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 時は遡りウェンドール804年の三月二日、フェスタにて祖国奪還軍が立つ三月前の事である。


 晴れ渡った青空に浮かぶ白亜の塔。無数に屹立する尖塔の間を飛ぶ白鳥の群れが、郊外の湖に降り立っていく。


 百塔の都と呼ばれるビーストサンクチュアリ首都レイクバード。放射状に広がっていく街並みの中央に共和国の中枢、中央統制府がある。


 幾多の塔の中でも最も高いセントラルタワーの最上階。塔の合間を飛んでいく鳥たちの美しさに魅せられているジェイド・ロゥは天翼人フェザーテイルの秘書官が読み上げる書類を聞いていないふうで聴いている。


 獣の聖域では酒は公的な集まりでは出されない、多くの亜人は酒を毒物だと忌み嫌うためだ。あんなものは所詮トールマンとドワーフとエルフの人界の三覇者が好んでいるだけ。


 六枚つづりの書類が語るフェスタという国家の内情を聞き終え、香りだけを楽しむように紅茶にキスをする。


「ストレリアの統治は第二段階に入ったな」

「帝位簒奪に際し手を結んだイルトゥーク公、ラザイラ公、ベルフィオーレ公との四強体制を確立させ国力の維持をしてきたのを第一段階としたうえで次の体制への移行か。あの女もよくよく国を回す」


 このように応じたのはユニコーンのような長い角を持つ法衣の女性。見た目こそ二十代でもとおる美しい容姿をしているが、齢800年を数える年経た精霊王である。


 白のエヴァンジェルは嘲笑するみたいに最後にこう付け加えた。


「どこまで読み切っていた? ここまで人を操れるかよ、だからルーデットは恐ろしい」

「左様ヒトは恐ろしい。我らがひと眠りふた眠りしている間に考え付かぬことをしでかす」


 気の長い長命種の中には一度眠りにつけば一年や二年は平気で眠る連中もいる。


 精霊種と呼ばれる彼らも正しくその例に当たり、生活リズムが定命の種族とはあまりにもちがいすぎる。だから彼らの人生には、伝説の総艦長カーディアス・ルーデットの足元に隠れていた幼子がちょっと目を離した隙に立派な顎髭をたくわえていたような驚きもある。


 ヴァンパイアロード・アルルカンが円卓の隣に座する伊達男を見つめながら、血入りの酒杯を掲げる。それは総評を求めてのものだ。


 彼らに人の心はわからない。かつて人だった者もいるかもしれないが、もう人の心はすっかり失くしているせいだ。人の事は人に聞くに限る。この場合は十三王会議で唯一の人であるアルトリウス・ルーデットだ。


「殺して奪った座だ、殺して奪われる危険を排除しようと思えば同格の三公爵の排除を目論むのは必定。ある程度の人材育成が終わり、体制に余裕が出てくればこのように下手を打つ可能性もあったというだけだ」

「おい待て、我々にまでミスリードを使う気か!」

「十年かけて待っていたのだろ? だから動かなかった、動くべき機運を読んでいたからだ」

「否定はしないよ。十年待ち続けたこの機運を逃す気もない」


「どう動く?」

「新体制下で弾かれる三公と中小貴族層をまとめて取り込む」

「……ふむ? 我も人であったのはもう千年も前、人の思考回路などさっぱりわからぬ身であるが本当に可能なのか? トライデントを二分するクライスラー派は三公を拒むのではないか?」


 先の皇帝家クライスラーは帝位簒奪後も国内に留まり、転戦を繰り返して抵抗活動を続けてきた筋金入りの武闘派だ。


 当時のクライスラーを狩りにきていたのは四つの公爵家と彼らにすり寄りたい弱小貴族家だ。保身のためにバーネットに与した者どもへの恨みは未だ深いはず。


 現当主アリオスは未だ十五歳。血筋で言えば遠縁の子であり家臣団に祭り上げられたにすぎず、後ろだてであり実権を握る家臣団は強固に拒むだろう。そして彼らは陸軍の元エリート集団だ。彼らと敵対すればトライデントは空中分解する。


「クライスラー派には怒りを呑ませる」

「可能なのかい?」

「成否の話はしていないよ、必ず呑ませるのだ。例えそれが沸騰する鉛であろうがどんなに嫌がろうが必ず呑ませる」


 アルトリウス・ルーデットの言葉を受けた魔性の王侯どもは言葉を失った。


 ルーデットがやると言えば絶対に実行される。絶対に行使される有言実行。絶対に覆らない未来への宣言。だからこそルーデットは長命の王侯からも恐れられている。何代かけても何百の時が流れても必ず実行するからこそのウェルゲート海の死神である。


