84曲目 アカネvsミラ
「さあ!お待たせしました。武術大会2回戦の第1試合がまもなく開始します。まずは選手入場!」
アカネとミラが並んで歩いて入場すると、階段を上がり約1メートル位の高さのリングの中央へと歩き出した。
リングは約30メートル程の正方形の形をしている。
普通の格闘技にしては広いが、ここは異世界、そして魔法のある世界だ。
他の大会よりも少し狭いとも言われているらしい。
アカネとミラが向かい合うと歓声が上がった。
周りからはアカネの姿に心を奪われる人が多数出ていた。
この世界には無い服、簡単にいうと見た目は新撰組みたいな衣装でカラーはもちろん赤、白と赤のフレアライン、そして髪を一つに結び、赤いアイシャドウに口紅、そして凛とした佇まいに心を奪われていく。
★ ★ ★
控え室では、
「ワカバ、私達もアカネさんとミラさんの試合を観にいきましょう」
「…オッケー」
アオイとワカバは出場者用の観客席へと向かった。
「へっ!どうせあのミラって女が勝つに決まってるだろ!女ってぇのは群れるのが好きだねぇ」
するとエルザが席を立ち、観客席へと向かおうとした。
「おいおい、優勝候補様は余裕だねぇ~、お遊戯を見に行く余裕があるとくらぁ~」
「ホルガー、Sランク冒険者だからって油断は禁物、自分の力に過信しているとろくなことにならんぞ」
「へっ!こりゃあご指導ありがとうごぜぇやす」
結局エルザは観戦しに、ホルガーとオイゲンとゲルルフは控え室で待機していた。
★ ★ ★
審判が開始の合図をしようとすると、ミラが審判に声をかけた。
「死にたくなければ開始の合図をしたらすぐにリングから出て下さい」
「えっ?………そ、それでは試合開始!」
試合開始と同時にアカネへと一直線に間合いをつめた。
しかしアカネも油断はしていなかった。
アカネは刀を使わずにミラの拳を左手で掴むと、流れるように一本背負い投げ!ミラは見たことのない投げ技で気がつくと空を見上げていた。
観客は息を飲んだ!
ミラは第1回戦の圧倒的な強さで期待はされていた。
そのミラがものすごい速さで間合いを詰め、突きを放つ。
ほとんどの観客はアルテミスを知らない。
だから所詮は地元開催の特権でのシード、Cランク冒険者ごときが大会に出るなんて…と観戦している9割以上が思っていた。
アカネ達の強さを知る冒険者や前日の魔族との戦いを見た各国の王達、だが一瞬の出来事で声を失う。
ミラが空を見上げて止まっていた時間は数秒、その数秒は命取りであるがアカネはどや顔で手を離して距離を取った。
ゆっくりとミラは立ち上がると、アカネに注告する。
「アカネさん、あなた達は戦いというものをまだわかっていませんね。私を投げた瞬間にトドメを刺せば、あなたの勝ちでした」
「そうかもしれないね。でも私達は本業はアイドルよ。私達には私達のやり方があるの。だから本来ならこういう大会は出ないのよ。でも、少し楽しいかも!戦いはどちらかというと嫌いだけど、ミラと戦うのは嫌じやないわ」
「そうですか、少し嬉しいですね。では、私も全力で楽しみましょう!」
そしてミラは変わった歩法で間合いを詰めると、アカネが斬りかかる。
お互い防御ではなく、全ての攻撃を躱しあっている。
見ている観客はほとんど動きは見えていないだろう。
しかし、その凄さは伝わってくる。
そして、
うぉーーーーーーーーーーー!
「す、すげぇ~」
「キャーーーッ、スゴーーーイ」
一斉に溜まっていた言葉が溢れ、歓声が飛び交う。
互角!と思われた攻防も一気に変わる。
それはミラが仕掛けていた罠だった。
ミラの歩法は相手の認識を分からないぐらい少しずつづらしていた。
結果、躱しているつもりのアカネに少しずつミラの攻撃が掠り出してきた。
そして遂にアカネの動きが少し鈍る。
勝機!
ミラはほぼ隙間のないぐらいに間合いを詰めた。
これではアカネは刀を振る事は出来ないが、ミラも腰の入った拳や蹴りは出せない!と思われたが…
「竜氣圓陣鉤爪」
ミラの指先が黄金に輝くと、その指は全てを切り裂く爪の様にアカネの四肢を襲う。
躱す事は出来ない!
四連撃…いや六連撃が一瞬に決まる。
それは手足四ヶ所に背と溝尾、その六連撃が決まった瞬間に溝尾に突きだした鉤爪は捻ると同時に手を開き、発勁を放ち吹き飛ばした。
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