武器マニアに売りに行くの巻
誤字報告ありあとあす!(ラーメン屋の店員ふう)
どうして誤字が発生するのか、この果てしない疑問に苦慮した結果ワープロソフトについてる誤字修正をぽちっと押したら誤字じゃねえところまで判定されてちょっとショック。
自分でワードソフト作ろうかと思って知人に相談したところ国語の教科書を渡されてしまいました。小1からやり直せって言い分のようです。悲しい。
誤字との戦いはまだまだ続くみたいです。投稿する前に一回きちんと読み直せバカって思われるかと思うのですが、松島の目はフシアナです。確実に見逃してしまうのです。悲しい。
ひと晩ぐっすり眠ってから山分けタイムと言ったな? あれは嘘だったよ!
死の谷底から帰還した日の夕方。俺はすげえ勢いのビンタで叩き起こされた。なんで!?
目の前にシェーファがいるんだがすげえゲスい顔してやがるぜ……
「ダンジョン攻略するとすげえ大金になるなあ。ゲヘヘヘへ!」
「もしかしてそれ俺の顔マネのつもりか? 超似てねえよ?」
「そっくりだよね?」
「うん、あいつには才能がある」
カトリとベティが示し合わせたような同意である。リリウス君はあんなにゲスいの? 嘘だよね?
顔マネ成功でみんなとハイタッチしてるぜ。こいつの汗輝いてるなー、もっとスポーツとかで輝けバカ。
俺が拗ねてるとフェイが鑑定書を出してきた。S鑑定の鑑定書持ってくるとか有能すぎる。やっぱり世の中はネームバリューだ。どっかの露天商が誇大広告するポーションなんて誰も買わないように、S鑑定の鑑定書付きってだけで安心感がある。その分高いけどね。
ちなみに安い鑑定師ルーに鑑定してもらうと一品あたり銀貨五枚らしい。うん、信頼感がダンチだねS鑑定。
「てゆーかひと晩休ませてくれよ。なんで夕方に起こすわけ?」
「わたしは早く大儲けしたいんだ……!」
シェーファ君や、そんな血の涙流しながら力説せんでも……
でもわかる。冒険者の醍醐味ってこういう嬉しい臨時収入だからな。これで燃えない冒険者は冒険者じゃねえ、ロバかなんかだ。
ロバへの深刻な風評被害である。あいつらけっこう役に立つんだよ、安い労働力としてね。田舎だと荷車ひいてるし。
「起こした理由は買い手はどこにするって話なんだ。君は色々顔が広いだろ?」
「銀狼団ほどじゃねえよ」
「いや、君に任せるべきだと私の直感が言っている」
ドケチセンサーかな?
たしかにイースの総帥は元カノだしシュテル王子とも縁がある。困ったら来いとまで言われている冒険者は俺くらいだろう。対価は絶対面倒な依頼だけど。
「定石ならイースに持ち込むべきだな。武具マニアのおっさん王子の方が高値付けそうってのもある」
「ならシュテル騎士団長だろ」
「簡単に言ってくれるぜ」
俺の懸念を理解して苦笑しているシェーファである。こいつも砂のイルドキアの御用商人やってる側面があるから、王族の無茶ぶりには苦労してそうだぜ。って、なんでうちの国の王子がイルドキア君のパシリしてんだよ!