 ヴァンパイアの王も精霊の王も天翼人の王もそれを理解し、だから代替わりの度に必ず友誼を結んできた。

 亜人の聖域ビーストサンクチュアリ十三王位の一つがルーデットに与えられてる理由は運命の如きその最強の力ゆえに他ならない。


「ストレリア・バーネットは本質的に独善的な趣味人だ。実利も効率も民意も捨てて最後には必ず己の欲望を取る。己が愚行を嘲笑しながら必ずね」

「となれば帝位簒奪の狙いは古の六王の兵器庫か。とはいえ我らも神代を知らぬ」

「アーシェスなら知りようが困ったな。あれは引き籠ったままだ」

「そう恐れる事もあるまい、所詮は滅びた種族の遺産よ」

「ははっ、その遺産に散々やり込められてきたではないか」

「最悪機械巨人が出てくるかもしれんな。あれとやり合った者はいるか?」

「ほぅ……! 手強いか?」

「強度の干渉結界を備えているアロンダイクの塊だ。我らの爪も牙も通らぬ」

「ヴァンパイアの天敵というわけか。僕らには関係ないね」


 アトラクタ・エレメントの少年王が嘲笑する。反感は大きかった。何も知らぬ小僧めがという若者を軽視する反感であり、ゆえに若い諸王は意固地に生意気を口にする。このあたりは短命種も長命種も変わりない。


「最悪の話であろ? そんな物を入手したならストレリアがオモチャにしないわけがない。出てこないのは手に入れていない証よ。だがようやく我らに声が掛かった理由がわかった。イルスローゼとベイグラントを動かし量を得たならば質の話だ」

「決戦戦力のみでよいというならありがたいね! 血の狂化性質を持つ我らは劣る者へのフォローには向かない」

「共食いを始めよったら斬り捨ててやるわ。ジェイド書記長殿、協力でよいか?」


「ええ、五大国がそのバランスを維持してくれるのは我らが獣の聖域にも好都合。一応採決を取ろう。此度のアルトリウス・ルーデットからの要請、フェスタ奪還に異議のある者は剣を掲げよ」


 十三王は誓いの剣を携えて参加する。意義があれば剣を掲げ、議題提唱者を打ち負かして議題を取り下げることができる。


 ちから無き者に参政権も拒否権も許されないのが聖域の掟だ。そして剣を掲げる者はいなかった。


「全会一致、此度の要請を承認する。アルトリウス、作戦を詰めてくれ」


「聖域の戦争に細かい作戦など必要ない。我がベルクレストが戦場まで運ぶ、好きに暴れてくれ」


「戦場はエレンデュラになるはずだ。いまのは皆殺しを容認するものと聴こえたが……実際そうなのだろうな」

「ヒュウッ♪ だからルーデットは好きだ。人の考え方から逸脱している」

「ただしストレリアの首は私に獲らせろ」


 幾つかの取り決めだけをして席を立つ。副官のカラウスから軍服の上着を受け取り袖を通す。


 付き従うカラウスはすでに総艦長の思考においつけずにいる。それも当然だ総艦長の思考を読むには世界最高の頭脳でも足りない。ルーデットとは人でありながら怪物の一族だ。本能で正解を導き出し、不屈の心で勝利の日まで戦い続ける無敗の怪物。幾度負けても最後に勝つからこその死神である。


 アルトリウスはすでに終局まで読み取っている。ようやく掴んだストレリアの一手のミスだけでその首を獲る未来を確定させている。


「詰んだぞストレリア! 何を焦った? 無能な息子どもを柄にもなく憐れんだか? 一代限りの怪物が体制を望んだ結果が自滅か。だがようやくお前をくびり殺してやれる!」


 同年六月十二日、サン・イルスローゼはイストリア海軍基地からベルクレスト号を旗艦とする大艦隊が出港する。


 カーリング級65隻。オーグ級35隻。オジマーン級15隻。ピースメイカー級空母10隻という稀に見る大艦隊である。操舵要因である水兵を除いた搭乗戦力は32000、すべて水増しなしの騎士相当戦力であり、国家英雄は88人。

 この戦力は国家を破壊しすべてを殺戮してもあまりある大戦力である。


 同月十八日。この大艦隊の静かなる進軍を最初に発見したのはフェスタ無敵艦隊に所属するオーグ級船籍だった。


 当直のマスト要員は、先頭にベルクレスト号を押し立てて進軍する大艦隊発見の報を艦長に伝え、その打電はすぐさまクレス島の海軍基地へと伝わった。


『領海に艦隊あり。ベルクレスト号帰還せり』


 このとてもわかりやすい知らせを受け取った海軍大将ゲイル・バーネットはすぐさま見てみぬフリを命令する。


「よい、捨て置け」

「なりません。あれはルーデットです、祖国を蹂躙するための軍なのです!」

「貴様はいつから政治に口を出せる立場になった? すべては皇帝陛下の策の内だ、イルスローゼを味方につけようがルーデットの運命は決まっている。母なるフェスタの大地こそが奴らの墓場となるのだ」


