61曲目 Cブロック
モモカがアイテムボックスからお弁当を出した。
キノとヒルダがいない分、お弁当はかなり余分に余ったけど、レーアさんとハンスがいるので食べきれるだろう。
若干、モモカが嫌な顔をしているけど…
「レーアさんどうぞ」
「ありがとう!」
「ハンスさんも食べますか?」
「いいのか?」
ハンスさんはチラッとモモカを見た。
「はい」
「有り難く頂くよ」
「美味しぃ~~~!モモカちゃん、これ何?」
「それねぇ、サンドウィッチって言うのよ」
この世界ではパンに肉などを挟む料理はあるが、こんなに柔らかいパンは存在しない。
「パンに色んな具材を挟むのぉ」
「これパンなの!」
「パンよ」
「柔らかすぎでしょ!これ」
隣では凄い勢いで食べるハンスさんがいた。
「うめ、うめ、うめぇ~~~!これは卵か?このソースうめぇぞ」
「マヨネーズね」
「これはなんだ?」
「それはツナよ」
「ツナ?」
「簡単に言ったら魚をマヨネーズに和えた物よ」
「さ、魚かよ!これ」
ハンスさんはそのあと食べ終わるまでひたすら食べてました。
「レーアさんは気に入ってくれた」
「あなた達が作るものは全てサイコーよ!毎日一緒にご飯食べたいわ」
「所でリーナさんは?」
「リーナも他の連中も選手じゃないからね。あの長蛇の列を並んで座っているか、諦めて帰っているかのどっちかじゃない?所でキノちゃんは?」
「キノはもう一人の娘のヒルダとどっかにいってます」
「そっかぁ、食いしん坊がいないからたくさんあるのね」
「そういうことです」
「フフフ」
私達は時間までサンドウィッチを食べながらレーアさんとおしゃべりをした。
その間はハンスさんは大人しく食べていたせいか少しモモカの機嫌も直ってきた。
「ねぇ、そろそろ始まるみたいよ」
そしてCブロックの戦いが始まる。
入場が終わるとハンスさんは一人の男に注目していた。
その男はランキング8位シモン、わざわざ大会の予選なんかに出るタイプではないらしい。
彼の武器は戦鎌、柄が長く相手を間合いに入れると一撃で葬る事から死神と呼ばれている。
あとは特に目立った人は見かけなかったが、見たことのない人が多い分、何が起こるかはわからない。
実際にハンスの予想はことごとく外れている。
★ ★ ★
試合が始まると同時にシモンの間合いの人が全員一撃で倒された。
その光景を見た者達が一斉にシモンに襲いかかると、開始1分もかからずに約半分が脱落した。
この時点で残りは15名。
「つまんねぇな、オイ!わざわざこんな所まで来たのによぉ」
すると一人と男はシモンの前に立ち塞がった。
「ランキング8位の実力、見せてもらおうか」
その男は肌は浅黒く、とても冒険者には見えない佇まいで、両手で剣を持ち構えている。
「いいねぇ、どっからでもいいからかかってこい!」
すると関係ない者までも二人の邪魔をするように攻撃してきた。
「うぜぇな」
「邪魔ですね」
男とシモンは火の粉を払うように次々と向かってくる奴等を叩きのめす。
そして闘技場の上に立っているのは二人だけになった。
「邪魔者はいなくなった」
「後はてめえだけだ!」
シモンの戦鎌は円を描くような軌道で切り裂く。
誰もがわかっている筈なのに躱す事が出来ないでいる。
男は戦鎌の射程距離ギリギリを出たり入ったりするとお構いなしにシモンは攻撃してくる。
戦鎌が男の体に当たりそうになると何とが防御をするが勢いで吹き飛ばされた。
「おかしい、もし届いたとしても数ミリ触れる程度の筈…」
「ハッハー!これで終いだぁーーー!」
今度は軌道から50センチは躱した筈なのに…
「なんとなくわかってきたよ。だが確実ではない」
「だったらどうするよ」
「簡単だ。こっちから攻めて終わらせればいい」
「攻められないから喰らってるんだろ!馬鹿かお前は」
すると男は一直線でシモンに向かっていった。
「馬鹿が!」
今度は戦鎌が当たる瞬間加速して躱すと、何処から現れたのかわからない鎌が襲ってきたが、更に加速して躱す。
「マジかよ!」
振り回している戦鎌がギリギリ間に合い、男を狙うとそこから更に加速してシモンに一撃を喰らわせた。
その一撃は通常の3倍の威力でシモンを襲い、シモンは声を出すことなく気絶した。
「遂にけっちゃーーーく!Cブロックの勝者アーモット!そして残るはDブロックのみとなりました」
アーモットは退場するとDブロックの準備に入った。
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