62曲目 Dブロック
ハンスの口が塞がらない。
「ちょっとぉ~、ハンスさんの予想全然当たらないじゃないですかぁ~」
「お、オレじゃ無くてもあのシモンが負けるとは思わねえ~よ」
レーアはわざとハンスを弄るとハンスは恥ずかしそうに下を向く。
「アカネちゃん達の予想は誰が優勝すると思う」
「ミラ!」
「ミラちゃん」
「ミラさん」
「…ミラ」
「なるほどなるほど」
「ところでレーアさん」
「何?」
「剣術大会で魔法は使っていいんですか?」
「直接当てるのはダメよ。剣に魔法を纏わせるようなのは反則にはならないわ」
「直接的な魔法じゃなければいいのね」
先程の試合でアーモットは身体強化の魔法を使っていた。
今のところ、予選大会で魔法を使っていたのはアーモットだけで、ほとんどの人がそれに気づいていなかった。
そしてDブロックの入場が始まった。
特に目立った人はいない。
そう思っていたのはハンスだったが、もし予想が外れたらレーアに何を言われるかわからないから大人しくしていた。
「あの人強そうぉ」
「えっ?モモカ、どこ?」
「あそこの人よぉ」
「確かに強そうですね」
「なるほど」
「アカネちゃん、どの人?」
「あそこで槍を持っている人です」
「見たことない人ねぇ。ハンスさんは知ってる?」
「知らねぇなぁ」
「少しさっき試合で勝った人に似ているわね」
その男は足と手、そして槍に魔力を纏っていた。
試合が開始されると気配を消して一人ずつ確実に倒していく。
Dブロックでは今までの試合と違い、地味で盛り上がりのかける戦いだったが、それは素人が見た感想であった。
試合開始から45分、最後に残っていたのは最初にモモカが予想した槍の男だった。
「遂にけっちゃーーーく!Dブロックの勝者はカーリー!!これで全てのブロックの勝者が決まりましたぁーーー!Aブロックからはアダル選手、Bブロックからはミラ選手、Cブロックからはアーモット選手、そしてDブロックはたった今勝ち残ったカーリー選手です。そして決勝戦ではこの4人のバトル・ロワイアルとなります。これより1時間の準備に入ります。今しばらくお待ち下さい」
「遂に決勝ね」
「暇ね」
「…ヒマ」
「少し散歩でもしましょう」
「レーアさんはどうしますか?」
「私も行くわ。暇だし」
私達は時間まで闘技場を散策する事にした。
「ちょっ!ちょっとぉ~俺も連れてってくれぇ~」
★ ★ ★
「よぉアーモット、所詮は人族だな」
「ああ、そうだなカーリー。ただ気になるのはあの女だ」
「あれは竜人だな」
「我々の作戦の邪魔にならなければいいが…」
「人族に手を貸すとは思えんが気をつけるとするか」
「あの竜人が本選に出ると作戦に支障が出るかも知れん。まずは二人で竜人を倒す」
「ああ、俺達は少しでも邪魔になりそうな存在を早めに排除するのが目的だからな」
選手控え室から少し離れた通路では誰もいないところで二人は話していた。
「じゃあ俺は怪しまれないように先に控え室に戻るぞ」
「わかったアーモット、俺は少し周りを見てから戻る」
そして二人は決勝戦まで別々の行動をとった。
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