 そうだったのか!と驚く司令部の面々には内心舌を出している。


 イルスローゼ艦隊を素通りさせて本国まで無事に送り出すのはライアードの謀略であり、現政権への反乱だ。この事実を知る者は総艦長の腹心数名のみだが超縦社会の軍隊では最上位司令官数名の意志が総意となる。


 同月二十日、空母20隻を率いてきたベイグラント海軍が艦隊に合流する。潔く航空戦力を大量動員してきたベイグラント軍の指揮官はラスト第三王女。


 艦隊先頭に立つベルクレスト号と並走するラスト団長の旗艦空母から、彼女は世間話の気軽さでおしゃべりに来てしまった。暗黒のバージンロードのように両軍艦の間にかけられた魔力の腕を渡り、若干腰の引けているロン毛の伊達男へと抱き着こうと……


「どなたですの!」

「アイッター!?」


 総艦長と思わせるロン毛の伊達男が殴られてしまった……

 床をゴロゴロ転がっていったおっさんの頭からカツラが取れた……


 長~いロン毛のカツラが宙を舞う……


((ルーデット卿はハゲていたのか!?))


 ベイグラントのみなさんが衝撃の事実におののいておられる。

 でもそうじゃなくてベルクレスト号の船長は副官のカラウス・マテアトにすり替わっていただけだ。いぶし銀のハゲ親父が痛む頬をさすりながら釈明する。


「ラスト殿下、これには深い理由がありましてね」

「そんなのいいからわたくしのお髭のおじさまはどこ!?」

「私もお髭のおじさまなんですがね……」


 かっこういいおじさまではなかったのがカラウスの敗因だ。


 このベルクレスト号は偽装したオーグ級。艦長もフェイク。となれば本物は別の位置についての切り札だ。こうした説明がラストの心に響いたかはわからない。だってステキなおじさまと海上デートしたいだけなんだもん。


「お話はわかりました。ですが味方を欺くような策は好ましくありませんわ」

「すべてを欺いてこそ奇策なのです」

「好みの問題です」


 正しさよりも好き嫌いの問題とはじつに女子供らしい。内心嘲笑するカラウスだがラストの猛禽類の眼に睨まれると肝が冷えた。これはどうもそういう次元の話ではなさそうだ。


「ですが頼もしいでしょう?」

「ええ、その点だけは認めております。でなければ帰っておりますわ」


 本当に帰りそうだって理解したカラウスがくしゃりと顔を歪める。

 さてはあのダンディヒゲ野郎、このキチガイ女の相手が嫌で俺に押し付けやがったな?って思っているが誤解だ。


 やがてグリフォンに騎乗する太陽の王子シュテルがやってきた。この世で最も尊い血族のアラフォー王子がハグをしようとものすごい笑顔でやってきて、ジロッと睨まれてハグをやめた。


 昨年のルーデット派排除事件の舞台裏でフェスタ軍艦を襲撃したラストを逮捕した件がいまだしこりになっているらしい。


「……まだ根に持っておられるか」

「側室なんて言ったことは生涯忘れませんわ」

「あ、そっちか……。だが妻と別れろなんて言ってくれるなよこれでも愛しているんだ」

「ええ、ですから奥様と仲良くおやりになっていればいいではありませんか」

「何のケンカ始まったんですかね?」


 三軍の代表が揃ったこの場にはもう一人いる。シュテル王子のグリフォンに相乗りしてきたツルッパゲの初老の教師だ。彼の登場でハゲ率が一対一になってしまった。


 ラサイラ魔導学院の鑑定師コパ・ベランである。戦時における鑑定師の重要性を知るシュテルからの要請でフェスタ攻略のアドバイザーとして従軍している。


 ラストはコパと目が合うなり音速で抱き着いていった。


「先生!」

「ラスト君も元気そうだね」

「先生ぃ~~~~婚期を鑑定してくださいまし~~~!」

「それは未来視の領域だね。ま、何事も焦る必要はないよ。私も妻と結婚したのは40を超えてからだ」


 他者の虚偽を見抜く看破スキルの暴走で塞ぎこんでいたラストのためにベイグラントに出張鑑定に行ってから師弟のような関係性にある。スキルの暴走に苦しむ若者を教え導くのが彼の使命であり、一ヵ月の出張で300ミスリルという大きな依頼だった。


