

「うん!」


 レティシア・メソッドによればどこで何をするか&あなたを心配しているの二つさえ守ればリピーターが付くらしい。儚げな笑顔とかいうのの練習を散々させられた……


 あの特訓は本当にひどかった。あれは去年の初夏だったかな?


『売り子をやる前にあんたには足りないものがあんのよ。わかる?』


 わからないと答えると顎を掴まれた。痛い痛い痛い……


『そ の お綺麗な面を使い方よ! 流し目一つ、微笑み一つであたしを悶え死にできるようになりなさい。そこがスタート地点、それが売り子の第一歩! 駆け上がりなさい、このスターダムの頂点を!』

『冒険者の頂点は……?』

『今は忘れていいわよ。いい、あたしが思わずチューしたくなるまで完成とは認めないからね!』


 この謎特訓は蹴られる形で終わった。ついでにこの日からレティシアに笑顔でおやすみを言う義務が課せられてしまった。謎だ。


 売り子をやってるとたまにボディタッチの激しい女の子もいる。そういう時はアニマが助けてくれる。ボディガードという役割だ。


「おさわりは禁止だぞー。ほらほら、いい大人なんだからうちの子に群れないの。理性的に冷静に行動するようにー」

「あんたはシェーファの何なの!?」


 あ、アニマが噛みつかれた。

 ものすごい騒ぎの後揉みくちゃにされたアニマが群衆から出てきて、どっかりと腰を下ろす。一日中狩りに出かけたあとみたいな疲れ方してる。


「お前この年でこれだけ女を惑わせるのか……? 将来が怖いぞ」


 アニマが回復するよりも先に持ち込んだ五個の大樽が終了した。夏祭りは五個でしのげたのに……


 ロステムとエリックが追加分を住処に取りに行ってる。薄めての水増し作業も行われるため戻ってくるのはだいぶ後になるかもしれない。


 僕は屋台の奥に引っ込んで休んでる。でも客が立ち去らない。粘りつくような視線が少し怖い……


 ふと思い出すのはルーシアの泣き顔だ。罪の発覚を恐れる表情と、粘りつくような不可思議な感情の瞳……


「おつかれ」

「あぁうん」


 レティシアのくれた水をひと息であおる。だいぶのどが乾いてたのだと実感する。


「売り上げは?」

「まだ数えてないけど上々よ。毎日祭りなら冒険者なんかやらなくてもいいくらいの大儲けね」


 相当儲かったらしい。夏祭りの売り上げはたしか銀貨二十枚だった。こんなに儲かるならスラムの子達もやればいいのに、と思わなくもない。


 でも不可能だ。貧民窟の住人には物を売って金を稼ぐという方法が初めから欠落している。実際僕だって森に狩りに出かけるなんて考えた事もなかった。


 魔物の出る森に狩猟採集に出る。祭りで物を売る。果実水を作る。どれもあの暗い貧民窟で暮らしている住人には思いつけないんだ。そんな方法は誰も教えてくれない。路上で暮らしている弱い大人達が僕らに教えてくれるのは自分よりも弱い誰かから奪い取る方法だけだから……


 レティシアはこれを貧民窟の業だと表現した。知識の欠落が考えない人々を生み、考えない人々が考えない子供達を作り続ける。外からやってきたレティシアの目にはこれがとても不条理な事に見え、同時にどこの町でもそういう連鎖はあるのだという。

 負の連鎖。それがこの町の貧しさの原因なんだ。


 僅かばかりの知恵を付け、金銭的な余裕を得た今だから貧民窟の異常さが理解できる。僅かばかりの知恵さえあればこうして小銭を稼げるのに、誰もが他者から奪うしかないと思い込んでいる。……旧市街の人達がスラムをきらう理由もわかる。


 貧民窟の住人は獣なんだ。人の形をした獣、だから見かけたら叩いて追い払う。……魔物へとそうするように。


「……真面目な顔して悩んじゃってさ。元気なくない?」

「疲れただけだよ」

「屋台の見張りもしてもらったからね。徹夜明けなら仕方ないかな? って言うと思った?」


 必殺のデコ連打をくらう。痛くはない。しかし嫌がらせとしては高性能な技だ。


 レティシアは理不尽だ。自分は隠し事ばかりするのに僕には許さない。何もかも自分の手の内にないと許せない女性なんだ。


「何かあった?」

「言いたくない」

「シェーファのくせにナマイキ」

「くせにって何だよ」


「リーダー様に逆らうなって話よ。年下に歯向かわられると腹立つのよね」

「そんな理由で……」


 ふと思った。ルーシアもそうだったんじゃないか? ルーシアも僕に腹を立てていて、だから屋台を壊しに来たんじゃないのか?


