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91曲目  レーナの気持ち

 午前の試合も終り、皆は昼食を食べにいく。

 アオイはエルザを誘い、レーナは用事があると一人で外に出掛けた。


 結局アカネ達はミラとヒルダ、そしてリーナ、誘ってきたエルザの9人で選手専用のラウンジで食事をすることになった。


 エルザはみんなに挨拶をするとリーナだけがそわそわしていた。


「リーナさん、どうしたの?」


「どうしたの?じゃないわよぉ、アカネちゃん。エルザさんは女性冒険者の憧れの人よ。女性初の伝説のSSランク冒険者になると言われている人よ!」


「そんなに興奮しないでよリーナちゃん」


「モモカちゃんもぉ~。少しは興味を持っ…」


「はい」


 モモカはリーナとアカネにサンドウィッチを渡すと、興奮しながらもリーナは幸せそうにサンドウィッチを食べた。


 モモカは他の人にもサンドウィッチを配りに回った。


「ねぇ、リーナさん」


「何?」


「レーナさんはどこに行ったの?」


「アカネちゃん、絶対に言っちゃダメよ」


「なになに?」


 お互い周りに聞こえない様に話し始めた。


「モモカちゃんはあんな感じだけどね、…もちろん勝てるとは思っていないけど…どこまで自分の魔法が通用するか試したいのよ」


「そうですかぁ」


「私もお姉ちゃんの気持ちはわかるわよ。冒険者としてやっていくからには、それなりに誇りがあるからね」


 アカネはなんて答えればいいかわからずにいるとレーナが声をかけてきた。


「そんな顔しないで。私たち、本当にアカネちゃん達に出会って感謝しているのよ。お姉ちゃんは今ね、自分の成長を感じているの。私もだけどね。だからこそ手加減はしないでほしいのよ。まぁモモカちゃんならそんなことしなさそうだけど…。そんな感じよ。だから私もお姉ちゃんに負けないように頑張らないと!」


 そして昼食も終り、今日最後の試合が始まろうとしていた。


 リング中央に歩いていく二人、モモカはいつも通りに、レーナは真剣な顔で歩いている。

 中央に着くとお互い距離をとり、審判の開始の合図を待つ。

 そしてモモカは観客に手を振り、レーナは集中して魔力を練っている。

 しかし、モモカもレーナの行動に気付いていない訳ではなく、しっかりと準備をしていた。

 審判が前に出て、開始の合図をすると同時にレーナが魔法を繰り出した。


「モモカちゃん、これが私の全ての力よ!」


 炎の回りに雷が迸り、まるでレーザービームのようにモモカに向かっていく。

 その速度は炎とは思えない物だった。


「レールガン!」


 モモカが必殺技を出すとリング中央で相殺した。

 その威力は凄まじく、爆風で辺りはまるで見えない状況だった。


 試合はレーナのリングアウトで一瞬にして勝負は決まった。


「魔術大会準決勝、勝者モモカ!」


 リング中央はボロボロに砕け散り、レーナは闘技場の壁に体を叩きつけられていた。

 その場から一歩を動かず立っていたモモカは、ゆっくりとレーナの所に行き、手を差しのべ声をかけた。


「スゴいじゃなぁい、あたしのレールガンが通用しないなんて、ちょっとショックよぉ」


 その言葉がレーナは嬉しかった。


「ごめんモモカちゃん。私ちょっと起きれない」


「もうしょうがないわねぇ」


 モモカが立たせようとするとリーナが降りてきてレーナをおんぶする。


「リーナ、どうしたの?」


「お姉ちゃんは私の誇りよ。私もお姉ちゃんに負けないから」


 その姿に観客からは拍手が飛び交う。


「勝ったのあたしなんだけど…おいしい所ぉ持ってかれちゃったわね」


 しかしモモカも嬉しそうに退場していった。


   ★   ★   ★


 二日目も終り、アカネ達は家に帰ってきた。

 しばらくするとレーナとリーナがエルザを連れてやってきた。

 そして数分後にはハンナもやってきた。


 実は昼食の時に話が盛り上がり、エルザがどうしてもアカネ達の家に行きたいとなり、夕食をみんなで食べる事になった。

 更にワカバはみんなが来る前にお風呂を改装していた。


「さぁ!まずはみんなでお風呂入りましょ」


 アオイがエルザにお風呂の入り方を教えて、みんなで湯船に浸かる。


 エルザはアオイを質問攻めすると、今度はミラとヒルダがアカネに、更にレーナとリーナがモモカに質問攻め、被害を受けないようにハンナとワカバとキノは離れて浸かっていた。

 そんなこんなで女子会のような一日があっという間に終わった。


 そして伝説となる大会三日目の武術と魔術大会の決勝が始まるのであった。

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 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。


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