 シュテル王子がなんだか切なそうなお顔でコッパゲ先生を見てる……


「貴様、俺よりモテそうだな」

「英雄色を好むもほどほどになさいませんと火傷では済みませんよ」

「血を残すのは王族の義務だ」


 アラフォー王子が一般論に逃げたところで話し合いが始まる。

 まずはルーデット卿の代役カラウスからだ。


「エレンデュラを消滅させる気でお願いしたい。出し惜しみなしの開幕からです」


 祖国の帝都消滅を願う発言には両軍の長も動揺する。事前にそうした打診を受けていたとはいえ、やはり実際に耳にすると威力がちがう。


「ストレリア・バーネット、それほどに危険か?」

「防衛戦争に回られると総艦長でさえ勝ち目がないほどです。大原則として干渉結界の強度を保つこと、これを忘れると広域即死魔法が飛んできます」

「フェスタが相手なら呪術対策は必須だ。ミスリルの装備は全員に行き届いている」

「対策済みに対する対策もエレンデュラには仕込まれております。あそこにはデス・パレード・オーバーデスを増幅する装置があるんですよ」


 当然のようにぶちまけられたのは帝都防衛における最重要機密だ。砦からの魔法射撃にかまけて結界の強度が落ちたところに即死魔法が飛んでくる。これがフェスタの無敗伝説を支える裏方装置というわけだ。


「油断ならんな、アルテナ神官をたっぷり積んでこいと要請されるわけだ」

「ええ…と、では相対座標で固定したディスペル・フィールドを干渉結界の先に展開する形でよろしくて?」

「ええ、それで問題ないはずです」

「私からも一つ。フェスタの呪術は魔法王国パカの技術を解析したものです。ディスペルは敵いません、干渉結界で減衰させるしかない事だけは肝に命じておいてください。鎧の下にミスリルのメッシュを用意しておくのも効果的です」

「プレートメイルだけではならんか?」

「あれは飛来する魔力の腕が心臓を握りつぶしに来る魔法ですからね、チェインシャツで指を破壊してやればいいんですよ」

「言われたとおり用意はしてきたが凄まじい金額だったぞ。卿はこの莫大な戦費をどうやって支払うつもりだ?」


「何もかんも終わったらアンセリウムで在庫一斉オークションをやります。ルーデット家秘蔵の超が五つは付く伝説のマジックアイテム大放出ですぜ。売り上げを楽しみにしててください」


 つまりはルーデット家が2000年に渡って収集してきた秘宝が出てくる。キャプテン・ルーデットが幾多の海戦であげてきた首級とどうじに手に入れた戦利品もあり、過去イルスローゼの宝物だった品もゴロゴロしている。

 忌々しいが買い戻すチャンスと聞けばシュテルの頬も緩む他になかった。


「まったく楽しみな話だな。おい、後で俺にも招待状よこせ」

「うふふふ、わたくしにもね」


 ウェルゲート海を進軍する艦隊は何の邪魔も入らぬ順調に日程を消化していく。この時期は例年荒れる海であるが神々の悪戯のように晴天と良風の日々。まるで早く戦えと急かすかのようだ。


 フェスタ近海に入った。魔導師部隊は防御に注力を始め、観測員は微かな予兆も見落とすまいと目を凝らした。


 大艦隊がルーデット市を左に見ながら海峡を抜ける。海峡を通過する間に一騎のグリフォンがやってきた。交渉要員を示す紅白の旗を掲げるのはライアード総艦長だ。


 ベルクレスト号に降り立ったグリフォンから飛び出してきたライアードとカラウスが握手する。いや、互いの手を握りつぶそうとしている。


「久しぶりだなぁ破戒僧! すいぶん肥えたじゃないか」

「チビがだいぶ成長したな。散々殴ってやったから心配したぜ」

「なんだ貴様ら知り合いか?」

「同じ船のクルーって奴ですよ。カーディアス総艦長時代の死神船のね」


 かつて同じ船で寝食を共にしたクルーは敵味方に分かれて争っている。でも培った友情が消えるわけではない。ライアードもカラウスも互いに気にくわない奴だって知っているのと同じくらい、頼もしい味方になることを知っている。


 船のクルーっていうのはそういうものだ。個人的な感情から反りが合わなくたって、運命共同体だからこそ生まれる信頼がある。

 温めるほどの旧交もない二人だ。またその時間もないのでシュテルが必要なことを質問する。


「ライアード殿はルーデットに与すると考えてよいのか?」

「無論。共にストレリアを討つ覚悟だ」


 この答えは信用でき、この問いはラストとシュテルがしなくてはならなかった。亡命中のお尋ね者には虚言を吐けても五大国の王族に虚言を用いれば卑劣漢のそしりは受ける。それは総艦長の大役に泥を塗る大罪だ。