 でも昨夜のルーシアの泣き顔を思い出せばわからなくなる。怒っているだけであんな顔にはならない。……僕にはルーが何を考えていたかなんて想像もつかない。


「考えてるだけじゃ何も解決しないわよ。小銭稼ぎと一緒よ、何事も行動あるのみ。前にも教えてあげたでしょー、足踏みしてたって儲かるわけないの、ね?」


 そうだ。ルーの考えを知りたいならルーに聞くしかないんだ。ここで悩んでるより怖くても会った方がいいに決まってる。


「わかったよ、ありがとう」

「うんうん素直でよろしい。さあ頼もしいリーダー様にそうだん」

「ルーに会ってくる!」

「え……」


 激励してくれたはずのレティシアがなぜか硬直している。でも僕はルーシアに会いたくて仕方なかった。ルーとこのまま気まずくなるなんて嫌だ。


「ちょっと、あたしは? てゆーか屋台はどうするのよ!」

「そっちは任せた。一等可愛いレティシア姉さんが売り子なら馬鹿売れさ!」

「こらー、どこでよいしょなんて覚えたの!」


 パン屋はいつもより暇そうだ。親父さんがいつものようにカウンターに肘を着きながらアクビをしている。……怖いなあ。


 マフィアと関わるなと釘を刺されてからきまずくて会ってなかった。これは本当に失敗だった。すぐに謝っておけばここまで怖くなることもなかったはずだ。もはや怒られに来た感じさえある。


「親父さん……」

「うおっ、シェーファか!?」


 声をかけたはいいけど気まずい。お互いに顔を見れない。だってお互いに視線が床にあるし。この反応は……


「えっと、親父さんに謝らないといけないことが……」

「ん、あぁそっちか。そっちはまぁ理解はしている」


 理解とな?


「五つ六つのガキが他のガキどもを養うんだ。なりふり構ってらんねえ時もあるだろ。気まずくて顔を出せなかったっていうのはわかる。素直に謝りに来ればいいとか事情を説明しろとは思ったがな」

「ごめんなさい」

「おう。別に怒っちゃねえからまた顔出せよ」


 くしゃくしゃに頭を撫でられたことで体が軽くなった気がした。重たい荷物をようやく下ろせた、そんな気分だ。


 これは仁義でいうところの筋を通したってことなんだと思う。

 一つの問題が円満に終わり、僕らはもう一つの問題に向き合わないといけない。


「……ルーか?」

「うん。ルーと話をしたいんだ」

「ちょっと待ってろ」


 親父さんが二階にあがっていった。……ものすごい怒鳴り声がし、親父さんがおりてきた。


「会いたくねえって言ってる」

「それじゃ仕方ない、出直すね」

「待て」


 僕を引き留めた親父さんがものすごいどや顔で言う。


「女の会いたくないは会いに来ての略だ」

「そ…そうなの?」

「ガキにはわからんだろうがそういうもんだ。ただし本当に会いたくない時もあるから注意しろよ。あがっていいぞ」


 ルーは二階の右の部屋にいた。居たっていうのは誤解がある。子供用の小さなベッドの中でシーツをかぶっているのがルーだと思うってだけだ。


「ルー?」

「……!」


 ビクってなったシーツの下のルーがどんな気持ちなのかは謎。でも出てこずに、シーツの下で丸まったままだ。


 とりあえず僕は今日の話をした。屋台で果実水を売った事、最近女の子からよく声をかけられる事、大儲けした事、屋台をやる前に受けた理不尽な特訓の事。


 これまでの話もする。冒険者になった事、森で狩りをするようになった事、魔物とも戦った事、離れていた時間が長い分話題は多く、夜になるまで語っても尽きないくらい貯まっている。……たった一年でこれだ。


 ルーはどう思うか謎だけど、僕は来てよかったと思う。来なかったらきっとどんなおしゃべりからすればいいかもわからなくなっていたから……


 仲間の話もする。いつも騒がしいリーダーのレティシア。頼れる兄貴分のロステム。口ばっかで働かないエリック。お掃除大好きでいつもみんなのため住処をきれいにしてくれるウェンディ。大人びたアニマ。