ま、儲かるなら限界まで儲かる方法を取るのは商売人として正しい選択だけどなあ……
という気軽さで空中都市にある黄金騎士団本部に一人で行くと顔パスでおっさん王子への面会が通ったぜ。だって門番がいつも俺を捕まえにくる騎士さんだったもん。
ガハハ笑いするバモス騎士(34歳既婚)に連れられて執務室へ。おっさん王子が護衛数名に取り囲まれながら、書類仕事をしていた。
ちょっと待ってろと言われたのでソファにかけて待つ。やがて書類がひと段落したシュテル殿下が顔をあげた。相変わらず純粋な子供みたいなくりんくりんの目をしてんぜ。
「おう、何の用だ?」
「用件は伝令さんに伝えたはずですが?」
「忙しくて聞き流した。どうせこれから聞くしな」
これである。こんな尊大な仰せにも関わらず悪意ゼロだからすごいぜ。効率重視だ文句あるか程度の勢いさえねえんだ。
「じつは買い取って欲しいものがありまして……」
「ほほぅ、見せてみろ」
おっさん王子の目が光る。この人俺らの装備を言い値で買おうとしたくらいの武具マニアだからなー。
頭陀袋から武具を取り出してテーブルに並べる。S鑑定の鑑定書も添えたがおっさんは自分の眼力でじっくり見ているぜ。武人は鑑定師より己の目を信じますよね!
「ふ~~~む、いい品だな。ダンジョン産か?」
「わかりますか?」
「これだけ良い武具なのに使用感のない新品となれば迷宮が生みだしたレプリカと相場で決まっている。どこだ?」
このなにげない質問は素直に答えちゃまずいのである。
俺は死者の谷底ダンジョンを破壊した。ダンジョンコアを壊さない攻略なら一定の期間をおいてダンジョンは再稼働する。しかし破壊したらダンジョンは死ぬ。もう死者の谷底からは何も得られない。
ダンジョン破壊者は悪魔だ。大勢から石を投げられ、国家からは討伐される忌むべき人類の敵なのである。
「おおおおお俺も知らねっ……友人からのいただき物でして、そのぅ……」
「その友人とは何者だ?」
「大ドルジア帝国騎士団員ルドガー・マクローエンですはい」
俺氏華麗にルドガー兄貴に責任をぶん投げる。恨むなら俺の育ちの悪さを恨んでくれたまへ!
「ま、深くは問うまい」
そして瞬時にバレるウソ。やっぱ王族って本質を視る目が備わっているんだな。
おっさんが特に興味を示したのは聖銀の天地剣だ。やけに長い柄をいじってる。
「こうか」
柄が二つに分かれた。そういうギミックも付いてたのかー、さすが武具マニア。
二つの剣となった天地剣を素振りしてるぜ。
「……重心が悪いな、こちらはオマケで馬上剣としての使うべきだな」
「なるほど、そういう用途なんですか」
騎兵として戦場を駆ける騎士は普通は利き腕に武器、もう片方に盾を持つ。でも超攻撃的な騎士は二刀流で戦っている。上下両方に刃のある天地剣は両手でぶん回す騎兵武器なんだな。
「なんだ貴様そんなことも知らずに持ち込んだのか。騎兵武器はコンセプトとして歩兵武器とは異なるがゆえに中々奥が深いんだぞ……語っていいか!?」
「長くなります?」
「おぅい、酒をもて!」
「まだ承知してねえよ!?」
「馬鹿野郎、冒険者なら武具知識も必要になるだろうが。俺の話を聞いておいて損はない。まぁ聞け、で珍しい武具を見つけたら俺に持ってこい。ウィンウィンだぞ! ガハハ!」
隣室で待機してた侍女さんたちがお酒を用意して去っていく。テキパキしてるぜ。
これ俺もシュテル団長の御用商人化する流れじゃね? この人気前がいいからいいんだけど、ゼッタイ面倒事も押し付けられるからあんまり関わりたくないんだよなー。
キンキンに冷えた冷酒を飲みながらこの後めちゃくちゃウンチク語られた。
そのうち実際に見せてやるって騎士団の武器庫に連れてかれる。頭のおかしいサイズの大剣があったり用途不明の長筒があったり、たしかに奥深い世界だ。筋力がゴリラ超えてる騎士が扱う武具なんだ、そりゃあ地球には存在しない謎武器がゴロゴロしてるんだ。
武器庫をぐるっと一周すると時間はとっくに深夜である。おうちに帰りたい……
そして執務室に戻って本題だ。
「まとめて買い上げてやってもいいぞ。ただし条件がある」
「今後も面白い品見つけたら売りに来い?」
おっさんがニッカリ笑うぜ。養子のナルシス君は輝くばかりの美青年だけどおっさんは愛嬌があるんだよな。人間性がよさそう的な。
「わかっているじゃないか。基準額プラス100ユーベルでどうだ?」
「鑑定師のファティマちゃんは出すとこ出せば馬上剣だけで1000ユーベル越える可能性があるって話でしたけど?」
「じゃあ200プラスでどうだ?」
軽々しく金貨百枚上乗せしてきたな!