 後世にライアード・バーネットはだまし討ちを好むクソ野郎、偉大なる総艦長の座を汚した卑劣漢と書かれるリスクを考えれば、信用できる回答といえる。


「我らに大軍を出させておいて貴様は単騎、ということはあるまい?」

「無論そこまで恥知らずなマネはしない。エレンデュラに最強の兵を忍ばせているよ、開戦と同時に破壊活動に入らせる」

「なんだ、拍子抜けだな。思ったより簡単そうではないか」


 答えに満足したシュテルが大仰に脱力してみせた。


「数年がかりで準備したのにギリギリではマヌケすぎるじゃないか。叔母上の耳にもっともらしい失策を吹き込むのにどれだけ苦労したと思っているんだい?」

「信頼する甥が裏切り者か。最悪だな」

「……祖国を任せられる女性だったなら裏切りはしなかった。ストレリアに皇帝の資質はない。でも僕には優しい人だったんだ」

「ままならんものだな」


 愛する者が許しがたい罪を犯してなお裁かずにいるか、我が手で裁くか。ライアードは選んだ。


「後追いはやめろよ」

「四つの油断ならない敵に囲まれているんだ。しばらくはそんな余裕もないさ」

「復興中くらいは手加減してやるよ」

「うふふ、ナザリンドを永久にいただけるなら食糧支援してもよろしくてよ?」

「この雰囲気で足元見てくるのかい、ラスト姫は怖いね」

「父上からいくつか支援条約をまとめてこいと命じられておりますの。見殺しにしてジベールにちからをつけられるのはお嫌みたい」

「同感だ。現在のバランスを崩した先にどんな未来が待っているは想像したくない。少なくとも俺の代で迎えたい未来ではない」


 五大国は奇跡的なバランスで成り立ち、ウェルゲート海を挟んでギスギスやり合いながらも平和を保っている。戦いの舞台がフェスタという大地に移れば陸地で接するジベールの総取りになりかねない。


 あの野望の君主国が二つの大国のちからを手に入れれば待っているのは乱世だ。


 互いに監視し争い、時に援助することで世界の平和は成り立っている。これを崩そうとするものを共謀して打ち崩してきたからだ。秩序というものはこのように生まれている


 昼間に海峡を通過した艦隊は日暮れを目前にして帝都を宿すラス島、西の沖に接近する。


 帝都エレンデュラは島の東岸だがまずは西岸のグランドバリスタ城塞を攻略する必要がある。大いなる弩の名を持つ城塞は古代の魔法増幅器により通常五海里の射程を38海里まで引き延ばしている。


 この城塞を陥落させずにエレンデュラの攻略は不可能。

 絨毯爆撃のように頭上を叩く魔法光をディスペル・フィールドで打ち払いながら艦隊は一直線に城塞へと進む。


 旗艦アンドリュースの艦橋に立つイルスローゼ軍総司令官シュテルは弾ける魔法光が霧散してなおもたらす二倍の重力のような圧力に耐えながら、有利と感じ取っていた。


「いけるか?」

「相手がベイグラントならそう評価してもよろしい。次、呪術砲が来ますよ」


 コパが不吉なことを言った瞬間に暗黒の砲弾が干渉結界を揺るがす。

 ドリルのように渦巻く死の呪いが二撃三撃と続いたと思えば秒間18発という飽和攻撃に変化した。


「干渉結界の強度を切らせるなよ。交代人員を投入してもいい、なんとしても持ちこたえろ!」


 シュテルが伝令管に向けて叫ぶ。艦内を血管のように走る伝令管は甲板に布陣する魔導兵団の指揮者ハドリウスへとシュテルの声を届けた。


 城塞の壁に埋め込まれた呪術砲から放たれた暗黒の砲弾は命を切り裂かれた悲鳴のような音を奏でて艦隊を襲う。豪胆なシュテルも肝を冷やす飽和攻撃だ。


「だからフェスタの相手は嫌なんだ。なんなんだ、無尽蔵の魔力だとでもいうのか?」

「魔力と生命力の融合砲撃ですからね、我々が常識的に考えているよりも遥かに低燃費で撃ってきていますよ」

「耐久では分が悪いか?」

「ですから先に落とすのです」


 艦隊は一方的に撃たれるだけだったが、辛抱強く城塞との距離を縮め続けた。

 五海里では有効打は難しい。距離が二海里、つまり3.2キロまで近づいた瞬間に砲撃を許可する。


「砲撃開始、繰り返す砲撃開始! ただし呪術砲塔は狙うな、増幅して打ち返されるぞ!」


 僚艦の甲板に整列するアルテナ神官部隊が城塞のディスペル・フィールドをディスペルする。消去するちからと消去するちからがぶつかり合って対消滅を引き起こし、空白地となった空間に一斉に極滅魔法弾が撃ち込まれていった。