 どういう時が楽しくて、どういう時が悲しくて、そういう話の合間にルーが口を開いた。


「怒ってないの?」

「怒るなんてまさか。驚いたけどね」


「……シェーファが怒りにきたんだと思ってた」


 怒ってなんかない。本当さ。

 ルーには色々なものを貰ってきた。義理人情の話なんかじゃない。彼女と過ごした時間は僕にとっては宝物だ。


 仲直りの第一歩としてルーには僕がルーをどれだけ好きなのかを伝えようと思う。


 ルーはシーツの下でずぅっと僕の話を聞いてくれた。どうして屋台を壊そうとしたかなんてささいなことで、僕は心に蓋をするみたいにこの謎を許容する。



◇◇◇◇◇◇



 ―――この世にあんなにも美しい物があるなんて知らなかった。


 夜明け前の空を写し取った深いトワイライトブルーの瞳も、儚げな困り顔も、ルーと鳴る銀器のような声音も、全部わたしの物だ。


 あれはわたしの物だ。

 あの美しい銀の犬はわたしだけの物だ。


 あの清らかな声が語るものが他の誰かであることが許せなかった。あの美しい瞳の中に居るのが他の誰かなんて許せなかった。


 自立なんて許さない。離れていくなんて絶対に認めない。恋情以外の感情など……


 帰り際のあの薄い唇にキスしてあげた。戸惑う彼の表情が愛らしくてもう一度キスを与えてあげた、あなたはわたしの物だと焼きごてを打つように。


「ルー?」

「シェーファ、あなたはわたしの物。それだけは忘れないで」

「?」


 あぁこの美しい生き物はまだ恋を知らないのだ。

 何もわからない顔でわかったと言う。何もわかっていないくせにだ。……今はそれでもいい。


 シェーファはわたしの所有物だ。それさえ忘れないのなら……

 


◇◇◇◇◇◇



 ルーと和解しての帰り道、すでに日は暮れている。今夜の見張りはロステムなのでそのまま住処に帰るとウェンディが……


「女のにおいがする」


 ものすごい蔑みの視線を……

 みんなまで……


「はぁ!? 悩みって女関係だったの!?」


 から始まる追及は疲れた眠いでシャットアウト。面倒を避けて眠りにつく。でもひどい憶測が……


「疲れたって何をして疲れたんだろうな?」

「あれでしょ」

「あれか」

「とんだスケベ野郎だな」


 返答はしない。疲れたのは本当だし、眠りに落ちるのなんて目を閉じて三秒数えるだけでいい。

 明日の朝になれば忘れているさ。そう思ったのだけど……


「あ、スケベが起きた」

「女たらしが起きたぞー。女は隠れろー!」


 女達がキャーキャー言いながら逃げていった。うん、三日四日はこんな感じでいじられるね。経験則的に確定だね。


 春節二日目、今日も屋台をやるらしい。果実水は残り樽五つ。となると売り物は衣類と焼き串。今日はこいつをガンガン売ろうって話だ。


 総出で荷物を運ぶ。肉は地下の氷室で冷やしていた物だから三日経ってもまだ悪くならない。冬の間に運び入れた氷は夏までは保つだろう。


 こういう食材を持っての移動は狙われやすい。今朝の襲撃者は四人の子供であるらしい。年齢でいえばアニマと同じくらいかもしれない。


 彼らは長さもバラバラの角材を手に、裏通りの出口で待ち構えていた。


「羽振りのいい連中がいるってのはお前らのことか?」

「だったら何なの?」


 レティシアが強気な態度でとぼける。戦っても負けないからだ。

 少しばかり背が高いだけのスラムの子供ならアニマだけで完勝できる。矢は必要ない。普段僕らが何を倒して糧を得ているか?って話になる。


 でもこいつらはそういう事は考えない。知恵のない、何も考えない、自分よりも小さな子供から奪うことしかできないスラムの住人だ。いつものように脅せば奪えると信じている。


「イラつくガキね。よこせって言ってるの!」

「やだ。ちから尽くでやってみなよ?」


 なぜか挑発するレティシアである。怒りっぽいんだよね。……話し合えばいいと思うんだけどなあ。


「食べ物が欲しいだけなんだよね?」

「ちょっとシェーファ! こいつらにやるくらいならロステムに全部食わすわよ!」

「あげたりしないよ」


 するのは話し合い。レティシアが僕にくれた知恵のお裾分けだ。


「食べ物が欲しいなら森に取りに行けばいいじゃないか」

「はあ? ……森?」

「今回だけ手伝ってあげるよ。レティシア、僕はこいつらに付き合ってくるよ」

「屋台はどーすんのよ!」

「レティシア姉さんに任せるよ」

「あんた目当ての客が来なくなるじゃない! 大儲けはどうすんのよ!」

「大丈夫だって、あなたのスマイルなら誰だってイチコロさ!」


 レティシアが何か怒鳴り出したけど今回もスルー。あとでキスのごめんなさいでもすれば許してくれるさ。


 この日、僕は痩せっぽちの四人を連れて森での狩りを教える。春先に重たい実をつけるパルの木。固い皮を剥ぐとゼリー状の甘い身が出てくるシラクサ。季節一つ分乾かすと甘い香りが出てくるバニラ。近づくと暴れ出して危険だけど食べ応えのある実をつけるマギートレント。