マジかよ、金貨百枚の価値が暴落するレベルの軽々しさだな。最高だよおっさん。あんたの金銭感覚ゆるくて最高だよ!
「えへへへ、靴舐めていいスか?」
「それはやめろ」
騎士団本部から出た俺はペコペコ頭を下げながら、ずっしり重い革袋を抱えてよい気分なのである。全部まとめて1420ユーベルの取引である。この金額けっこう成功してる大商人でも生涯で稼げるかどうかっていう純利益なんだ。びっくりですね。
◇◇◇◇◇◇
翌日、シェーファの屋敷に集合して死者の谷底を破壊した面子七人で報酬を均等分配する。一人頭200金貨である。20枚はどこに消えたんだって質問はやめてくんな、リリウス君のお財布に消えたのさ。
ちなみに金貨二十枚ってのは下層街の戸建て建築が買える金額だ。
「この手の大型取引はとにかく時間がかかるものだがひと晩で、それも基準値よりも200ユーベル多く売り捌いたか。やはり任せて正解だった」
シェーファも大満足の商談である。報酬は予め七つの袋に分けてある。貰ったみんながホクホク顔してるぜ。
報酬の分配が終わるとさっそく次はどこのダンジョン攻めるって話になる。みなさん味を占めましたね? 一日半で平民の生涯年収の五倍稼いだもんな。こんなんまっとうに働く気が失せるわ。
ティトの地図を広げてあれやこれやと大騒ぎ。でかいダンジョンほど儲けもでかいぞ!
わいわい騒いでる最中にカトリが気づいた。
「これ、死者の谷底は危険値に入ってないね」
「うん?」
死者の谷底MP79%(-4+1) CP7442(121-3)
この表記の説明をするとMonster-Paradeの発生基準値は79%。100%とはパレード発生に必要な魔素が蓄積されたことを意味し、その100%以上であればダンジョンの気分次第でいつでもパレードが起きてしまうんだ。
ちなみにCritical-Point2000-4000-8000でもパレードが高い確率で発生するらしい。ダンジョンが本能的にさらなる進化を求めて多くの魔素を必要とする段階なんだってさ。一万を超えると臨界点に達し、いつ邪神が復活してもおかしくない状態となる。
かっこ内の数字は前回訪問時から何ポイント上昇しているか。マイナスは前々回との数値の差分。で前回の訪問がWD803.9ってあるから俺がティトと初遭遇した直後か。前々回はWD801.4。
こうした表記が延々書かれている地図を改めて読み解くと違和感しかない。死者の谷底は臨界には遠い。二年半で121ポイントしか上昇していないダンジョンが一年足らずの間に2558も上昇するか?
あれ、俺読み方間違えてる?
「リリウス君この説明聞いた時お酒飲んでたんだよね?」
「いやいや素面でしたって」
まだビール七杯しか飲んでなかった。それはドルジア人的に素面判定余裕なんだ。大ジョッキ10杯超えてからが酒を飲んだとなるのである。
あれれ、フェイ君まで怪訝な目つきしてんな。
「お前これけっこう大事なことだろ。すぐに確認しろ」
「確認て誰に確認すればいいのか……は!」
助けてアルルカン!
