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73曲目 モモカvsハートマン

 ハートマンは振り返り、あたしはゆっくりと近づいていった。


「バレバレみたいね。初めまして、あたしはモモカよ」


「自己紹介しにわざわざ追ってきたのかな?」


「あなたが強いって聞いて見に来たのよ。あたし、予選見なかったからね」


「ところでそちらは?」


「あたしの付き添いよ」


 あたしは目で合図するとリーナちゃんは町に戻ろうとした。


「逃がすと思うか」


 周りが暗闇に覆われ、下手に動く事が出来なくなった。


「リーナちゃんはあたしの後ろにいて身を守っていてね」


「私も援護するわよ」


 リーナは構えをとった。


「無理はしないでね」


 するとハートマンは余裕の笑み浮かべて話しかけてきた。


「そろそろいいかな?」


「あら、紳士的ねぇ~」


 モモカは両手に銃をとり、素早くハートマンに向かい魔力弾を撃ったが、ハートマンの魔力障壁を撃ち抜く事は出来なかった。


「見たことの無い攻撃だ。しかし使われているのは魔力、それでは私には当てられない」


 するとモモカは更に大きな魔力弾を放つ。

 ハートマンは焦り、少し汗をかくが何とかハートマンの魔力障壁の方が上だった。


「人族にしては素晴らしい魔力だ。どうだ?私の配下にならないか」


「断るわ」


「残念だ」


 今度はハートマンが魔法を放った。


「ファイアランス」


 出した魔法は中級の魔法だが、出された数が桁違いだった。


「モモカちゃん危ない!」


 宙に浮かぶ16本の炎の槍を見てリーナは思わずモモカの前に自分の魔力障壁を出した。

 その様子を見たハートマンは16本の内、半分をリーナに向けて放った。


「キャーーーッ!」


 リーナの前には魔力障壁がない。

 モモカは自分に向かって来るファイアランスは相殺させたがリーナに向かっているファイアランスに気付くのが遅れた。


 魔力弾だと間に合わない!


 リーナの前まで走り自分自身が楯となる。


「バカな女だ。連れの女を庇い死んだか」


 8本のファイアランスを直撃したモモカの周りは煙で見えなくなっていた。


「モモカちゃん!」


 徐々にモモカの姿が見えてくる。


「ちょっとぉ~~~!痛いんですけど~~~」


 ハートマンの顔色が変わる。

 まさかあれだけの魔法をまともに喰らって、かすり傷一つついていないとは思いもしなかった。


「モモカちゃん!大丈夫」


「もお~!痛かったわよ。今度はこっちの番よね」


 モモカは魔力弾を凝縮して拳銃の弾のような形と大きさに変えた。

 それを見たハートマンはホッとした表情で話してきた。


「ふっ、いくら魔法防御力があっても貴様の魔法は私には効かんぞ」


「フフッ、それはどうかしら」


 ダン、ダンダン、


 モモカは三発の魔力弾を放つと、音までも拳銃を撃ったような大きな音が辺りに響いた。

 そして最初の一発はいとも簡単にハートマンの魔力障壁を撃ち抜くと頬を掠める。

 そして次の二発はハートマンの両足の太ももを貫通した。


「ぐぁ!」


「あら、大丈夫?立てるかしら」


 地に両ヒザをついてモモカを見上げた。

 そしてゆっくりと立ち上がるとハートマンは魔法詠唱に入る。

 それは無詠唱では出せない上級魔法だった。


「ハハハハハ、これで終わりだ!全て焼き払え!バーストフレア」


 巨大な炎の嵐が二人を襲う。

 リーナはさすがに死を感じたが、モモカは魔力弾を氷に変えて巨大な氷の魔力弾を放つと、上級魔法のバーストフレアを相殺するどころか、押し返してハートマンにダメージを負わせた。

 そしてハートマンに近づくと銃を向ける。


「どうする?」


 既にハートマンの心は折れていた。

 もう、自分の命をかけても無意味とわかったからだ。


「私の敗けだ。抵抗もしない。だが、仲間を裏切る事はしない。殺すなら早く殺してくれ」


 そこまで考えてなかったなぁ~。

 どうしようかな。


 あたしはリーナちゃんの顔を見て、全てを任せる事にしちゃいました。


「ということで」


「わかりました。とりあえずどこか目立たない場所に連れて行きましょう」


 少し考えたリーナの答えは、


「モモカちゃんの家でいい?私はモーリッツさんに報告に行くからお願いね」


「あたしは別にいいけど」


「じゃあ、決まりね」


 そして町に戻る事にした。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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