 残雪の森の合間にある開けた場所で、ぽつんと立つニードルパームは枝をのびのびと広げている。周りにはたくさんの動物の死体が転がっている。僕はあれを指さして説明する。


「あれはニードルパーム。あいつには絶対に近づいたらいけない。飛ばしてくる針に刺されたら傷口が結晶化するんだ」

「けっ、結晶化って?」

「石みたいになるんだってさ。長く森に入っている奴には針にやられて手足を斬り落とさなくちゃいけなくなった奴もいるんだって」

「ここに近づかなきゃいいのよね!?」

「あいつらたまに移動するから枝の形で見分けなきゃダメだよ。不自然に根っこが地面の上に出てる木はだいたい魔物化してると疑ったほうがいいよ」


「モンスター化~~~?」


 リーダーっぽい一番小柄な子がそう驚いた。彼からはエリックと同じにおいがする。きっと口ばっかり達者で働かない奴だ。……でもそういう奴って物知りで覚えも早いんだよね。腹は立つけど必要な奴なんだ。


 怪物樹の系統は冬になると見分けが難しくなる。枝を手足のように振り回すトレント系は枝にこもった雪の量で見分けやすいけど毒液を吐いたり石化針を飛ばしてくる怪物樹の見分けは難しい。


 季節によって森での立ち回りは変わるけどまずは春の歩き方を教えよう。


 食べられる草花の採り方。立ち入ってはいけない危険な辺り。肉は難しいかもしれない、弓がないと素早い獲物は捕まえられない。


 採集は昼過ぎに終えた。採集した果物は半分は食べて残りは闇市で肉と交換する。


「食い物は何でも他の物と交換できる。コインにしたっていい、パルなら五つでボナ一枚になる。もう少し季節が進めばラシャが採れる、それは十でボナになる」


 僕に教えられるのはこのくらいだ。

 ペコペコ頭を下げながら去っていくあいつらがこの先どうやって生きていくかは謎だけど、それを決めるのは僕じゃない。


 まだ日は高いけど僕はルーのところに行くことにした。今から屋台の手伝いをするとコキ使われるし。


 

◇◇◇◇◇◇



 春節を終えた帝都はだいぶすごし易い気温になりつつある。夏はまだまだ遠いけど、森に残っていた雪はすっかり消えた。


 僕は僕で冒険者に賭場での壺振り師と忙しかったけどルーの下へは三日と空けずに通い続けた。最初はねっとりしていたルーの目つきも段々よくなっていった。あの目つきは悪寒がしてたんだよね。怖かったよ。