あの文無し吸血鬼なら絶対知ってるよな。ってことで宿に戻って厩舎でお話を聞いてみるぜ。さあ土産のワインでも飲みながら気分よく話すんだな。
動物が一匹もいないのに冒険者と怪物だけが転がってる厩舎で、文無し吸血鬼が断言する。
「ダンジョンも生き物だから絶対はない」
「いま……」
「うん」
「地図の価値が大幅にダウンしたぞ。もしかしてこれ要らないんじゃ?」
「闇夜の蝋燭程度は信頼できるさ。ティトも以前はあれこれと警告して回っていたらしいが予言した時に限ってパレードが起きず、臨界もせずと嘘つき扱いで石を投げられてきたようだ」
神様に石投げる不敬もんがいるのか。最悪だな。って思ったけど俺も添い寝しようとしたティトを蹴ったことあったわ。
「地図はあくまで目安でしかない。実際にどうかは行ってみないとわからないからティトはあちこち回っているのだ」
地図作った本人でさえ嘘つき扱いされてるんだ。本当にイレギュラーが多いんだろうな。そりゃティトいるのに有史以来幾多の王朝が滅びてきたやらって話だ。ダンジョンさん抜け目ねえんだな。
「おい、この死者の谷底には新生体がいたぞ。このレベルの数値の差異でも臨界が起きるものか?」
「普通はありえない。私が知る限り最も大きな誤差は400値程度のはずだ」
「どういう事態だと考える?」
「良質な餌に恵まれたのだろう。聞けば谷一つがダンジョン化しているのだろう、繁殖地を探して迷い込んだワイバーンの群れでも押さえれば百程度の上昇はありえる」
つっても2500だぞ。どんだけ住処に困っとんねんワイバーン。なんだか可哀想な話だな、動物愛護法的に。
そしてアルルカンが話をまとめる。
「何事も絶対はない。我らの時代は安全マージンを取りCP9000台の迷宮は見かけ次第潰していたが、ティトはあれで楽観的な奴だ、ギリギリまで粘ろうする。奴のお優しい性根は変わらん。お前が決断してお前が先に潰してやれ」
あー、これティトに色々不満ある感じだな。友達も恋人も長く一緒にいると嫌な部分が目につくようになるからなあ。触れんとこ!
「やっぱり屋外タイプのダンジョンは早めの方がいいか?」
「今回のケースはかなりのイレギュラーだがその方がいいだろう。あまり派手にやりすぎると国家間のバランスも崩れる、慎重にやることだ」
アルルカンには困惑するぜ。だって親切なんだもん。
吸血鬼とは何度かかちあってきたけど、ここまで人間的な吸血鬼は初めてだな。こいつ親戚のおじさんくらいの感じで接しにくるんだよなー。
とりあえずお礼を言ってから厩舎を出る。でもフェイはまだ質問が足りなそうで???って感じだ。
「国家間のバランスってなんだよ」
「軍隊って魔物倒してレベルを維持してるわけじゃないじゃん。主にダンジョンから産出される魔素入りのブーストポーションの数が減ると軍隊が弱体化するじゃん。そーゆーバランスを考えたらイルスローゼでダンジョン一個潰すと他の四大国でも一個ずつ潰さないとイルスローゼだけ弱体化したことになるんだよ」
「そういうことか。……厄介な役目だな、そんなことまで考えにゃならんのか」
超簡単に説明したが実際はここまで単純じゃない。国内の魔素流通量が減れば輸入に金をかけなくちゃいけない。その余分な金をてっとり早く調達しようと思えば国家が最初に手をつける財布は国民の財布。つまり増税だ。
税金が上がればいろいろな問題が噴出する。農村では口減らしで子供が奴隷商人に売られるし生活できなくなったまっとうな平民が山賊化するし、増税をきっかけに余計に徴税をして私腹を肥やす代官もいるだろうし、この色々な問題ってのは国家全体が軋むってことなんだ。大抵が長期化して結果国家は弱体化する。短期的に軍隊の質を維持できても長期的に見れば軍隊へ流せる軍備費は確実に減るからだ。
ダンジョンから莫大な富を持ち帰る者は英雄だ。シュテルみたいな国家の重鎮も大喜びで歓迎してくれる。
だがダンジョンを破壊し莫大な富を失わせる者は悪魔だ。騎士団は積極的にこれを狩りに来る。
アルルカンの言葉はうまく立ち回れという忠告だ。その忠告の意味が俺にはどう解釈したって、俺を心配するものに思えてならないから困惑している。
アルルカンへと感じる不思議な郷愁。恐ろしい怪物へのものじゃない、父や母に対して感じる無制限の安心感はなんなんだ?