 大地を引き裂く消滅弾は城塞側の干渉結界に阻まれて外壁に届く前に魔力散乱して消えていった。シュテルが嫌そうな顔をしている。


「まったく想定どおりの展開だが気にくわんな。あの国に誰か一人くらい無能はおらんのか」

「仰りたいことはわかりますよ。殿下、次手はどうなさいます?」

「干渉結界どうしを接触させてゼロ・フィールドを展開させる。あとは航空師団の出番だ」

「呪術砲の餌食になります」

「大砲で小蠅を狙ってくれるなら最高だな。全部は払いきれまい、三分の一でも突入できれば充分だ。何か進言はあるか?」


「近づき過ぎれば呪術砲を殺し切れません。接近は200メートルまでとしてください」

「心得た。聴こえているな、射撃の間隔を落とせ! グリフォン大隊発艦用意!」


 フェスタ側の砲撃が豪雨のように激しくなる。相対距離が近づけば砲撃の威力は増し、ここが勝負所と見たのだ。シュテルとしても忌々しいくらいの同意見だ。最悪のタイミングで撃ち込まれる呪術砲撃が干渉結界のクオリティを減らし続けていく。増強が間に合わない!


 城塞の前面に巨大魔法陣が浮かび上がる。血文字のように不吉なそれが何を意味するかを理解できる魔導師は現代にはほとんどいないが、コパが叫ぶ。


「オラトリオ・アートグラムッ、広域即死呪術が来ますよ!」

「アヴァロンズ・シールド駆動!」


 フェスタが古代文明の遺物を用いるようにイルスローゼにもそうした遺物は存在する。空母に内蔵された強度干渉結界を発動させる装置が駆動を始め、足りない分を瞬時に補う。


 これにより切り札を一発無駄打ちさせられる。だがエレンデュラ攻略までに温存しておきたかった手札を一枚切らされた形でもあるのでシュテルの内心は複雑だ。


 互いに手札を切り合っておしまい。誰もがそう思った瞬間にもコパは鑑定眼を酷使していた。


 城塞の内部におぞましい死の塊が居る。何者かはわからないが古代神クラスの存在感を発する邪悪がコパの鑑定眼に気づいて悪質に嗤っている。


 城塞から広域即死呪術が放たれる。艦隊から強度の減衰フィールドが放たれる。一つの戦争を左右するやり取りの最中に死の貴族が呪いを解き放つ。


「≪さあ眠れ、もう苦しまなくてもいいんだ デス・パレード・オーバーデス≫」

「夜の鏡よ在れ!」


 広域即死呪術の重ねがけに対して神聖法術で挑むことは正しい。コスパさえ無視すれば神々の魔法こそが最も強大な効果を発し、だが存在力で支払うコストは精霊種以外に支払い切れるものではない。


 コパが握りしめるビーカー内の液体が沸騰している。ダンジョンの守護者のドロップ品から抽出した高濃度魔素の薬液が役目を終えるみたいに消えていった。


 干渉結界を突破した死の呪いが艦隊に襲い掛かる。死の絶叫を振りまきながら迫る暗黒の呪いが、コパが展開した夜の魔王の反射鏡と相克する。互いを打ち消し合うみたいに稲妻をまき散らす。


 ひと瓶金貨800枚に相当するビーカーを二本三本と使い捨ててもまだ足りない。


(事象改変値38000か、何者だか知りませんが古き神々の本体から発せられるちからに近いが……)


 コパがもう一つのビーカーを握りつぶす。

 生贄二百人相当の生命力が瞬時に消費されていく。


「足りましたね。返礼です、受け取りなさい」


 夜の反射鏡が広域即死呪術を吸収し終える。そして城塞頭上に浮かぶもう一枚の鏡から死の呪いを吐き出す。


 暗黒の津波となった死の呪いが城塞を犯していく。何者も逃がさないと旺盛な食欲を発露するみたいに大勢の身に呪いの腕を伸ばして殺していく。それは一瞬のことであり、城塞に詰めていた8000の兵隊は物言わぬ屍と化した。


 凄まじいちからの衝突の後に訪れた静寂、艦隊のすべての兵隊はその意味を計り兼ねている。


 今の攻防の全容を知り得るのはコパ一人であり、シュテルでさえも何が起きたのかイマイチ理解できていない。


 城塞の中で死の貴族が嗤っている。本来は大地に還り大いなる川に戻っていくはずの大勢の魂を一身に集めながらコパに笑いかけ、空間跳躍で去っていった……


(退きましたか。やれやれ、フェスタもとんでもない怪物を飼っていますね)