 いつものようにギルドで薬草採集を請け負った僕とレティシアは森へと往き、小川で休憩していると……


「奥までいってみない?」


 レティシアが物騒なことを言い出した。

 森の奥は魔物が多いから危険だって言ったのレティシアなのに……


「危なくない?」

「それを知りたいのよね。人伝に聞いた危険ってのがどのくらい危険なのか見てみたいってゆーか、この辺りじゃ物足りないっていうか」


 ヒマなんだね。レティシアは暇を持て余すとロクデモナイ事をしでかす。つまり今のこの発言だ。


「やめとこうよ」

「あたしとあんたなら何が起きても逃げられるし危なそうなら帰ってくればいいじゃない。さ、いくわよ」


 反論は一蹴され僕は首根っこ掴まれて引きずられていく。


 南の森は深部に近づくにつれて深く暗くなっていく。たまにジャイアントスタンプやグールのような魔物を見かけたけど、気づかれる前に逃げた。

 多いというほど魔物がいるわけではない。でも迷う危険性のほうが何倍も怖かった。


 木々の織りなす迷路のような森を突き進む。時に休憩を入れて、たまに木をのぼって時刻をたしかめた。日が傾き始めたら帰る。そういう約束で、まだ昼過ぎだった。


「もう五時間くらい歩いてる計算だよね」

「そーね」


 って答えるレティシアがずんずん突き進んでいく。茂みも僕らより大きな大樹の根っこにも彼女を止めるちからはない。パワフルさんだ。


「帰りのこと考えてる?」

「考えてるわよ。あんたの鼻があれば絶対に帰れるでしょ?」

「そーだけど。もしかして探検が楽しくなってきた?」

「たまの遠出もわるくないわね。このまま旅にでたいくらいよ!」


 森の切れ間が見えた。レティシアが走っていく。森の切れ間で立ち止まった彼女を追いかける僕の足も彼女の後ろで止まる。


 森を抜けた先は断崖絶壁。深い谷がまるで一つの大きな線みたいに森を引き裂いているのだ。雨の予兆か霧が出ている。霞む対岸まではいったい何百メートルあるか……


 でもレティシアが見ているのは対岸ではない。谷のど真ん中にそそり立つ柱のような岩山と、その上に建つお城だ。でかい……


「大きいね」

「ふふん、ようやくあたしの偉大な背中に気づいたか」


 そうじゃないことをわかっていて冗談放り込む余裕があるのは素直にすごいと思う。


 レティシアが左方を指差す。断崖絶壁に架けられた橋のような道があの城まで続いている。不気味。


「いくわよ」

「行くの?」

「あんた馬鹿? お宝があるかもしれないじゃない!」


 帝都のこんな近くの城に何か残ってるとは思えないけど、レティシアは探検したいらしい。一度火のついた彼女の好奇心を抑え込むのは不可能だ。……だって叩かれるし。


 今にも崩れ落ちそうな天然の橋を渡る。谷底は見えない。でも落ちたら死ぬと思う。

 橋を渡り切り、間近から城を見上げる。土台が城壁のごとくそそり立ち、城はその上に建っているようだ。……城門は壊れている。


「じつは入れないって方がよかったのに」

「くだらないこと言ってないで中に入るわよ」


 内部は真っ暗だ。レティシアがなぜか用意していたカンテラの明かりがなければすぐに帰れただろう。余計なことを……


「こんな事もあろうかと用意していて助かったわ」

「こんな事があるかと思ってたの?」

「もっと慎ましい洞窟を想定していたけど、思ったより大物で嬉しいわ!」


 城の基礎部分というか土台部分は簡単な造りだ。入ってすぐに大きな広間があって、左右と奥の壁側に小部屋が幾つもある。左から順に確認してみたけど壊れた家財のような物しか見つからなかった。


 広間にある大きな階段をのぼる。二階も三階もそんな感じだ。一階では入り口になっていた場所が弓兵用の穴になっているだけだ。


 四階の階段をあがると土台の上に出た。城に入るための大きな門は片方だけが倒れていた。


「じつは入れないほうが……」

「しつこいわね」

「だって絶対何かいるじゃん」


 門を潜ったばかりのレティシアの足が止まる。

 なんで不安そうにこっちを見るの? 何も気づいてなかったの?


「絶対って何よ」

「こんな大きな雨風をしのげる場所に魔物がいないのはおかしいよ。小さな穴ぼこでも奪い合ってる連中がこれを見逃すなんてありえないよ」


 ありえない事が起きているとしたら最悪だ。貧民窟にある廃教会のような曰く付きの場所ってなってしまうからだ。……あそこには何度も通ってるけどね。


「魔物除けの結界が機能してるだけじゃない?」

「その可能性もあるけど……」


 城の中は細い通路。中ほどに十字路があり、左右はのぼり階段。これがどちらも行き止まりだった。ねずみ檻というらしい。


 ここが行き止まりだと知っている者なら絶対に踏み入らない通路を作り、不審者を見つける仕掛けだそうだ。籠城戦においては侵攻を遅延させる仕掛けにもなるそうだ。


「城には二種類の用途があるわ。権威の象徴としての贅沢な屋敷と、最初から戦争を想定された砦、これは砦のほうね。砦はとにかく頑丈にできてるの。だからこんな古いものが今も残っているんでしょうね」

