71曲目 救出、そして戦闘
見張りがいた場所から約10メートル先には5人の人質がいた。
その5人は両手両足を縛られて全く身動きが出来ない状態になっていた。
「…」
「んん、んん、ん~ん」
「…何?…助けてほしいの?」
5人全員がコクリと頭を下げる。
そしてワカバはとりあえず一番前にいる若い騎士を喋れる状態にした。
「あ、ありがとうございます」
男は小さい声でお礼を言うと経緯を説明する。
「何方かは存じませんが私達をここから解放させて頂けませんか」
「…良いけど…君達、誰?」
「申し遅れました。私はグラースシュテッペ王国所属第一騎士団副団長アルフォンスです。そして一番後ろには我が国の国王様が掴まっています。お礼は後で致しますのでここにいる全員を解放して頂きたい」
「…オッケイ」
「オッケイ?」
ワカバは全員の縄を解くとそのまま外へと誘導した。
「ありがとう。私はグラースシュテッペ王国国王のイレム=フォン=ホリツォントです」
「…自己紹介は後…脱出する」
「………」
ワカバは5人を連れて洞窟の外へと向かった。
何事も無く進んでいくと入口では見張りが2人になっていた。
どうやら最低限残してみんなは中に入ったみたいだ。
「…ちょっと待ってて」
するとそばにいた5人にもわからなくなる位の気配を絶つと、一瞬で見張り2人を気絶させて縛った。
★ ★ ★
あれから15分・・・
ワカバ、遅いです。
何かあったのでしょうか?
私も中に入った方がいいのでしょうか?
今は見張りもたった2人だけです。
私なら声をあげさせること無く一瞬で気絶させる事が出来ると思いますし、
そしてアオイが動こうとした時、ワカバは洞窟を出るのと同時に見張りを倒した。
その現場を見ていたアオイが入口へと近づく。
「お帰りなさい。ワカバ、中はどうだった?」
「…来て」
すると5人、洞窟から出てきた。
私は神眼で5人を見る。
そして事の成り行きを国王自らアオイに説明すると、そのまま放置出来ないと思い、洞窟の中にいる魔族を全て倒す事を提案した。
今の所はここに近づいてくる人の気配は無い。
後は洞窟の人数がわかれば問題ない。
たぶん予選決勝で戦っていた2人が一番強いのだろう。
ミラさんの時とは状況も違う。
私とワカバならすぐに倒す事が出来る。
「すいませんがワカバ、もう一度中の人数を確認してきてもらえますか。その間ここで5人の護衛をしています」
「…任された」
そう言うとワカバは颯爽と中に入っていった。
「すいません。私はアルフォンスと申します。これからどうするおつもりで…」
「もう少し待っていて下さい。洞窟にいる残りの人達も倒しますので」
「き、危険です!我々騎士団100名も全滅したほどの者達です」
「安心して下さい。私と彼女で倒せますで信用して待っていてもらえますか」
男は国王に確認を取ると頷きその場で国王を守りながら待機した。
そして5分後、
「…ただいま」
「中の様子はどうですか?」
「…大したこと無い。…30人ぐらい」
「ワカバはどうした方がいいと思いますか?」
「…結構酔ってる。…だから一気に攻めるべし」
「わかりました。行きましょう!」
私は皆さんに隠れて待つように指示をしてワカバと潜入した。
気配を消して素早く中に入ると酔ってトイレに行く者や酔いつぶれている者もいる。
私達は周りにバレないように身動きのとれないようにして国王達が囚われていた場所へと移動される。
それを繰り返すこと10分、約半数を捕縛した。
残りは食事しながらまだ酒を飲んでいる者16人、さすがに誰も戻って来ない事を不信に思った者が探しに行こうとしたので、私達は姿を現して一気に4人倒した。
「そこまでです!」
「誰だ!!」
「あなた達に名乗る名はありません!素直に降伏すれば痛い思いをせずに済みますよ」
「ふざけんな!」
殴りかかった男を一撃で倒すと、一斉に武器を取り構えた。
しかしワカバは既に3人倒していた。
「残りは12人ですね。では来ないならこっちから行きます」
そして狭い洞窟内の戦いが始まった。
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