 ハゲ頭を拭うとビチャリと床を叩くほどの汗が浮かんでいた。そうとは知らずガレリアの首領と対峙していたのだ、この程度の緊張感に晒されるのは当然とは言える。


「何が起きた?」

「死の呪いを反射しました。城塞はすでに死体の山です」

「馬鹿みたいな質問をあえてするぞ。つまり城塞は全滅させたってことでいいんだよな?」

「ええ、グランバリスタ城塞は全滅です。私達の勝利です」


「総員傾注、城塞の攻略に成功した! 勝利だ!」


 艦隊に歓声が巻き起こる。

 喜びを一瞬で引き締めてシュテルが指示を出す。


「着岸用意! 疲労度の低い隊を選抜して城塞内から呪術砲塔を持ち出せ!」

「殿下、休む間を与えずにエレンデュラを攻めるべきです」

「急がば回るのも指揮官だ。あの兵器は攻略に必要だ」

「いえ、エレンデュラ攻略なら現存戦力で足ります。時間を与えぬことこそが肝要です」

「くどいぞコパ。貴様にアドバイザーの分を超える許可は与えておらん」


 シュテルは可能な限り損耗を抑えた勝ち方を考えている。

 コパは先ほどの死の貴族に休息を与えたくない。だがどのようにして説得する? あの即死呪術の海の中で笑いながら他者の生命を喰らっていた怪物を何と説明すればいい? コパでさえあんな存在を受け入れられていないのに……


 真っ先に思い浮かんだのは冥府の王デスその人ではないかという疑念。だがその名は軽々しく出せるものではなく、鑑定師のプライドが空言を許さない。


 人知を超えた存在は実在する。他ならぬ女神アシェラの腹心だったコパだからこそ実感できる。あれは人の手に負える存在ではない!


「前言を撤回します。退くべきです、フェスタから手を引くべきです」

「貴様がそこまで言うのだ、何か懸念あってのことだろう。だがな、急げだの退けだのあやふやな助言を聞き入れるわけにもいくまい。戦のことは俺に任せておけ」


 明確な論拠さえあれば説得する自信もある。なのにうまい言葉が出てこない。

 コパ自身もあの一瞬の攻防で相当に疲弊しているのだ。疲労と老いが決断力を奪っている。もっと苛烈に反発していればシュテルも考え直してくれたかもしれないのに……


 イルスローゼの軍艦が城塞に入港する。ベイグラントもだ。

 城塞に入港した軍艦が戦利品を積み込んでいく。兵隊は解放感から浮かれ、部隊は戦争後の疲労感から座り込み、この小休止とも言うべき略奪の時間を過ごしている。


 まどろみにも似た緩んだ空気の最中に轟音が走った。遥かな空の向こうから何者かがやってくる。早い、もうすぐ頭上だ。


 城塞を略奪する兵隊も近海に布陣する艦隊からも等しくそれらを見上げ、それが何か理解できなかった。


 真っ赤なカラーバリエーションで統一された機械巨人の軍団。人の軍でいえば一個小隊にあたる22機の機械巨人がバーニアを噴かせて低空に浮遊している。肩には咆哮する獅子の紋章とレッドウォーリアーズという部隊名が刻まれている。


 拡声器を用いたようなラウドボイスが近海に響きわたる。


「フェスタ機械化師団レッドウォーリアーズ団長トライザードである!」


 自信と傲慢が生み出した強靭な声だ。

 愚直なまでの武骨さで応じるのは旗艦アンドリュースの甲板に立つ完全武装したシュテル騎士団長だ。黄金騎士団の名に違わぬ輝く甲冑姿は、小型化された機械巨人にも見える。


「イルスローゼ軍総司令官シュテル・アル・ヴァン・イルスローゼである!」

「ほぅ……太陽の守護神か。初陣の相手が小物ではなく嬉しいぞ」


 冷静を保つシュテルが傍らに控えるコパに目配せする。


「お気をつけて。あれらすべてが殿下を同じレベルにあると思って当たるべきです」


 干渉結界を備え、鍛え抜かれた高レベル騎士を一撃で肉塊に変える遠距離武装を所持し、アロンダイク装甲はあらゆる攻撃を無効化する。説明を聞いていくシュテルは本当に帰っておけばよかったと思い始めた。


「首下の裏側が最も硬く、ですが中の人を殺すには最適の位置です」

「空を飛ぶ奴を相手にか? 無茶を言うな。ゼロ・フィールド後に極滅弾を打ち込むのはならんか?」

「その隙をくれるとは思えませんね」


 戦後の油断もあっただろう。索敵が甘くなっていたと非難することもできる。だが明確な敗因は、竜を超える速さで接近してくる部隊があるなど想像もしていなかったという一点のみ。


 魔法文明の機械巨人の性能を誰も知らなかった。それがこの戦の敗因だ。


「さあ楽しもうシュテル殿。精々あがいてくれるがいい!」


 始まったのは戦争ではなく蹂躙だ。

 軍隊が無辜の民を追い回すような残虐な暴力の羅列だ。


 世界最強のイルスローゼ・ベイグラント軍といえど、機械巨人の軍団の前では何のちからもない無力な民に過ぎないのだ。



◆◆◆◆◆◆



 トライザード率いる機械化師団がラス島西岸で戦い始めると同時にルーデット卿が動き出す。


 南の海底に潜む死神船ベルクレストは過去の姿ではない。古ぼけた木材の外装を外した真の姿をしている。

 そのシルエットは巨大な三又の槍だ。船尾はいささか短いもののトライデントの形である。船体は滑らかな黒い装甲に覆われ、明らかに現代の技術で作られたものではない。


 かつてこの船はこう呼ばれていた。ソードストライカー級巡洋艦、紛れもない宇宙戦艦である。長年の運用のせいか機能のほとんどを喪失しているが未だ潜水艦としての機構は十全に発揮できる。