「どのくらい前の物なの?」

「さあ、新しいって感じはしないだけよ」


 最後に十五段の階段をあがって細い通路を抜けると大広間に出た。僕らの通ってきた細い通路だったものは階段の基礎部分であり、引き返すように歩くことで上にいけるらしい。


 大広間じたいは簡素な造りで無駄な部屋はない。つまりお宝なしで用もない。


 なんというか無駄の多い建物だ。レティシアが言うには無駄が多いってことは隠し部屋もある証だそうだ。


「じゃあお宝はそこ?」

「でしょうね。簡単に見つかるような物はとっくに持ち出されてるはずだもの」


 戦備えの砦とはいえ大広間にカーペットの一つもないのは変らしい。つまりとっくに盗掘に遭っている。……そりゃ帝都から目と鼻の先だしね。


「冒険者がこんな大物見逃すはずないもの」

「そりゃそうだ。僕らだって来ちゃったしね」


 砦を進んでいく。奥へというより上へとあがり続ける……


 六階。心の中でカウントしていた回数が土台部分を合わせて六階とカウントした階に一歩入り込んだ瞬間に空気が変わった。


 空気が澱んでいる。臭気ではなくもっと本能的に忌まわしいものを感じる。

 レティシアも感じ取ったらしい。腰に手を滑らせて二刀の殺人ナイフを抜いている。


「これはなに?」

「アンデッドの気配よ」


 アンチ・デッド、死を克服した者。

 世には二種類の存在がいる。生きている者と死んでいる者。普段は旧市街だ貧民窟だと争い、森に出れば人だ魔物だと争うが、アンデッドもまたその理にある。


 アンデッドは生きている者をけっして許さない。ただ生きているというだけで憎み、殺しにくる存在らしい。僕はアンデッドという存在をよく知らないが危険な連中らしい。


「アンデッドはどうしたら生まれるかわかる?」

「考えたこともないよ」

「面白い答えね。答えは誰も知らないよ」


 真っ暗な廊下の向こうから何か青白いものが飛来する。まるで青い炎だ。どうしてか人の形をしている青い炎が不気味なうなり声をあげながら一直線にやってきて―――


 レティシアがユノ・ザリッガーを青い炎へと叩きつける。たった一撃で両断された青い炎が割れたガラス瓶みたいに破砕し、細かな破片となって消えていく。


「さすがレティシア姉さんだ!」

「あんたの三つ腕もたぶん利くわよ。つかこいつらゴーストに普通の武器は通じないから」


 ルキウスの使っていた三つ腕は正確にいえば魔法力の塊だ。理屈はよくわからないけど三つ腕もゴーストと似たようなものだから通じるんだってさ。


 暗闇の向こうからガチャガチャした複数の足音がやってくる。骨だ。鎧具足を着た黄ばんだ骨の怪物がやってきた。肉のように闇をまとったスケルトンソルジャーが剣を振り上げる。


 三つ腕の一振りで八体のスケルトンソルジャーを薙ぎ払う。感触からいってあんまり強くない。数が多いだけだ。体力が保つなら全部レティシアに任せてもいいくらいだ。


「突破ー! ゴーゴーゴー!」

「突破!?」


 ユノ・ザリッガーをぶんぶん振り回すレティシアが暗闇の向こうに走ってく。僕も追いかける。撤退したいけど離れ離れになるほうが怖いからだ。ロステムはこういう時は絶対いないよね!


 アンデッドは種類も豊富で数も多い。骨の犬、骨の山羊、骨のゴブリン、こういう連中を蹴散らして通路を右へ左へ! 行き止まりだったら大人しく回れ右さ。


 レティシアが強すぎる。殺人ナイフの一振りであらゆるアンデッドが冥府の魔力を失って動かなくなる。イース商会も欲しがるわけだ。


 怖いもの知らずのレティシアが突撃を繰り返して六階を突破。七階、八階とそれぞれ別の場所にある階段を駆け上がる。


「楽しくなってきたわね!」

「まだ実入りゼロだけどね!」

「ばーか、お宝ってのは一番奥にあるものよ!」


 ふと最低な疑惑がよぎった。レティシア姉さんじつは何も考えてない? 元々の気質が冒険野郎だからなあ……


 九階は一段とアンデッドの気配が濃い。

 さすがのレティシアも危険を感じて慎重に進み出した。……奥の一室から明かりが漏れている。少しだけ開いた扉の隙間から青ざめた光が漏れ出している。


 僕とレティシアは視線で会話をする。


「……(戻ったほうがいいよ)」

「……(わかったわ)」


 僕らは頷き合う。僕は来た道を戻り、レティシアはこっそりと扉に近づいていく……

 あ、いくんだ。想いが通じない!


 冒険者ってくらいだから冒険するのは当たり前なんだろうけど、危険にずんずか突き進むのはやめてほしい。


 扉の隙間から部屋の様子を窺う。床に描かれた魔方陣が青く燃えている。仮面をつけた男達が魔方陣を囲んで何やら話を……


「―――夜会はいずこか?」

「アルバンの愛したクリートノースで」

「野ウサギは互いに五つ、グエンが一駒、バルが二駒、ヘルトが二駒」

「アルザインは?」

「一つでよい」


「無くてもよいのではないか?」

「決を!」


 仮面の男達が一斉に銀のカードを掲げる。何かの符丁だろうか?


