95曲目 アルテミスライブ
ライブ10分前、突発的なライブのわりには既に満員、ほとんどの人が立ち上がり待っている。
およそ1万人が入り、外にも溢れている状況だった。
もちろん国王や来賓の他国の王達は、一番眺めのいい別室で待ち焦がれていた。
そして闘技場中央が魔法で高さ20メートルまで上がると光の流星と共に四方からアオイ、キノ、ワカバ、モモカと現れると、中央真上からアカネが登場、爆音が会場の外まで響き渡る。
アルテミスの歌声が会場を盛り上げる。
よく見ると貴族の婦人達がアオイとワカバの応援をしている。
キノには女性の冒険者仲間、モモカには男性の冒険者仲間、私には商業ギルドで知り合った人達が熱心に応援をしてくれた。
路上で販売した私達のグッズも着ている人がいる。
武術大会や魔術大会で私達を知って観に来てくれた人達が多く、まだ呆然としているが、私達を知っている人達のコールに徐々に合わせていき楽しんでくれている。
気付くと既に3曲が終わっていた。
「私達の歌を聞いてくれてありがとうーーー」
「あたしも楽しいわーーー」
「ボク達の」
「みんなの」
「夜はまだ明けない!」
「さあ!」
「みんなも一緒にーーー!」
曲が流れる。
それはこの国で一番歌った。
私達の事を知る人は一緒に歌える人もいる。
そしてワカバの魔法で私達の衣装が変わると同時に曲が流れた。
たぶんこの異世界に来て一番盛り上がっただろう。
その後はバラードを歌えば感動して泣く人もいた。
ダンスを見せて、みんなに教えたりもした。
ソロも歌った。
アオイは第一王女アリーナの手を取りお姫様だっこをしたら、あまりの嬉しさにアリーナ姫が失神するというアクシデントもあった。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
初めて見る人、町でミニライブを見たことある人、酒場で見たことある人、こんなに大きな場所でやる光と音のハーモニーの中で踊り歌うアルテミス達は幻想の中の女神そのものだった。
そしてフィナーレ。
アルテミスみんなで放った魔法の花火が終わりを告げると共にゆっくりと陽が上り始めた。
陽が上がると共のアルテミス5人の影を残して終わりを告げた。
ライブが終わった後も観客の皆が、感動に包まれて誰一人動かない。
今まで誰も味わったことのない思いが溢れ出す。
そして数時間後、
町はみんなが後片付けをしていた。
帰りの馬車を待つ人もいれば、疲れきって寝ている人もいる。
★ ★ ★
「みんなおはよう」
「アカネちゃん遅い!」
「…もう夕方」
「ごめんごめん。みんな集まってどうしたの?」
一つは今日、国王から晩餐会に呼ばれていて、モモカの料理を食べたいという事、もう一つはミラとヒルダが自分の里に帰るという事だった。
モーリッツは国王に呼ばれているので早く来てほしいという事だが、ミラ達も今から帰るという事なので、門まで送ることにした。
門まで辿り着くとミラはお礼を言う。
「皆さん、本当にありがとうございました。とても楽しかったし、皆さんの強さに私もまだまだだなぁって思いました。またいつか会った時には皆さんに負けないくらい強くなってますので、その時は相手をして下さいね」
「もう、ミラったら」
「…絶対負けない」
「ボク達、格闘家じゃないし」
「今度は私達が会いに行きますね」
「ヒルダもまたね」
「うっうっ」
「ほら、泣かないで」
「モモカのご飯がもう食べれない」
「そっち~~~~~」
「まあヒルダらしいね」
7人は抱きあいながら別れを告げた。
そして見えなくなるまで手を振り続ける。
「ねぇモモカ」
「なあに?」
「リュックあげたの?」
「お弁当たくさん入れてあげたの」
「そっかぁ~」
「早く王宮行きますよ」
「モーリッツ、…かわいそう」
「ボク、お腹空いちゃったよ」
「そうね。早く行きましょ」
短い付き合いだったがミラとヒルダを送り、王宮に向かうことにした。
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