 艦橋に佇むルーデット卿はパイルレーザー式観測システムをじっと見つめていた。帝都エレンデュラから主力とおぼしき機械化師団が飛翔していき、イルスローゼ艦隊とドンパチやり始めたのまで確認してから命令を発する。


「急速浮上せよ! 帝都エレンデュラへと突っ込むぞ!」

「進言いたします! このままの深度を保ち、帝都目前での浮上が最善であります!」


 艦橋員の進言は木を見てあれは木ですというように当たり前のものであり、総艦長の背後に佇む天翼人の青年が嘲笑する。獣の聖域の長ジェイド・ロゥはこうしたやり取りを馬鹿だと思ったらしいが、様式美でしかない。


 今から無茶をやるぞっていう様式美の前にはきちんと驚いてくれる奴も必要なのだ。


「よい、慌てさせてやれ」

「急速浮上、総員何かに掴まれ!」


 深度2000メートルの海底から海面まで一気に駆け抜けたソードストライカー級ベルクレストは夜の海を駆け抜けて22海里先のエレンデュラへと突撃する。120ノットの高速で海を飛ぶように進むベルクレスト号が帝都の守備軍に与えた時間は僅か11分だった。


 内海に接する港にはイルスローゼ軍への備えとして三個大隊が置かれていたが11分という時間は干渉結界の用意をギリギリでさせなかった。撃ち込まれる呪術砲弾も高速で移動するベルクレスト号に照準を合わせることができない。


 海神の舵する船に当てられるはずがない。当てたとしても天翼の巫女が張る干渉結界を破れもしない。


「反重力ユニットの駆動状態は?」

「内圧あがりません。跳ねるくらいであります!」

「充分だ、蹴散らしてやろう!」


 ベルクレスト号が海面を跳ねる。帝都防衛軍が張った物理防御障壁は干渉結界によって打ち消され、跳ね上がったベルクレスト号が港の三個大隊をボーリングのピンみたいに跳ね飛ばして帝都大通りを滑っていく!


 こうなっては操舵も利かない。後はどこかにぶつかるだけだ。

 ガリガリ船体を削りながら慣性移動するベルクレスト号の艦橋には人外の王どもが集まっている。


「ベルクレストで運べるのはここまでだ。では諸君好きなだけ暴れてくれたまえ」


 死神船に詰め込まれていた23名の人外どもが帝都に解き放たれる。


 すべてを囮にして敵陣深くに侵入した。誰もを欺いて己一人でストレリアを目指した。すべては己の手で妻の仇を討つためだけに……

 帝都を疾走するアルトリウスは何の表情も浮かべていない。ただ獲物を前にした餓狼であれと念じている。

 余計なことを考えたらもう走れなくなりそうだったからだ……


「ストレリア、長年の因縁に終止符を打つ」


 すべてを欺き復讐鬼が走る。チェックメイトとはこのようにして打つのである。

Name: コパ・ベラン

Age: 69

Appearance: 僧兵

Height: 192

Weight: 82

Weapon: アイオーン・タクト(品質S) グノーシスコア(品質A)

Talent Skill: 体術SS 鑑定SS 商才C 剣術C 

Battle Skill: 神々の秘術(熟練度A) アシェラ僧兵の武技(A) マハー・タングラム(A)

Passive Skill: 武錬A 悪徳信徒A 光の教導A 偏屈C エルメキアの告解B タフネスA


LV: 42

ATK: 2454

DEF: 2275

AGL: 1945

MATK: 3245

RST: 3876


 現役を退いて長いからね、レベルがだいぶ落ちている。鍛錬を欠かしていないつもりでも実戦から離れれば勘が落ちる。あくまで自衛のできるアドバイザー止まりだ。

 マハー・タングラムは伯爵にも授けたが使い勝手のよい攻撃スキルだ。発狂の呪いを連射する性質から攪乱に向いている。殺傷性はないに等しいが三発も与えれば二度と目の覚めない悪夢に放り込めるだろう。

 現実を改変する魔法、精神を改変する呪術、本来はどちらかに特化させた方が習熟度は高くなるが鑑定師ならば応用が利くようにと……あぁダメだこのままでは授業になってしまうね。教えたがりというのも悪癖なのだろうね。

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