「ではアルザインを入れる」

「……興ざめにならねばよいが」

「羊には羊飼いが必要だ」

「左様、臆病な羊を戦いに駆り立てる裏切り者は必要よ」

「羊の調達は? サー・アルジェントの紙片にはなんと?」

「デュラハンの黒馬車は今宵に」

「あぁでは今頃」

「左様、羊は新鮮でなくてはならぬ」


「新鮮と言えば」


 羊の銀仮面の男が仮面に隠れていない唇を歪める。半月みたいな微笑みだ。でもそれは物知らずな僕の感想で、レティシアはちがった。


 レティシアの見開かれた眼は仮面の男の口にある二対の牙に注がれている。


「ヴァンパイア……」


 レティシアが僕の手を引いて逃げようとする。でも彼女の足の裏は地面に縫いつけられたみたいに離れない。どんなに膝をあげようとしても足の裏だけは地面から離れない。


「ベート! なんでッ!」

「覗き見かい、悪い子だ」


 声は背後から聴こえ、羊の銀仮面の男はいつの間にか僕らの背後にいた。彼の手が僕らに肩に触れる。氷のように冷たい手だ。でも悪寒は冷たさではなく恐怖かもしれない。


 僕は叫ぶ。わおーんと犬みたいに、ありったけの声と共に勇気を!


 三つ腕で羊の銀仮面の男の顔面を叩く。想像よりも遥かに鈍い手応えだ。どんな男でも握り潰して氷漬けにできるはずの三つ腕が、虫食いでスカスカの角材で叩いたみたいな感触しかなかった。


 でも攻撃を当てた事だけでも驚いたらしい。床を跳ねていく銀仮面を見つめる真っ赤な双眼と優美な顔が驚きに染まっている。


「ほぅ……! この年齢でオーラアーツを体得するか。惜しいなティエンのクラスに入れてもよい年齢だがキミでは強すぎる。羊にするならこちらのお嬢さんかな?」

「逃げてレティシア!」


 本能的にわかった、この男は影を操る! 三つ腕で床を破壊する。床を這う影はまるで生き物みたいに千切れて撓み、レティシアと僕の足元から離れた。


 速攻で決める。男の顎に膝を叩き込み、顎を掴んで首を上下真逆に捻る。人なら確実に殺した手応えなのに……!


「あたしも戦う!」

「逃げろ、こいつは戦っちゃいけない奴だ! 行け、行くんだ!」


 勝てたとしてもこの場には他に四人いる。戦うのは自殺と変わらない。

 三つ腕で向かいの扉を破壊する。思った通り外につながっている。


「レティシア早く!」

「いや!」


 レティシアは逃げなかった。彼女は絶対に逃げない。そんなことはわかっていた……


 飛び跳ねるレティシアが空中斬撃を放つ。ヴァンパイアの首へと一直線で走るユノ・ザリッガーは虚空を切っただけだった。


 彼女の背後に再び回ったヴァンパイアがレティシアの目蓋を下ろす。まるで死者にそうするように目蓋をおろされたレティシアはそのまま眠りに落ちた。昏睡の魔法だ。……カランと音を立てて手から落ちたユノ・ザリッガーは拾う価値もないと踏みにじられた。