あいつはどうして、あんなにも優しい眼差しで俺を見るんだ……?
俺はあいつを信じてもいいのだろうか? 信じられるのだろうか……?
誰も信じずにここまでやってきた。母エリーヤ毒殺の嫌疑を否定した義母を嘘だと断じた。
『知性なき子供に何を言うてもせんなきこと。わたくしがやっていないと言ったところで信じられぬのでは押し問答ではありませんか。あなたは本当の意味で野良犬なのですね、であればどこでなりと一人朽ちて死ぬしかないではないか』
誰の言葉にも耳を貸さずにここまでやってきた。愛を囁くファラさえもその心の奥に打算があると信じ、疑い続けた。
恩を売っても安心できない。利益で縛りつけても安堵とはほど遠い。
でも俺が誰かを信じられたら、この人生は豊かで温かみのあるものになっていたのだろうか……?
鳴りやまぬ猜疑心の声にさえ耳を閉ざして、俺は……
◇◇◇◇◇◇
若き神狩りの一党が厩舎を去っていく。その頼もしい背中を見つめながら吸血鬼はくつくつと笑い、葡萄酒の瓶を傾ける。
「救世の志は未だ芽生えず…か。そうだろうとも、私だってそうだった」
志とは使命感である。使命感とは神に与えられるものではない。自らと誰かが懸命に水を注ぎ成長させゆくものだ。
祈りだ! 祈りこそが聖戦士を成長させる。
人々の感謝の声と胸に満ちる誇りだけが神狩りを本当の意味での救世の英雄へと変えていくのだ。
「彼らにはまだ祈りが足りない。一度くらいパレードを経験しておくべきだろうが……いや不謹慎だな、元とはいえ救世の御手が悲劇を願うなど、クククク……」
「おじさま機嫌よさそう?」
隣の馬部屋に隠れていたクトリが顔を出した。どうもあの神狩りとは相性が悪いらしく、ずっと隠れていたのだ。
非番の日に若い娘が宿でゴロゴロしているのはどうなんだ? どこかに遊びに行けばいいのに、とは思ったが遊びに行く金がないらしい。この点は世話になっている身では何とも指摘し辛いものだ。
いま少し魔法力が充実すればつながりの断たれた固有世界との接続が回復する。牙の城に溜め込んだ無尽蔵の財貨があればクトリへの報恩は容易い。何しろあの宝物庫には神狩り時代に入手した伝説の武具がゴロゴロ転がっている。一つ売れば貴族位が買えるほどの宝物が千も万もあるのだ。
「機嫌が良さそうに見えるかい? さもあらん、友の末裔がああして我らが使命を引き継いでくれているのだ。これほどに心浮き立つことがあるかよ」
「えぇ~~~! あの義賊君がぁ!?」
去り行く若き神狩りよ。あの頼もしき背中に幻視する友の面影よ。
銀狼のごとき剣士と風の魔女の面影を見つめているとふいに落涙する郷愁が胸を締め付ける。もう顔も思い出せなくなった友の面影を取り戻し、アルルカンは良い気分で酒瓶をあおる。
時代はいつでも英雄を求めている。老兵は若き英雄の活躍を喜び、たまに助言するくらいでいい。今は彼らの時代なのだから。
「願わくば世界に救世のもたらされんことを」
老兵は祈りをくべる。願わくばこの祈りが彼らのちからにならんことを。




