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81曲目 六大魔王

 ゆっくりと降りてきた男女二人、一人は大きな角を生やした黒髪に少し白髪が混じり、老けた顔に白い髭を生やして、見た目に反して筋肉質な体と2メートル以上ある長身の男、もう一人は孫にも見える長い黒髪の可愛らしい女の子、その二人がアカネの目の前に立った。


「「エディング様!マルガレータ様!」」


 気絶をしていない魔族二人が声を合わせて叫んだ。


「エディングじゃと!」


 ルフトシュピーゲルング王国国王ヨハン=フォン=ブーゲンハーゲンが目を見開き震えながら叫んだ。


「まさか!六大魔王のエディングか!」


 周囲の王族達が震え出す。


 それを見てアルテミスみんなが構えると、


「すまなかった!」


「えっ?」


「我が部下の勝手な行動で多大の迷惑をかけた。なんと詫びればいいやら」


 今度はゆっくりと本物のイレム国王の所に降りていく。

 アカネは素早くイレム国王の前に移動する。

 そしてエディングとマルガレータが下に降りると、今度は膝をついて謝罪した。


「お嬢さん、勝手な事を言うようで申し訳ないが我が部下達をここに連れてきてはもらえないだろうか」


 私は二人の表情を見た後にアオイを見た。

 アオイは軽く頷いたのでワカバとモモカに頼み、全員連れてきて貰った。


 アジトに捕まえている魔族も合わせて約三時間、急いで走らせたが全員集まるのに時間はかかった。

 長い時間を待っている間、エディングとマルガレータは頭を下げたまま動かなかった。

 各国の国王達は冷や汗を流しながら、ひたすら待ち耐えていると、キノがお茶とお菓子を配る。

 お茶を飲み、少し落ち着いたのだろうか、緊張していた顔も緩み、皆文句も言わずに待ってくれた。


 そして全員集まった。

 もちろん周りを護衛していた冒険者のみんなやギルド職員までもが護衛と見届ける為に集まった。


「お前ら~~~!」


 その迫力ある大きな声に、また一瞬にして場が凍りつくと、魔族全員がひれ伏した。


 ゆっくりと歩み、イレム国王に話し出す。


「本当にすまなかった。謝罪だけで許してもらえるとは思ってはいない。ここにいる全員の首と私の首で許してもらえないだろうか」


 イレム国王は驚きの表情を隠せないが、さすがは国王様!凛とした態度で話し出した。


「頭を上げてもらいたい。今回の件で死者はいない。それなのにそちらに死者が出てはこちらの立場が無くなる」


 二人が答えを出せないでいると、


「じゃあ、こういうのはどうかしらぁ~」


「モモカさん!」


「エディングちゃんだっけ?」


「エディングちゃん…」


「あなたが生きている間は人間達に一切手を出さない!それと何かあったらイレム国王を助けるってのはどうかしらぁ~。ねっアカネちゃん」


「良いじゃない」


「でも守る保証はありませんよ」


「アオイの言うことも一理あるわね」


「イレム国王、それで宜しければ我が血判を受け取ってほしい」


「血判とは何ですか?」


 血判、簡単に言うと魔族の契約である。

 血の盟約を破る事は死に繋がる。

 だから今まで破った魔族はいない。


 イレム国王は二つ返事をした。


 そして見届け人である各国の国王達にもエディングが直接語りかけた。


「これより血の盟約を交わす」


 すると部下達もエディングと同じ言葉を続けて叫び、自らの血で何も無い空に書き刻む。


「我が名にかけて、我が命尽きるまでこの世界に住む人間に危害をくわえない事とグラースシュテッペ王国に危険が迫った時は真っ先に助けに行くことをここに誓う」


 そして空に書きこまれた血文字は魔法陣となり、己の体の中に入っていく。


「すまぬがここにいるマルガレータは我が娘でもあるが、次期悪魔族の王となる者、親善大使としてここに置いていくのでよろしく頼む」


 その言葉と娘を残し、最後にアルテミスに礼を言ってから魔族を引き連れて帰っていった。


   ★   ★   ★


「イージドール、ハートマン、アーモット、カーリー」


「「「「はっ!」」」」


「お前達、助かったな」


「どういう事でしょうか?」


「あの娘達、一人一人の力は全盛期の私よりも強いぞ!」


「えっ?そんなばかな!」


「いくら何でもそれは…」


「はっはっ、かなり手加減をされたみたいだな。まっ、本気を出せばだ。どうやら無意識の内に己の力に制限をかけているみたいだ。本気を出されたら六大魔王は全滅だ。面白い、本当に面白い。さて、マルガレータはどうなることやら」


 暗闇の中、エディングの笑い声が響き渡った。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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