「お前は要らない。彼女はいただく」

「レティシアを返せ!」


 三つ腕を混ぜて殴りかかるけど触れられない。彼女を取り戻すどころか先の一発がマグレだったと思い知らされる実力差だ。いやになる。


 拳で叩いたつもりが横に避けられ、三つ腕で壁を破壊しながら薙ぎ払っても軽やかに散歩するみたいに避けられる。基礎となる速度がちがいすぎるんだ。


 吸血鬼が僕の空けた穴から外に出る。追えるのはそこまでだった。外はバルコニーで、吸血鬼と四人の仮面の男は空に浮いている。


 三日月を背景に浮かぶそいつに向けて僕ができるのは吠えることだけだった……


「そんなに大事か。いいね、わたしは他人の大事な物を踏み潰すのが好きなんだ」


 僕は叫んだ。あらん限りの憎悪を込めて叫んだ。……手の届かない敵に対してあまりにも無力だった。


「再会は明日だ。帝都中の河を探すといい、この子はきっとどこかで見つかる。物言わぬ死体と成り果ててな!」


 ヴァンパイアが夜空を飛んでいく。愉悦混じりの哄笑と共に帝都のほうへ。


 僕は……

 遠吠えが、夜の森を駆け抜けていった。



◆◆◆◆◆◆



 いつもより静かな夜だ。貧民窟の住処で剣の手入れをするロステムは奇妙な胸騒ぎと共にそう思った。

 それは予感で、虫の知らせのような曖昧ないやな予感で、それだけでしかなかった。


 食卓ではウェンディが椅子に座りながら足をぶらぶらさせてる。もう冷めてしまった夕食がテーブルに並んでいる。


 エリックとアニマは二階で寝ている。あいつらが帰ってきたら起こしてと言われている。徒党のルールは夕飯はみんなと一緒にだ。


「あの二人遅いね」

「うっす」


 ウェンディはずっと心配している。ロステムは帝国公用語が苦手なせいで、彼女をなぐさめられない。だからいつものようにウェンディに寄り添っている。彼女はしっかり者だけど誰よりも臆病だから……


 レティシアは強い子だ。きっと自分の助けなんて要らない。不器用な自分にできることは武力をもって彼女の意志を通す助力くらいのものだ。


 だからウェンディに頼られるのは嬉しい。頼られると自分も誰かのために役立っているとささやかな誇りが守られる。


 この小さな子供達を守るのが自分の役割だ。自分の手なんて必要もないくらい成長した暁には故郷に帰るつもりでいる。


 あの炎に包まれて燃え落ちていった故郷に帰り、ロトルの子ロステムとしての使命を果たす。例え敵わずとも子々孫々受け継がれてきた誇りを胸に戦い散っていくのが使命だ。……使命が己の願いではないことはすでに割り切っている。


 いつかの日には、そういつかの日には凱旋する。己にそう言い聞かせてきたがいつかの日が近づいてくるのは憂鬱だ。そんな日など来なければいいと心のどこかで考えていて、そんな自分が時々ひどくいやになる。


 このままみんなと自由な冒険者をやり続けるのも悪くない。そう思い始めた自らの通らぬ筋と主家への不義理が葛藤となる。


「ま~だ~か~な~」

(たしかに遅いな……)


 レティシアなら無理はしない。だが調子に乗ると誰にも止められないから困ったものだ。ロステムは難しい悩みは放棄して、ぺこぺこのお腹をどうするかを考え出す。……一番いいのは早く帰ってきてくれることだ。先に食べやがったって怒られないからだ。


(だが食べてなかったら朝頃にぬけぬけ戻ってきた彼女に食べりゃよかったのにと呆れられる気がする……)


 扉がノックされた。コンコンと二回だ。

 パッと笑顔になったウェンディが玄関めがけて走り出す。やっと帰ってきたかって感じだ。……気が抜けていたのかもしれない。

 最近は流れがよかったから油断していたのだ。


 ウェンディが頑丈で重い閂を外して内開きのドアを開いた。


 外に立っていたのはシェーファとレティシアではなかった。嵐みたいな冷たい雨の中に二人の男が立っている。黒っぽいチェスターコートと山高帽子。表情のない大人が冷たい目でウェンディを見下ろしている。


「……あのぉ」

「ウェンディ、バーゼ!」


 ロステムが玄関へと、ウェンディへと走り出す。逃げろと叫びながら剣を突き出して二人の大人を害するために―――


「ノルベール・フリッドカトル! イエット ラバ ジ・サード・トレイラー!(そいつらは平民狩りだ!)」


 閃光がひらめき鮮血が舞う。ロステムの切断された右腕と剣が宙を舞う。だがロステムはウェンディに飛びつき、彼女を庇って背中を向けてそのまま逃げようと……


 ドス。

 逃走は敵わない。一本の剣がロステムの背中を突き破り胸から生える。その様も、引き抜かれた剣の代わりに噴き出す血しぶきも、ウェンディは最初から最後まで見ていた。


 唇が震える。歯がカチカチと音を立てる。動かなくなったロステムの重さを抱き締めたままウェンディは、表情のない大人達を見上げている。


 恐ろしさが、恐怖が、けっして拭えぬ泥みたいにウェンディの顔に張り付いている。


「怯えることはない小羊ちゃん、これから往くのはただの屠殺場なのだから」


 満月みたいに見開かれた瞳から涙がこぼれる。ゆっくりと近づいてくる大人の腕が、ウェンディのノドをきゅっと締める。まるで鶏の首を絞めるように。

守銭奴4%→4%

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